そろそろ離乳食ですね、といわれたのになかなか赤ちゃんが離乳食を食べてくれない、そんなことはないでしょうか。しかし赤ちゃんが離乳食を食べないのには、赤ちゃんなりにちゃんと原因や理由があります。
今回の記事では赤ちゃんが離乳食を食べないのはどうしてなのか、原因や対策について紹介しています。
まずはどうして赤ちゃんが離乳食を食べないのか、月齢別の原因について見ていきましょう。
離乳食を開始したばかりの初期に赤ちゃんが離乳食を食べない原因は、初めての離乳食に戸惑っていたり、スプーンを嫌がったり、母乳やミルクでお腹がいっぱいになっていて食べないことが考えられます。
いつも母乳の赤ちゃんが哺乳瓶を嫌がることがありますが、原因としてはそれと同様です。ミルクで食事を与えられていたのにいきなり離乳食を出されて、スプーンや食べ物自体を嫌がってしまうことが原因でしょう。
離乳食の中期、生後7ヶ月~8ヶ月の赤ちゃんが離乳食を食べない原因は、ちょうど離乳食が柔らかな固形タイプに変わること、食事以外に気を取られるようになることなどがあげられます。
離乳食初期にはペースト状の離乳食でしたが、中期になると柔らかい固形タイプに変わっていきます。赤ちゃんによっては固形を嫌がったり、遊びに夢中になったりすることで離乳食を食べないことがあります。
生後9ヶ月~11ヶ月の後期の赤ちゃんが離乳食を食べない原因は、この頃になると赤ちゃんにも食の好みが生まれること、食べ方にも自分の意思が出てきてしまうことでしょう。
後期になると、赤ちゃんは離乳食を親に食べさせられるのを嫌がったり、特定の食べ物を嫌がったりするようになります。
赤ちゃんに食の好みが生まれ、好きなことと嫌いなことをはっきり認識できるようになり、主張するようになることが原因でしょう。
赤ちゃんが離乳食を食べない原因は、月齢によってそれぞれ違います。そのため、離乳食を食べさせるための対策もまた、月齢によって違ってきます。
赤ちゃんが離乳食を食べられるようにどう対策すればよいのか、月齢別に紹介しますので見ていきましょう。
離乳食を始めたばかりの初期にとるべき対策は、本当に離乳食を始めてよいのか成長具合を確認する、離乳食を食べやすくする、これまでの環境となるべく同じになるよう心がけるの3つです。
離乳食開始初期は、赤ちゃんはまだまだ母乳やミルクへの比重が大きな時期です。赤ちゃんには食べ物を食べる、という行為自体の経験がないため、なるべく抵抗が少なくなるよう配慮することや適切な時期に開始することが大切でしょう。
離乳食初期の食べない対策1つ目は、そもそも離乳食を始めてよい時期なのかどうかを改めて見直すことです。
離乳食開始時期は、生後5ヶ月~6ヶ月頃とされています。しかし、これはあくまでも目安です。赤ちゃんには個人差があり、成長が早く離乳食を早くから始められる子もいれば、成長が遅く目安の時期では早過ぎる子もいます。
食べ物に興味があるのか、口に入れようとしても嫌がらないかなど赤ちゃんの様子を確認しましょう。
離乳食初期の赤ちゃんはまだ、もぐもぐするという行為ができないことから、できるだけミルクと同じように食べられるよう、離乳食はなめらかにすりつぶしてペースト状にしましょう。
大人でも噛まずに飲み込めるほど、なめらかにすりつぶすのがコツです。ミルクと同じように口をつけて飲め、抵抗なく飲み込めるような離乳食を用意しましょう。
離乳食に慣れていない赤ちゃんがなるべく抵抗を感じないように、これまで口にしていたミルクと離乳食が同じ温度になるよう工夫してみましょう。
離乳食の食材が熱すぎたり、冷たすぎたりはしていないでしょうか。赤ちゃんはこれまで、母乳やミルクしか口にしていませんでした。知らない温度では、口に入れるのを嫌がって食べない可能性があります。できるだけミルクと同じ人肌温度にしてみましょう。
食べ慣れてきたはずの中期に赤ちゃんが離乳食を食べなくなってしまった場合は、これまでの離乳食と何かを変えなかったか、赤ちゃんが離乳食を食べるときにどう対応しているか見直すことが必要です。
