スイートポテトは牛乳やバター、卵など含まれるため、いつから食べさせてよいのか気になる方も多いのではないでしょうか。
離乳食のスイートポテトは、使う材料によりますが離乳食初期に当たる5~6ヶ月過ぎには食べられます。8ヶ月までは舌で潰せるペースト状、9ヶ月以降は徐々に固形状のものを取り入れます。
なお、アレルギーの原因となるアレルゲンはタンパク質に含まれています。さつまいもにも微量のタンパク質が含まれるため、初めて食べさせる場合は注意が必要です。
さつまいもは加熱すると柔らかくなるため、離乳食の段階に合わせて加工できる便利な食材です。こちらでは、さつまいもの甘みの引き出し方、さつまいもの選び方、スイートポテトにする際の下ごしらえを紹介します。
さつまいもは、潰すことで自然の甘みを引き出すことができるため、離乳食として取り入れるのに適した食材です。
さらに、さつまいもは加熱方法によって甘みに差が生じます。さつまいもの甘みは麦芽糖の量によって変化しており、この麦芽糖がさつまいも内で生成されるのに適した温度は65~75℃とされています。
したがって、麦芽糖の生成時間が長いほどさつまいもは甘みを増すので、電子レンジで短時間の加熱調理をするよりも、オーブンでじっくりと長時間焼くほうが甘みが増します。
ただし、蒸したり茹でたりする調理方法が離乳食作りの点で劣っているとは限りません。甘みを引き出すにはオーブンなどを用いる方法が適していますが、蒸したり茹でたりすれば、水分を含ませ食感を柔らかくすることができ、ペースト状にするときには便利です。
さつまいもを選ぶときは、ひげのあるものや表面が黒く変色したものを避け、皮の色が均一で傷がなく、ふっくらとした見た目のものを選びます。
ひげが固かったり表面が黒く変色したさつまいもには古いものが多く、苦みが強い場合があります。ただし、糖度の高いさつまいもは切り口に飴色の蜜が見られることがあるので、黒い蜜が滴った跡のあるものは甘みが強いといえます。
紫芋は離乳食に取り入れても問題ありませんが、さつまいもに比べて淡泊な味わいが特徴的であるため、離乳食のスイートポテトには本来の甘みが強いさつまいもを使うのがおすすめです。
さつまいもをスイートポテトとして離乳食に取り入れる場合は、さつまいもを柔らかく加熱することが基本です。加熱後の下ごしらえは、離乳食の段階ごとに異なります。
離乳食初期(5~6ヶ月)は、10倍粥に慣れてきた頃なので、裏ごししたりミキサーにかけたりしてペースト状にしたあとお湯などで伸ばします。このときの目安はヨーグルト状の固さです。
離乳食中期(7~8ヶ月)は、ペースト状にしたさつまいもと、3㎜角に切ったさつまいもを混ぜて食べさせます。この時期は食べ物を舌で潰す練習をすることが目的なので、あまり細かくしすぎないようにしましょう。
離乳食後期(9~11ヶ月)は、徐々に固形に慣れるよう、加熱後に小さく角切りしておきます。この頃になるとつかみ食べも始まるので、前歯で噛む練習になるようバナナくらいの固さを目安にしましょう。
離乳食完了期(12~18ヶ月)は、さつまいもを蒸したり焼いたりして赤ちゃんが手づかみできる大きさに加工しましょう。
スイートポテトを離乳食として作る場合は、甘みの引き出し方や加え方がポイントです。今回は、さつまいもそのものの甘みを利用する方法や、粉ミルクやリンゴで甘みを加える方法を使った人気の作り方を紹介します。
蒸したさつまいもに粉ミルクを加えて味付けしたスイートポテトのレシピです。
まず、蒸したさつまいもを裏ごしし、粉ミルクを溶かして混ぜ合わせます。次につかみ食べがしやすい大きさに丸めて、オーブントースターで7分ほど加熱すれば完成です。
卵なしでもおいしく仕上がりますが、焼く前に卵黄を表面に塗るときれいな焼き色が出ます。
・おすすめの離乳食時期 離乳食中期(7~8ヶ月)
・予算目安 100円以下
・調理時間目安 約10分
さつまいもにアイスクリームを混ぜ合わせて味付けをするスイートポテトのレシピです。大人が食べるアイスクリームではなく、ベビー用アイスの素に牛乳を混ぜて手作りしたものを使うとよいでしょう。
まず、ふかしたさつまいもを潰し、温かいうちにバターを加えてさつまいもの熱で溶かしながら混ぜます。次にアイスクリームを加えて混ぜ合わせます。ホイップ絞り器で絞り出したり、手で丸めたりして成形し、約10分オーブントースターで加熱すれば完成です。
・おすすめの離乳食時期 離乳食完了期(12~18ヶ月)
・予算目安 300円前後
・調理時間目安 約15分
さつまいもとにんじんといった離乳食に適した食材を使ったスイートポテト風味のおかずです。
まず、適当な大きさに切ったさつまいもとみじん切りにしたにんじんを600Wの電子レンジで5分加熱します。熱いうちにつぶし、マーガリン・砂糖・卵を加えて混ぜ合わせます。食べやすい大きさにしてフライパンで弱火~中火で裏返しながら加熱すれば完成です。
・おすすめの離乳食時期 離乳食後期(9~11ヶ月)
・予算目安 100円以下
・調理時間目安 約30分
さつまいもの甘みを生かした離乳食向けのスイートポテトのレシピです。
