年子とは、一般的に「1歳違いのきょうだい」のことを言います。
しかし、「学年が1つ違いが年子」「最初の子どもが2歳になるまえに次の子どもが生まれると年子」などと、人によって年子の意味の解釈が違うことがあります。
また、「1歳違い」が年子と考えた場合、年子でも同じ学年になることがあります。たとえば、上の子どもが4月2日に、次の年の3月31日に下の子どもが生まれた場合、1歳違いですが学年は同学年です。
ここからは、「年子育児のメリット」について、見て行きましょう。
子どもを持つことを考えた時、一人っ子が良いと考える人もいれば、やはりきょうだいが欲しいと考える人もいるでしょう。
また、きょうだいを作ろうと考えた場合、「年子がいい」という人も一定数いますが、「年齢が近いとバタバタして落ち着いて子育てできないのでは」と不安な人もいるでしょう。
年子育児には、どのようなメリットがあるのでしょうか。
年子の場合は短い期間に続けて育児休暇をとることになりますが、長い目で見れば結果的に育児期間は短くなります。
早期の仕事復帰を考えるキャリアウーマンであれば、年子育児の方が早く職場復帰できます。
年子の場合は、子育てが終わるのも同時期です。子どもの手が離れた後に新しいことにチャレンジしたりと、自分の人生の時間をゆっくり持てるのもメリットです。
年子の場合は、保育園に入園しやすいというメリットもあります。
自治体や地域によって違いがありますが、上の子が保育園に在籍している場合には、同じ保育園に入りやすい場合があります。
送り迎えなどを考えた場合には、同じ保育園に在籍してくれたほうが親としては助かります。保育園に預けることを前提とするなら、こういった点で年子は有利と考えられるでしょう。
年子育児では、歳が近いので服などの身の回りのものがそのまま使えるというメリットがあります。
きょうだい間の年齢が離れていると、おくるみや育児グッズなども改めて買い直さなければいけなくなりますが、年子だとそのまま使えるので便利です。
身の回りのものがそのまま使えるのは、長期間保管する必要もなく衛生的にも経済的にも助かります。これも、年子ならではのメリットと言えるでしょう。
年子は年齢が近いので、興味があるものや遊び方も似ていることも多く、年の離れた兄弟に比べれば一緒に遊んでいてくれることが多いと言えるでしょう。
一緒にテレビを見たりおもちゃで遊んだり、二人仲良く遊んでいてくれるとその間に家事などを済ませられます。
また、どこかへ連れて行くにしても、年齢が近いので同じものを楽しめるのも年子のメリットです。
ただし、性別が違う場合はこの例には限らないでしょう。
すべての赤ちゃんがそうとは限りませんが、年子の場合は上の子の赤ちゃん返りが少ないというメリットがあります。
焼きもちという感情を持つ前に下の子が生まれてしまうので、赤ちゃん返りも少ないと言われています。
物心が付く前に下の子が生まれるため、自然に受け入れられると考えられます。「気がついたら弟や妹がいた」という感情に近いでしょう。
ここまで、年子育児のメリットを見てきましたが、ここからはデメリットについて見て行きましょう。
育児は精神力と体力勝負な部分が多いため、メリットにばかり目を向けていると、思いがけないところでストレスがかかっている場合があります。
年子育児のメリットとデメリットの双方を理解した上で、育児を考えて行きましょう。
妊娠・出産は女性にとって、心身ともに大きな負担がかかります。
年子の場合は一人目を出産し、手のかかる乳飲み子を抱えて、二度目の妊婦生活に入ることになります。母親にとっては、体力的にも精神的にもきついのが最大のデメリットと言えるでしょう。
つわりなどで辛いときでも、赤ちゃんは待ってくれません。授乳をしたりおむつを替えたり、やらなくてはいけないことがたくさんあるため、ゆっくりと休むことはできないでしょう。
