本記事内に登場するT様ご夫妻はマタニティ婚ではありませんが、結婚式をすることに悩まれているカップルのお役に立てるならと、今回取材にご協力いただきました。
Y.Tさん:11月7日が娘の1歳の誕生日で、それに合わせて自分たちの結婚式も挙げようと考えていました。計画を始めたのが2020年の2月ごろで、新型コロナウイルスのことはニュースになっていたんですが、11月には収まっているだろうと思っていました。
Y.Tさん:結婚式はお料理が大事だと考えていたので、お料理の評判がいいホテルで探しました。その中で、私たちが横浜在住なので、身近な人も遠方の人も交通の便がいいことや、1歳になる娘を連れていく私たちも含め、授乳室などの設備がワンフロアでまとまっているのが決め手になりました。
Y.Tさん:私は地方出身なんですが、新型コロナウイルスもなかなか収まらない中、地元の友人から「あまり上京したくないな」という声を聞いたんです。私も無理に出席してもらうのは気が引けて…
T.Tさん:横浜ベイシェラトンのブライダルフェアで、”New Normal”での結婚式のアイデアとして、オンラインを取り入れられると聞いたんです。こういうご時世に開催するなら、オンラインも使ってみようかと考えました。
T.Tさん:いえ、リアルな会場開催とオンラインの組み合わせです。基本はリアルな会場を中心に式を進めましたが、オンラインを希望する方にはオンラインを活用してリモートで出席していただきました。
Y.Tさん:せっかく結婚式を挙げるからには、なるべくならお世話になった方々に直接ご挨拶したいという思いが強くありました。オンラインだけだと、会場にゲストもなく、自分たちだけということになり、それでは式を開く意味がないように思えたんです。
T.Tさん:だからオンラインはリアルな式の補完的な要素として採用しました。「リアルな出席は無理だから欠席」ではなくて、選択肢を増やして、なるべく多くの方に楽しんでいただきたいと思いました。
Y.Tさん:前述の地方の友人の他、私と同じように子育て中の友人や不妊治療中の友人などです。子育て中の友人が自分一人で会場に出席しようと思うと、子どもの預け先を考えなければならないし、不妊治療中の友人は新型コロナウイルス禍で医師から外出を控えられていたので。
Y.Tさん:9月ごろに招待状を発送したんですが、住所を教えていただくタイミングで、オンライン向きな方にはオンラインでの出席ををお願いしました。
T.Tさん:前例がないのでホテルや業者の方々のご提案を伺い私たちの希望を伝えて打ち合わせをしました。
Y.Tさん:オンラインで使うZoomも出席者が皆、日頃から使いこなしているという感じでもなく、私からもきちんと説明できなかったので、使い方のマニュアルを業者に依頼して各出席者に送りました。
Y.Tさん:リアルが40名。両親や親せき、友人などです。オンラインが6名。私の地方の友人や子育て中の友人です。
T.Tさん:結婚式はチャペルのカメラによる撮影で、披露宴はiPadを高砂に固定して会場風景を映し出す形にしました。
Y.Tさん:娘の1歳のお祝いも兼ねていたので、私たち二人が入場した後、よちよち歩きができるようになった娘が一人で手押し車で入場しました。また、ウエディングケーキの他に小さめのバースディケーキも用意していただき、1歳のキャンドルを3人で吹き消したりしました。
その他は、出席者への挨拶やお色直し、両親への花束贈呈など、新型コロナウイルス対策は行いながらも、極力以前と変わらない内容での披露宴を行いました。難しい状況の中での開催でしたが、ホテルの皆様のお力添えをいただき、皆さんに喜んでいただける結婚式ができてよかったと思います。
Y.Tさん:私たちが挨拶をしたほか、会場にオンライン出席者の友人も参加したので、画面越しに交流できました。
T.Tさん:オンライン出席者は6名で、全員が妻の友人でしたが全員が知り合い同士というわけではありませんでした。そのため、オンラインの一つの画面で話が弾むということはなかったようですが、それは意図していなかったので特に問題はありませんでした。2名ずつの2組は知り合い同士だったので、そこはZoomの画面を見ながら、LINEで会話していたみたいです。子どもの世話等でお色直しの際に一時中座していた方もいたようですが、自分のペースで参加できるのも自宅からのオンラインならではだと感じました。
T.Tさん:オンラインでは目新しさもあり、招待された方のご家族も一緒に画面を見て、思い思いに楽しんでいただけたようです。
Y.Tさん:料理も冷蔵タイプと冷凍タイプをオンライン出席者が事前に選んで、前日までに届く形ですが、家族で分け合い召し上がってもらえたようです。リアル出席だと招待された人しか楽しめないし、食べられないですが、これはオンラインならではの良さですね。
T.Tさん:オンライン用のメニューも試食しました。宅配といっても豪勢で、アワビや伊勢エビまで入っていて、披露宴にふさわしい内容で、とても美味しかったです。
Y.Tさん:オンラインで出席した子育て中の友人からは「子どもが小さいと、外食もままならないので、自宅に居ながらにして横浜ベイシェラトンの料理が食べられてよかった」と、感想をいただきました。地方の友人からも「地方にいても横浜のホテルの料理が食べられるのはウレシイ」との声も。
これは挙式前には考えていなかった、思わぬ副産物で、皆さんに喜ばれてよかったです。
Y.Tさん:授乳室を使いたい年代のお子さんがいる友人のリアル出席はなかったので、こちらの利用はありませんでした。ただし、私たちは打ち合わせ時からずっと授乳室を使わせていただきました。打ち合わせスペースからすぐに行けてとても便利で、横浜ベイシェラトンにして良かったと思いました。
