【専門家監修】赤ちゃんのよだれが多くて熱も高い理由は?代表的夏かぜの症状7点

いつもよりよだれが多くて熱が高い?赤ちゃんからのサイン

赤ちゃんからのサインには、いつもよりよだれが多くて熱が高いことなどがあります。ママの判断が赤ちゃんの病気の早期発見につながります。


赤ちゃんがおむつも濡れていないし、おなかも空いていない、でも赤ちゃんの機嫌が悪いときは、赤ちゃんの体に何かトラブルが起きているサインを出しているかもしれません。


赤ちゃんは、ちょっとでもトラブルがあれば無意識のうちにサインを出しますので注意して観察しましょう。

まずお医者さんに診せよう

赤ちゃんのよだれが急に多い状態になったら、注意が必要なことがあります。よだれを出すのは赤ちゃんにとって普通のことなのですが、口内炎や口の中に何かできものがあり、また喉に炎症を起こしていると、赤ちゃんのよだれが急に増えることがあります。


赤ちゃんは痛くてミルクを飲まなくなるなど、他のサインを出してくれます。このような時は素人判断ではなく、赤ちゃんを担当する小児科医のお医者さんに診てもらいましょう。

単によだれが多い場合もある

赤ちゃんに熱もなく、よだれが多くなる場合もあります。赤ちゃんは生後6ヶ月頃になると、歯が生えてきている場合もあり、歯が生えるときによだれが増えることがあります。歯が生えてくると赤ちゃんは歯ぐきがかゆくなり、いろいろなものを噛んでしまいます。


噛むときによだれが多く出ます、熱もなくよだれが増える原因には歯が関係することもあります。病院に連れていくのは口内にできものがないかを確認してからにしてください。

よだれと熱で考えられる赤ちゃんの病気

よだれと熱で考えられる赤ちゃんの病気には、夏かぜの一つであるヘルパンギーナがありますが、この病気は夏かぜウイルスのコクサッキーA型ウイルスに感染して起こる病気です。


このヘルパンギーナは発熱とノドの痛みが起こる夏かぜで、潜伏期間が2~7日間、乳児から4歳までに多い病気です。感染は主に飛沫や接触感染から起こり、発病すると38℃から40℃の高熱が突然出て咽頭痛になり3~5日間これが続きます。

高熱とよだれだけじゃない!ヘルパンギーナの主な症状7点

ヘルパンギーナに赤ちゃんがかかってしまった場合にでる主な症状には、高熱が出て数日続くのですが、のどの痛みからよだれがとても多い場合もあります。ヘルパンギーナにかかった場合に出る症状にはほかにも、赤ちゃんが嘔吐する場合があります。


他にも赤ちゃんは、具合が悪いので期限も悪くて泣き止まなくなりますし、高熱が続くともちろん元気がなくなってしまいます。また、のどの痛みからミルクを飲みこまなくなってしまいます。

赤ちゃんのヘルパンギーナの症状1:高熱が出る

ヘルパンギーナの症状の特徴は、突然発熱してその高熱が続くことです。この病気にかかると、数日の潜伏期間を経て、突然の発熱と高熱が続き口内炎にともなう喉の痛みの症状が出てきます。


その発熱は38度後半~40度台の高熱になり、2~4日程度発熱が続いてから熱が引いてきます。発熱時に稀ですが熱性けいれんを起こす赤ちゃんもいます。発熱したら小児科に赤ちゃんを連れて行くことをおすすめします。

赤ちゃんのヘルパンギーナの症状2:いつもよりよだれが多い

赤ちゃんのヘルパンギーナの症状として、いつもよりよだれが多くなる場合があります。この夏かぜにかかると赤ちゃんの喉の奥やのど奥の周りが腫れて、水泡ができて破れると、ただれた状態になり痛みを伴います。


赤ちゃんが飲み込む動作をしたときに、この痛みはかなり強くなるので、食欲が落ち水分を十分とれなくなりますし、自分のよだれも飲み込めなくなり、よだれが垂れてきます。そのためよだれが多く見られる場合があります。