まず、蒸したさつまいもが熱いうちに皮をむいて裏ごしします。そこへ溶いた卵黄を半分、牛乳のユンに加えて混ぜ合わせます。次に生地をラップで包んで成形し、天板に並べます。表面に残りの卵黄を塗り、230℃のオーブントースターで15分加熱すれば完成です。
・おすすめの離乳食時期 離乳食完了期(12~18ヶ月)
・予算目安 100円以下
・調理時間目安 約1時間
茹でたさつまいもにフォローアップミルクを加えて作るスイートポテトのレシピです。
まず、茹でたさつまいもを形がなくなるまで潰します。次にフォローアップミルクを加えて生地をなめらかにし、砂糖をふたつまみほど加えます。細長く形成して表面に卵黄を塗り、オーブントースターで約10分加熱したら完成です。
・おすすめの離乳食時期 離乳食後期(9~11ヶ月)
・予算目安 300円前後
・調理時間目安 約30分
さつまいもに黒ごまを加えて食感を楽しむことのできる離乳食用スイートポテトで、いろいろな食材に親しみを持たせることのできるレシピです。
まず、皮をむいたさつまいもを1㎝幅の輪切りにしてから水にさらし、柔らかくなるまで茹でたらザルにあげてお湯を切ります。次にさつまいもを潰し、三温糖、豆乳、無塩バター、黒ごまを混ぜ合わせます。形を整え、アルミホイルを敷いたオーブントースターで加熱すれば完成です。
・おすすめの離乳食時期 離乳食完了期(12~18ヶ月)
・予算目安 100円以下
・調理時間目安 約30分
ほうれん草や鶏ひき肉を使った揚げないコロッケ風スイートポテトで、大人のおやつとしてもおいしく楽しめるレシピです。
まず、1㎝幅の輪切りにしたさつまいもを電子レンジで4分加熱し、5分そのままにしておきます。その間に鶏ひき肉を鍋に入れ、料理酒を加えて加熱しておきます。
次にさつまいもを潰して加熱した鶏ひき肉、茹でたほうれん草をみじん切りにしたもの、牛乳と混ぜ合わせます。フライパンでパン粉に焼き色がつくまで炒ったら、スプーンで形成した生地にまぶして完成です。
・おすすめの離乳食時期 離乳食後期(9~11ヶ月)
・予算目安 300円前後
・調理時間目安 約15分
甘みの強いさつまいもとかぼちゃを使い、海苔で飾り付けをした赤ちゃんが喜ぶスイートポテトです。加熱の工程は圧力鍋のみを使用しているので、オーブントースターやフライパンで焼かないスイートポテトのレシピです。
まず、さつまいもとかぼちゃの皮をむいて適当な大きさに切り、さつまいもはしばらく水にさらしておきます。さつまいもとかぼちゃを圧力鍋に入れ、3分の1が浸る程度の水を入れて加圧します。加圧後は火を止め、圧が下がったらさつまいもとかぼちゃを潰します。
ここへ牛乳を加えて混ぜ合わせ、丸めて形を整えれば完成です。キャラ弁などに用いられる切り抜き用のグッズを使って海苔で顔を作ると、赤ちゃんが喜んで食べるようになります。
・おすすめの離乳食時期 離乳食中期(7~8ヶ月)
・予算目安 100円以下
・調理時間目安 約30分
安納芋と食パンを使った砂糖不使用のスイートポテトで、つかみ食べにも適した大きさです。ここでは卵黄を使用したレシピを紹介していますが、卵なしでもおいしく仕上がります。
まず、焼き芋など加熱済の安納芋を熱いうちに潰し、牛乳を加えて混ぜ合わせます。次に食パンの耳を切り落とし、上記の潰した安納芋ペーストに卵黄を塗ってトースターで約3分焼きます。焼き上がった後は食べやすい大きさに切り分ければ完成です。
・おすすめの離乳食時期 離乳食後期(9~11ヶ月)
・予算目安 100円以下
・調理時間目安 約15分
裏ごししたさつまいもにリンゴを加えており、離乳食初期から取り入れられるスイートポテトです。
まず、さつまいもとリンゴをそれぞれ裏ごししておきます。裏ごししたさつまいもに、先ほどの裏ごししたリンゴとは別にリンゴ果汁を用意しておき、さつまいもに加えて伸ばします。最後に裏ごししたリンゴを混ぜ合わせて完成です。
・おすすめの離乳食時期 離乳食初期(5~6ヶ月)
・予算目安 100円以下
・調理時間目安 約10分
スイートポテトを離乳食に取り入れる場合は、さつまいもの自然な甘みを生かすよう心がけ、脂肪分や甘みを加えないようにしましょう。
赤ちゃんは胃腸が未発達であったり消化酵素などの分泌が不十分であったりすると、脂肪分をうまく消化・吸収することができません。したがって、スイートポテトにバターなどの油を使用したい場合は、7ヶ月以降にしましょう。
離乳食は一般的に手間のかかる作業が多く、一度に作って冷凍保存しておくのが合理的だという意見もあります。スイートポテトも裏ごしや潰す作業があり、大量に作って冷凍保存しておくというのも一つの方法です。
しかし、冷凍保存した離乳食は食材の風味や食感を損なうほか、できたてのものに比べて衛生面で劣る可能性があります。
赤ちゃんにいろいろな食材を安全でおいしい方法で知ってもらうためにも、できたての離乳食が適していることを念頭に置いておきましょう。
さつまいもは離乳食として取り入れるのに便利な食材で、中でもスイートポテトは裏ごしやペースト状に潰す作業をすることで離乳食初期から使えるレシピです。
さつまいもには食物繊維が豊富に含まれており、離乳食を開始してから便秘になりやすい赤ちゃんにもおすすめの食材です。離乳食の段階ごとに工夫を凝らして、自然の甘みを生かしたスイートポテトを作りましょう。