T.Tさん:当初はなるべく多くの方に出席していただく手段として考えていましたが、出席者の皆さんの反応もよく、オンラインでも開いてよかったです。これを機に、結婚式がより気軽に参加できるものになれば良いなと思いました。
2月に申し込んでから、新型コロナウイルスの緊急事態宣言で打ち合わせがストップする期間もあり、準備期間としては決して十分ではなかった中で、今できる最大限のおもてなしができたと思います。
Y.Tさん:リアルな会場の新型コロナウイルス対策としてやや広めの会場を予約していたので、オンラインだけで会場が閑散とするよりは、リアルとの組み合わせができて、それもよかったです。会場のお料理もオンライン用のお料理も、どちらも美味しくて満足しています。
―ありがとうございました。
続いて、Tさんご夫妻が結婚式を挙げられた横浜ベイシェラトンホテル&タワーズ(以下、横浜ベイシェラトン)の支配人の山本様と婚礼担当の加藤様にお話を伺いました。
山本支配人:オンライン配信自体は、新型コロナウイルス禍以前の去年から検討していました。その時は海外在住や遠方の方など、会場に来られないゲストのためのサービスの一環、という位置づけでした。
それが2020年春の新型コロナウイルスの流行で、ゲストが全て欠席し、新郎新婦のお二人だけで挙式された方がいたんです。スタッフもフラワーシャワーのお手伝いなどをしましたが、寂しい様子は否めません。
こういう方にこそオンライン配信ができれば、と、配信サービスの商品化を大急ぎで進め、2020年秋の婚礼シーズンから提供できるようになりました。配信については、技術面等、配信専門会社の力もお借りしています。
山本支配人:ええ、挙式や披露宴の様子をただ配信するだけでは、オンラインで出席されている方の間が持たないと思い、オンライン専用の料理を宅配することにしました。当日は届いた料理をゲストの方のお手元にご用意いただき、会食しながらオンライン越しに披露宴に出席する、という趣向です。こちらは料理長と共に商品開発を行いました。
山本支配人:ありがとうございます。料理は届いたら、そのままの状態で召し上がれる「TSUNAGU御膳」と冷凍の真空包装でお届けし、湯せんをしてから召し上がれる「TSUNAGU Deli」の2種類を用意しています。配送地域の関係で2種類のご用意になるんですが、どちらも料理長が腕をふるった自信作です。
山本支配人:料理に関しては、美味しさに加えて、宅配した時にお重の盛り付けが崩れることがないよう詰め方や届け方に気を遣いました。
オンライン配信は、画像や音声がきちんと届くことが心配でした。特に式場専属のカメラマンは、これまで録画撮影が専門。オンライン撮影の経験が浅いので、生放送などを行うテレビ局の現役カメラマンによるレクチャーを行い、撮影レベルの向上に努めました。
加藤さん:引き出物・引き菓子・縁起物もお料理と一緒にセットで届くよう、工夫しています。受け取る側の煩わしさができるだけ少なくなるように考えました。
山本支配人:料理の宅配もオンライン配信も、何度もシミュレーションを繰り返し、秋の婚礼シーズンには万全の体制で臨んでいます。
山本支配人:遠方などでなかなか招きにくいと思っていたゲストにも出席してもらえると、オンライン結婚式を歓迎される方と、みんなが集まってこそ結婚式、新型コロナウイルス禍が収束するまで延期するという方と、それぞれのお考えを承っています。
実際にオンライン結婚式を挙げられる方は、Tさんご夫妻のように横浜に来られる親族や友人は式場で、遠方の方はオンラインで、というように、リアルとオンラインを組み合わせる方が多くなっています。
山本支配人:オンライン配信は2020年8月から、お料理の宅配は9月からです。いずれも横浜地区のホテルウエディングでは先行した取り組みです。11月末までに10組の新郎新婦が何らかの形でオンライン結婚式を採り入れています。
山本支配人:オンラインの配信やカメラワーク、料理の宅配はシミュレーションを繰り返したので、問題なく行われています。
意外だったのが、オンライン出席者様の反応です。皆様、食い入るように画面をご覧になっていて、感動されている。実施前は、スマホやタブレット、PCの画面越しに会場の臨場感がどのくらい伝わるのかと心配していたのですが、画面の質や大きさに関わらず、感動を伝えられるものだということを、再認識しました。
加藤さん:スマホで撮った写真を会場のスクリーンに飛ばす「フォトオブザデイ」は、披露宴で人気のプログラムです。これをオンラインでも可能にし、会場との一体感を図っています。オンラインでも楽しめることを、これからまだまだ採り入れていきたいと思います。
山本支配人:横浜まで出向きにくい遠方のゲストだけでなく、小さなお子様がいる方や妊婦の方でも結婚式に出席できるなど、皆様から喜びの声をいただいています。
加藤さん:お料理は、横浜ベイシェラトンの自信作であるだけでなく、新郎新婦様が試食した上で太鼓判を押され、ゲストの皆様にお届けしています。だからゲストの皆さんから喜ばれることで、新郎新婦様からもご満足いただいています。
山本支配人:式場で行う通常の結婚式とはまた違った感動があり、この時代ならではのお祝いのカタチだと思います。その一方で、式場でもオンラインでも、どこにいてもお二人を祝福する気持ちに変わりはありません。
私たちも、単にオンラインでできます、料理も届きますだけでなく、さらにオンラインを楽しめる内容をご提案していきたいと思います。
―ありがとうございました。
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