赤ちゃんが病気などで受診して、そのまま入院することになるケースはよくあります。入院となるとショックを受ける保護者も多いですが、病院に入院してしっかりとケアを受けることができれば安心です。
「もっと早く症状に気づいていれば」と自分を責めるのではなく、赤ちゃんが早く元気になるよう医師や看護師の話を聞いて、自分にできることをするようにしましょう。
赤ちゃんが入院しなくてはならない症状にはさまざまなものがあります。赤ちゃんが急に入院することになっても慌てることがないよう、どのような症状があるときに入院の可能性があるのかを見ていきましょう。
生後3カ月未満の赤ちゃんは熱の症状があれば、それ以外の症状が特に見られなくても検査をしたり、治療をしたりするために入院を勧められる可能性があります。
これは、3カ月未満の赤ちゃんが重症感染症の場合でも特徴が捉えにくいケースが多く、全身状態が良好でも慎重な対応が必要なためです。生後3カ月を過ぎると、発熱の期間や全身状態などで総合的に判断されるようになります。
出典:3ヶ月までの赤ちゃんの熱|阪南中央病院
参照:https://www.hannan-chuo-hsp.or.jp/shinryoka/shounika/154/
嘔吐や下痢の症状が見られる場合、胃腸炎の可能性が高いです。自宅での療養で改善することもありますが、嘔吐や下痢の回数が多いと脱水がひどくなり、入院での点滴治療が必要になる可能性もあります。
胃腸炎の原因はウィルスや細菌などさまざまです。代表的なウィルスにノロウィルスやロタウィルスが挙げられ、真冬に流行する傾向にあります。
出典:小児の胃腸炎について|公立岩瀬病院
参照:http://www.iwase-hp.jp/health/gastroenteritis.html
腹痛で激しく泣いていたのに、けろっと泣き止むことを繰り返す場合、腸重積症などの病気の可能性があり、入院が必要になる場合があります。
腸重積症は生後3カ月から2歳未満の子供によく見られる病気です。腹痛のほかに嘔吐の症状が見られることも多く、症状が進むと顔色が悪くなったり、血が混ざった便が出るようになったりします。
場合によっては手術が必要になることもあるため、上記の症状が見られる場合には早めに受診するようにしましょう。
出典:小児外科で治療する病気|一般社団法人日本小児外科学会
参照:http://www.jsps.or.jp/archives/sick_type/tyou-jusekishou
せきがひどくて眠れなかったり、呼吸が苦しそうだったり、おっぱいが飲めなかったりする場合には入院が必要です。
せきがひどい場合、かぜなどのウィルスが原因で細気管支炎などの病気を引き起こしている可能性が考えられます。
細気管支炎は2歳以下、特に生後6カ月頃までの赤ちゃんに見られることが多く、呼吸困難を引き起こす可能性もあり、月齢が低い場合、命にかかわることもあるため注意が必要です。
出典:細気管支炎|いまいずみ小児科
参照:http://www.imaizumi-web.com/kansen/422/
発疹を伴う病気には水痘や突発性発疹、とびひ、じんましんなど、さまざまなものがあります。入院せず治療できる場合が多いですが、中には川崎病など入院が必要な病気もあるため注意が必要です。
また、紫斑病と診断され、腹痛がひどいときにも入院が必要となる場合があります。
出典:発疹を伴う小児の疾患|医療法人イルソーレ時計台クリニック
参照:https://www.tokeidai-mc.jp/subject/shouni04.html
骨折や切り傷、やけどなどのケガや、赤ちゃんが誤飲してしまったり、溺れてしまったりする事故の場合にも、症状により入院が必要になることがあります。
また、乳幼児が頭を打った場合には注意が必要です。乳幼児の脳は柔らかいため衝撃を吸収しやすく、高いところから落ちても平気な場合がある一方で、未熟なため畳で転んだだけでも重篤な症状を引き起こす場合があります。
頭を打ったら1時間から2時間ほど様子を見て、いつもと様子が違うようであれば受診するようにしましょう。
