デリケートな赤ちゃんの肌にも紫外線対策は欠かせません。しかし自己判断で大人用日焼け止めクリームを塗ったり、逆に紫外線を敵視し過ぎて室内ばかりで全く日光に当てなかったりするのはおすすめできません。
肌に悪いと言われている紫外線の影響について正しく知り、こまめに対策を取ることが大切です。生後3ヶ月までの乳児の肌は特に紫外線ダメージを受けやすいので紫外線からしっかりと守ってあげましょう。
紫外線による肌の影響として、湿疹・肌荒れ・がんのリスクを上げるなどがあげられます。まずは家の中で窓やカーテンを開けてカーテン越しの日光浴から始め、ベランダ、家の周辺などと徐々に慣らしていきましょう。
しかし紫外線が与える赤ちゃんへの影響は、悪いことばかりではありません。良い影響・悪い影響それぞれについて分かりやすく解説します。
害ばかりにスポットがあたりがちな紫外線ですが、生物にとってなくてはならないものであり、日光浴で紫外線に当たることにはよい影響もあります。
1日10~15分程度日光に当たると骨の成長に欠かせないビタミンDが生成され、外気に触れると体の働きが活発になり、食欲が増したり、暑さ寒さに対する抵抗力が付くといわれています。散歩や買い物程度の日光浴でこのメリットが得られるでしょう。
強い日差しや長時間の外出などで日光浴をしすぎると、紫外線からの悪い影響を受けてしまいます。赤ちゃんの肌は大人の3分の1ほどに薄くて敏感です。そのため抵抗力が低下しやすく、シミやシワ、湿疹などの肌荒れ、皮膚がんのリスクまでも高まるといわれています。
さらに紫外線は、肌のダメージだけでなく目にも強い刺激を与えます。日焼け止めやつばの広い帽子、サングラスなどを使用し、長時間の日光浴にならないよう注意しましょう。
大切な赤ちゃんの肌を紫外線の悪影響から守るため、紫外線対策を始めましょう。紫外線の害はすぐには現れず何年も経ってから影響が出て来ます。小さいうちから対策してトラブルを避けることが大切です。
紫外線の少ない朝や夕方に散歩に出るなどの工夫もおすすめです。そのうえで、日焼け止め・帽子・服装その他など、紫外線対策に欠かせないものについても確認しておきましょう。
赤ちゃんの肌はとてもデリケートなため、紫外線対策として日焼け止めを塗って守ることが大切です。その際は赤ちゃんの肌に刺激の少ない専用の日焼け止めを選びましょう。いつから使えるか月齢など記載しているものがおすすめです。
赤ちゃんの肌になにか塗ることに抵抗があるママもいるかもしれませんが、紫外線は帽子だけでは防げないでしょう。選び方を間違えないように慎重にしましょう。
次に紹介する赤ちゃんの紫外線対策は、帽子をかぶることです。定番の方法ではありますが、帽子なら何でもよいわけではなく、生地にUVカット加工が施されていたり、日焼けしやすい首部分に日除け布が付いていたりするものがおすすめです。
できるだけ試着をして、被り心地のよいサイズ感の帽子を選び、通気性のよい素材でつくられたものを選びましょう。防水・撥水加工がしてあれば、汚れにも強く汗をかいても快適に過ごせるでしょう。
赤ちゃんの紫外線対策の3つめは、服装に気を付けることです。大人に比べて汗をかきやすいので、吸湿性のよい綿や麻、速乾性の高いポリエステルなどを選びましょう。ただし、化学繊維は人によって、かゆみやかぶれなどのアレルギーが起こる場合もあるので注意が必要です。
また、ピッタリとフィットするものや黒っぽいものは熱がこもるため、熱中症リスクも上がります。熱を吸収しにくく、風通しがよいものを選びましょう。
抱っこ紐やベビーカーに取り付けるものを使った対策もあります。抱っこ紐にUVカットケープを付ければ、夏の紫外線はもちろん、肌寒くなった時や冬の冷たい風を除けたり、ホコリや虫除けの役目もします。
ベビーカーならブランケットやネットタイプをクリップで取り付けると、ベビーカー全体を紫外線から守れます。既存のサンシェードの上からカバータイプシェードを取り付けて日影の面積を増やすことでも紫外線対策になるといわれています。
赤ちゃんの日焼け止めを選ぶ際には、知っておきたい3つのポイントがあります。ベビー用というだけで選んでしまうと、肌に合わずまったく使わずにムダに終わってしまうなど失敗につながる場合があります。