赤ちゃんのヘルパンギーナの症状3:嘔吐する

赤ちゃんのヘルパンギーナの症状として、ひどい場合は嘔吐することもあります。赤ちゃんがこの夏かぜにかかると、数日発熱が続きます。発熱は急で38~40度の高熱になりますし、喉の痛みも現れます。


この痛みで水分が摂りにくくなり、脱水症状も心配です。さらに発熱と喉奥の不快感から赤ちゃんは腹痛や嘔吐、頭痛などを起こすこともあります。嘔吐するようになったら危険ですので小児科外来を急いで受診するようにしてください。

赤ちゃんのヘルパンギーナの症状4:泣き止まない

赤ちゃんのヘルパンギーナの症状として、喉奥の水泡が破れて潰瘍ができた強い痛みから、抱っこしても何をしても泣き止まないことがあります。


発熱と喉奥の痛みの不快感から赤ちゃんは簡単には泣き止まなくなってしまいます。どうしても泣き止まないと赤ちゃんは体力がないので、さらにヘルパンギーナの症状が進行してしまいますから小児科外来を急いで受診するようにしてください。

赤ちゃんのヘルパンギーナの症状5:元気がない

赤ちゃんのヘルパンギーナの症状として、元気がなくぐったりしてしまうことがあります。発熱があり喉も痛み赤ちゃんの具合が悪くなってしまいます。しかも、喉が痛くミルクも飲み込みにくいので栄養補給も滞ってしまいます。


そのため、赤ちゃんは元気が出なくなってしまい、倦怠感が出てきます。しばらくは家で赤ちゃんの様子を見ていた方が良いのですが、元気のない状態が長く続くようでしたら小児科医を受診しましょう。

赤ちゃんのヘルパンギーナの症状6:ミルクを飲まない

赤ちゃんのヘルパンギーナの症状として、ミルクを飲まなくなることが見受けられます。赤ちゃんは成長が進むとだんだんミルクを欲しがらなくなるものですが、ヘルパンギーナに感染すると喉奥の痛みがあるので、急に何もかも飲み込むことを嫌がるようになります。


そのためミルクも飲まなくなってしまいます。赤ちゃんはミルクで多くの水分補給をしているので、脱水症状を起こしてしまいやすくなりますから注意が必要です。

赤ちゃんのヘルパンギーナの症状7:機嫌が悪い

赤ちゃんのヘルパンギーナの症状として、発熱や喉の痛みがありますので、赤ちゃんの機嫌が悪くなってしまいます。ただ、機嫌が悪い場合でも元気がある赤ちゃんから、ぐったりしてしまう赤ちゃんまで様々です。


赤ちゃんが元気であればよいのですが、ぐったりしている場合は髄膜炎や脳炎などの合併症を併発している可能性があるので、至急赤ちゃんを小児科医に連れていき、受診させましょう。

赤ちゃんの状態対処法
高熱が出る病院をすぐ受診する
いつもよりよだれが多い様子を見る
嘔吐する病院をすぐ受診する
泣き止まない様子を見る
元気がない様子を見るが、ぐったりしていたら病院を受診する
ミルクを飲まない様子を見る、水分補給を試みる
機嫌が悪い様子を見る

赤ちゃんのヘルパンギーナの対処法と予防法3点

赤ちゃんのヘルパンギーナの対処法と予防法として、効果的で日頃から気を付けたい予防法とかかってしまった時の対処法を紹介します。


ヘルパンギーナにかかってしまった時の対処法としては、とにかく赤ちゃんの解熱に努めることです。
また、高熱による脱水を防ぐために、こまめな水分の補給をしてあげてください。


また、ヘルパンギーナの予防法としては、ママがまめな手洗いなどで衛生面に気を付けることが大切です。

赤ちゃんの対処法と予防法1:解熱に努める

ヘルパンギーナにかかってしまったら、赤ちゃんへの対処法はとにかく解熱に努めることになります。この夏かぜのヘルパンギーナには特効薬がないので、対症療法をするしかありません。