中期の赤ちゃんは、多少は離乳食に慣れています。しかし、赤ちゃんの成長に伴って離乳食の内容を変えていく時期でもあり、場合によっては離乳食を食べなくなってしまうことがあるのです。この時期の対策は3つあります。
赤ちゃんも生後7ヶ月~8ヶ月と大きくなってきたことで食材を増やしたくなる時期ですが、離乳食を食べなくなるようなら、元の食べ慣れた食材を選ぶようにしてみましょう。
ペースト状でなくても食べられるようになってきたことで、色んな食材を食べさせたくなる時期ですが、赤ちゃんはその離乳食に慣れていません。離乳食を食べなくなった頃に食材を変えなかったか、見直してみましょう。
中期になると離乳食がペースト状ではなく柔らかな固形に変化していきますが、まだまだ赤ちゃんにとっては食べづらい場合があるため、片栗粉でとろみをつけて工夫してみましょう。
柔らかいけれど固形の離乳食、というのが中期の特徴です。しかし赤ちゃんによっては固形が食べづらく、離乳食自体を食べなくなってしまうことがあります。片栗粉を使い、とろみをつけて食べやすくしてみましょう。
ついつい両親のペースで離乳食を食べさせたり、これまでのペースで口に運びがちなのですが、中期の赤ちゃんの離乳食は初期の頃とは変わっていますので、様子を見ながら赤ちゃんのペースで食べさせるようにしましょう。
初期と同じペースで口に運んでは、赤ちゃんの飲み込みが間に合わないことがあります。離乳食が初期から変わり固形になったこと、赤ちゃんがもぐもぐし始めた時期であることから、赤ちゃんのペースに合わせることが大切です。
後期の赤ちゃんは離乳食にも好みをもつようになり嫌なものは食べない、食事の仕方が気に入らなければ食べないなど自発的な行動が目立つようになるため、それに合わせて対策をしましょう。
離乳食も後期になると赤ちゃんの好みを意識したり、食事中の環境にも気をつけて、食事しやすいよう整えたりする必要があります。
後期の赤ちゃんは多少の固さなら噛めるようになっていますが、固すぎると食べづらいため、適度な固さになっているか食材をチェックしてみましょう。
歯がなくても噛める程度の固さ、バナナをはじめとした果物のような柔らかさを目安にするとよいでしょう。
離乳食も後期になると赤ちゃんは自分で食べようとし始めますので、スプーンですくいやすいメニューにしたり、手づかみで食べやすいメニューにするなど工夫してみましょう。
この時期の赤ちゃんは食べるのが下手ですが、親に食べさせられるのを嫌がることがあります。食べやすい食材を選んだり手づかみで食べやすいメニューにしたりして、自発的に食べられるように促しましょう。
離乳食後期の赤ちゃんは食の好みが出始め、嫌いな食べ物だと食べないという行動をとるようになるため、味を元に戻したり好みの味に変えたりして対策しましょう。
好き嫌いが出てきたとしても、それは赤ちゃんの成長に伴う自然なことです。嫌がっている赤ちゃんに、嫌いな離乳食を無理やり食べさせるのはよくありません。食べてくれないなら、味の方を工夫してみましょう。
赤ちゃんに離乳食を食べてもらうには、まず無理やり食べさせたりせず楽しい雰囲気で食事させること、食べなくなったら食材やメニュー、味を食べ慣れたものに戻すとよいでしょう。
食事中はTVや音楽を消して食べることに集中させたり、お腹が空くタイミングを作るために毎日の生活リズムを整えることも大切でしょう。
赤ちゃんは離乳食をなかなか食べてくれないということがありますが、あまり焦る必要はありません。母乳やミルクを飲んでいるなら、そちらからも栄養をとれているからです。
離乳食の時期に大切なのは、食事は楽しいことだと赤ちゃんに理解してもらうことであり、無理に食べさせるのはやめましょう。
なかなか食べてくれないかもしれませんが、そんなこともあると心にゆとりをもって、赤ちゃんのペースに合わせて進めていきましょう。