安心して付けられて、快適に使える日焼け止めを選び赤ちゃんの肌を守りましょう。
赤ちゃんの日焼け止めの選び方でまず気を付けたいのは、「無添加・無香料・無着色」かどうかをチェックすることです。自然派やオーガニック、ナチュラルなど肌への優しさをアピールする商品は多いものの、裏の表示を見ると添加物が入っている場合があります。
無添加・無香料・無着色であるほかに、アルコールフリー、オーガニック(認定されたもの)など赤ちゃんの肌と健康に気づかった商品を選びましょう。
赤ちゃんの日焼け止めの選び方のポイント2つめは、石けんで簡単に落ちるかということです。製品によりますが、クレンジングを使わないと落とせないタイプもあります。
ナチュラルな材料からつくられ、お湯や石けんで落とせると表記があっても実際にはなかなか落ちないことがあります。何度も洗わなければならず肌に負担がかかります。
ドラッグストアなどのサンプルで試すか、口コミサイトのレビューなどを参考にするとよいでしょう。
赤ちゃんの日焼け止めを選ぶ際はSPF値とPA値の記載を確認しましょう。SPFはシミ・ソバカスの原因になるメラニンを増やすUV-B(紫外線B派)防止効果の目安の数値です。PAは肌深部まで届くUVA(紫外線A派)の防止効果で+~++++までの4段階あります。
数字が大きいほど日焼け防止効果が上がりますが肌への刺激も強くなるといわれています。赤ちゃんの普段使いならSPF10~15、PA+か++程度がおすすめです。
赤ちゃんに日焼け止めを塗るときには、肌に負担の少ない日焼け止めを選ぶことはもちろんですが、その塗り方にも注意点があります。守るべきポイントをしっかり押さえて、日焼け止めの効果をアップさせましょう。
なお、紫外線が強い時間を避けて外出したり、日焼け止めをきちんと洗い流したりすることも忘れずに行うことが大切です。
赤ちゃんの顔に日焼け止めを塗るときは、顔の中心から外側へ優しく伸ばして丁寧になじませます。その際、目元や口元などのデリケートな部分は避けて塗ってください。さらに、髪の生え際や耳、首の後ろは塗り忘れしやすい部分なので注意しましょう。
アスファルトからの照り返しや空気中の微粒子の散乱などの影響も受けやすいのが顔まわりです。帽子やベビーカーのシェードだけに頼らず日焼け止めでケアしてください。
洋服や抱っこ紐から出ている面積の多い、手・足に日焼け止めを塗る際も注意が必要です。手のひらに適量をなじませ、握るように密着させながら肩から手の甲、太ももから足の甲へと交互に手をすべらせるように塗りましょう。
このような塗り方をすることで、手・足全体にまんべんなく触れることができ、手足の甲だけでなく、肘や膝まわりへの塗り忘れも防げるでしょう。
赤ちゃんの紫外線対策として日焼け止めを使う際に注意してほしいポイントのラストは塗り直しです。大人の2倍の量の汗をかく赤ちゃんは、日焼け止めを塗ってもすぐに落ちてしまいがちです。
だからと言って強力なウォータープルーフや高SPF・高PAの日焼け止めでは肌に負担が大きすぎます。肌当たりのよいタオルなどで優しく汗を拭きとり、2時間に1回のペースで塗り直しましょう。
紫外線対策というと夏の暑い季節がメインのようですが、冬も紫外線は降り注いでいます。日焼け止めを塗るほどでない場合でも、時間帯によっては帽子を被せたり、ベビーカーのシェードを下すなどして紫外線対策しましょう。
さらに冬は乾燥の季節でもあるため、赤ちゃんは肌ダメージを受けやすくなっています。生活紫外線を避けるためにカーテンを閉めたり、低刺激の日焼け止めを併用するなど、その場に応じた対策を取りましょう。
大人よりも薄く、敏感でデリケートな赤ちゃんの肌を紫外線からしっかりと守ることは将来現れる肌トラブルやダメージを防ぐためにも欠かせません。
年々強くなる紫外線の害を避けるためにも、帽子や日除けグッズ、服装だけでなく、真夏の炎天下など命の危険をともなう時は外出を中止するなど、その場に応じた行動選びも大切です。
そのうえで負担が少なく安全に使える日焼け止めを上手に併用して紫外線から赤ちゃんを守りましょう。