冷房で室温を管理し、涼しい温度にすること、涼しい格好にすること、掛物は減らし汗をかいたらこまめに着替えさせることなどを行いましょう。


そして、発熱した身体を冷やしてあげるために腋や頭を冷やしてあげます。それでも熱が下がらずに高熱が続く場合は、急いで小児科を受診してください。

赤ちゃんの対処法と予防法2:水分の補給

ヘルパンギーナにかかってしまった赤ちゃんの対処法として、水分の補給に努めることがあります。赤ちゃんは喉の奥が潰瘍になると、その痛みからミルクを飲み込まなくなってしまいます。


その場合、赤ちゃんへの水分補給は喉にやさしい飲み物を与えるようにしてください。酸味のあるオレンジジュースなどは避けて、ぬるめのお水やミルクは痛みが少ない飲み物なので積極的に赤ちゃんに与えてください。

赤ちゃんの対処法と予防法3:衛生面に気を付ける

ヘルパンギーナに赤ちゃんがかからないようにするのが一番なので、衛生面に気を付けて予防に努めましょう。ヘルパンギーナの感染ルートは、ママの手指からや食器・おもちゃからが多くなっています。


ママは赤ちゃんにうつさないように、こまめなうがいと手洗いの充実が必要ですし、他の子どもからの感染を防ぐために、タオルや食器、そしておもちゃの共有を避けるようにして衛生面に特に配慮してください。

熱があるときお風呂に入れても大丈夫?

ヘルパンギーナになってしまった赤ちゃんを、熱があるときにお風呂に入れても大丈夫でしょうか。赤ちゃんはヘルパンギーナに感染すると、高熱が出て食欲不振となり体力が奪われてしまいます。


しかし、多少熱があっても体力があって赤ちゃんが元気であれば、短時間の入浴やシャワーで体をきれいにしてあげても構いません。特にお尻まわりをきれいにしてあげて衛生面を良くしてあげてください。

他にもある赤ちゃんがかかりやすい夏かぜ2つ

ヘルパンギーナ以外にもウイルスが原因の夏かぜが2つありますので、赤ちゃんがかからないように注意してあげてください。ヘルパンギーナもそうですがこれらの2つの夏かぜには特効薬が無く、対症療法しかないので予防が大切です。


夏かぜの一つが手足口病で、手足口などに発疹や潰瘍ができ高熱を出す病気です。もう一つが咽頭結膜熱でプール熱と呼ばれ、やはり高熱が続いてしまう病気です。

手足口病

手足口病はヘルパンギーナの原因のエンテロウイルスの一種のウイルスによるものですが、ウイルスの変異が激しいので特効薬がありません。しかも、ヘルパンギーナと同様に赤ちゃんが重症化する場合もあり注意は必要です。


手足口病に赤ちゃんがかかってしまうと手足口に発疹や潰瘍ができ、突然38度以上の高熱を出し熱が数日続きます。のどの痛みで水分を取りにくくなり、脱水の危険があり注意が必要です。

咽頭結膜熱

一般的にプールの水から感染する場合が多いので、プール熱といわれているのが咽頭結膜熱です。この原因ウイルスのアデノウイルスも変異が激しいために特効薬がありません。


また、ウイルスの型により多少症状が異なっているうえに、型が違うために何回もかかる場合が見られます。


咽頭結膜熱は、高熱が出て、のどに発疹が見られ、目の充血や目やにが出るなど目の炎症も起きます。熱は39度以上の高熱が4日前後続きます。

熱やよだれの判断に迷うときはすぐに医療機関へ

赤ちゃんがヘルパンギーナにかかった恐れがあり、熱が出てきて、よだれもすごい状態になるととても心配ですね。でも、すぐに医療機関に受診する前に、赤ちゃんの様子をよく見てあげて医療機関を受診してください。


熱があっても元気な赤ちゃんは、ヘルパンギーナなどの夏かぜではなく大丈夫なことが多いです。しかし、容態が急変する場合がありますので、注意深く赤ちゃんの様子を見て悪化したらすぐに医療機関を受診してください。