年子は1歳しか年齢が違わないため、短期間で出費がかさむというデメリットがあります。おむつやミルクなどは2倍の出費になりますし、服や小物なども2つ用意しなければいけません。
保育園や小中学校についても、上の子が入学したと思ったら、また次の年に下の子が入学と毎年のようにお金がかかります。
次の出費に向けてお金を準備する時間も少ないので、やりくりが大変になる可能性があります。
個人差はありますが、一般的な授乳期間は生後すぐから1歳半、あるいは2歳頃までといわれています。年子育児の場合は、どうしても授乳期間が重なってしまうため、母親の負担が大きくなるというデメリットがあります。
また、下の子が母乳をもらっているのを見て上の子も欲しがったり、自分も構って欲しくて泣き出したりすることも日常茶飯事です。
赤ちゃんのうちは、双子を育てるのと同じくらい大変でしょう。
まだ小さな子どもに支度をさせて、保育園に連れて行くのはとても大変です。
年子の場合は、大変さが二人分になってしまうのがデメリットです。
時には、保育園に行きたくないと泣いたりすることもあるでしょう。保育園に通っている間は、二人分の荷物を抱えて送り迎えをする日々が続きます。
また、きょうだいが同じ保育園に入れなかった場合は、さらに送り迎えが大変になるでしょう。
年子の場合、育児が短期間で終わるのがメリットですが、逆に言えば、大変な時期が短期間に集中するともいえます。子育ての大変な時期がかぶるのは、ママにとって大きな負担になります。
おんぶや抱っこも二人同時のことが多く、買い物や散歩も常に二人を連れて行かなければいけません。
赤ちゃん二人を同時に相手するのは、想像以上に大変だということを念頭に置きましょう。
ここまで見てきたように、年子の育児は大変さも2倍になります。つまり、ママへの負担も2倍になるわけですから、一人で抱え込まずに周りに協力を頼むなどして上手く育児を行う必要があります。
では、上手な年子育児とはどのようにすればいいのでしょうか。ここからは、年子育児を上手に行うコツを3つご紹介しますので、ぜひ参考にして下さい。
年子育児の上手なコツは、子供の気持ちに寄り添うことです。
年子であれば、2人目の妊娠中は上の子もまだ小さく手がかかります。つわりなどで、どうしても上の子を構ってあげられないことも少なくありません。
妊娠中は気持ちが不安定になることも多いですが、子どもが不安ならないように常に側にいて、自分の気持ちが安定したら思いっきり遊んであげましょう。
二人目が生まれた後も、子どもの気持ちを大事にしてあげましょう。
年子育児では、どちらかが体調を崩せば移してしまうことを大前提に、体調管理に気を配るのがコツです。
大人になればそれなりに免疫力もついてきますが、小さなうちは免疫力が弱いため、風邪を引いたり体調を崩しやすくなったりすることも多いでしょう。
きょうだいのどちらかが風邪を引けば、もう一人にも移ってしまい、二人とも寝込むことも少なくありません。
ウィルスなどには十分に気をつけ、しっかりと予防をしましょう。
「母親」だからと、すべてを自分ひとりでやろうとせず、パートナーや家族の協力を求めましょう。
協力を求めたからと言って、ダメな母親でもさぼっているわけでもありません。大変なときに家族に協力を求めるのは大事なことです。
さらに、パートナーや家族にとっても赤ちゃんは大切な存在です。お風呂やおむつはパートナーにまかせたり、休日は家族に見てもらったりと、協力を求めて頑張りすぎないのが年子育児を上手に行うコツといえます。
ここまで年子育児について見て来ましたが、いかがでしたでしょうか。
年子育児にはメリットもデメリットもありますが、それを全部ひっくるめた楽しみがあります。たとえ大変な時期があっても、その時期を乗り越えればすべてが良い思い出に変わるでしょう。
大変なときは無理をせず、周りを頼ったり子育て便利グッズを使ったりして子育てを楽しみましょう。