出典:子供の頭部外傷|医療法人社団三喜会 鶴巻温泉病院
参照:https://www.sankikai.or.jp/tsurumaki/disease/brain/ch_tubugai.html
赤ちゃんの入院が決まると、何を準備すれば良いのか戸惑ってしまう保護者も多いのではないでしょうか。
そこで、ここでは赤ちゃんの入院時に必要なものを見ていきます。入院する赤ちゃんに保護者が付き添う場合に必要なものも併せて紹介しますので、参考にしてみてください。
赤ちゃんが入院する際の手続きには、健康保険証や医療費受給者証、母子健康手帳などが必要です。
必要なものが揃っていないと、場合によっては補助が効かずに全額を立て替えて支払わなくてはならない可能性もあるため注意しましょう。突然入院になる場合に備え、普段から持ち歩くようにするのがおすすめです。
入院時の手続きには、下記のものを準備しましょう。
赤ちゃんの入院になると、入院手続きに必要なものだけでなく、入院生活で使うものも用意する必要があります。
ここからは、入院生活で必要なものを赤ちゃん用と付き添いの保護者用にわけて見ていきましょう。
赤ちゃんが入院生活で使用する着替えやおむつなどは多めに準備をしておくと安心です。パジャマは前開きのものが便利でしょう。
また、離乳食が始まっている場合には使い慣れたフォークやスプーンを持参しましょう。そのほかにも、赤ちゃんが退屈しないよう、絵本や音の出ないおもちゃなどを用意してあげるのがおすすめです。
具体的には以下のものを用意すると良いでしょう。
赤ちゃんの入院に保護者が付き添える場合、保護者が使用するものも準備する必要があります。
赤ちゃんに付き添うときは、できるだけ楽なルームウェアなどの着替えを準備すると、パジャマにもできて便利です。
また、保護者の食事や飲みもの、足りないものを売店に買いにいくための現金も必要です。あまり高額な現金は持ち歩かず、売店での買い出しに必要な分だけ準備するようにしましょう。
保護者用として具体的には以下のものが必要でしょう。
赤ちゃんの入院に必ずしも必要ではないけれど、あると便利なものもあります。入院が長引く場合には病院で洗濯をする必要があるため、洗剤やハンガーなどを用意しておくと良いでしょう。
持っていくと便利なものは売店に売っていることもあるため、自宅から持っていくのが大変な場合には売店で購入するのも1つの方法です。
赤ちゃんが突然入院になったら心配で動揺してしまう人も多いですが、まずは落ち着いて確認すべきことを確認ましょう。
ここでは、赤ちゃんが入院するときに押さえておくべきポイントを見ていきます。
赤ちゃんが入院することになれば、赤ちゃんのそばに付いていてあげたいと思う保護者も多いでしょう。
しかし、赤ちゃんに付き添いができるかどうかは病院によって異なるため、事前に確認することが必要です。
また、付き添いをする場合には、大部屋でもいいのか、個室でなければいけないのか、使用料金が必要かなども確認しましょう。
赤ちゃんを母乳で育てている場合、入院中に授乳できるかどうかも病院によって対応が異なるため確認しておくことが必要です。また、赤ちゃんの症状によっては授乳できない場合があります。
直接授乳できず、搾乳した母乳を預ける際には衛生状態に注意することが必要です。
医療費助成制度とは、子供が病院で診察を受けたり、薬局で調剤を受ける際、保険適用の医療について保護者の負担額を自治体が助成するというものです。
自治体によって医療費助成制度の内容は異なりますが、多くの場合、赤ちゃんの入院にかかる費用の多くを支払ってもらえるところが多いでしょう。
医療費助成制度を利用すれば、負担する費用は差額のベッド代や入院中の食費などになります。自分の自治体ではどのような助成を受けることができるのか確認しておきましょう。
出典:子ども医療費助成|中央区役所
参照:https://www.city.chuo.lg.jp/smph/kosodate/teate/akimoto.html
赤ちゃんの入院でお世話になった病院へお礼をしたいという人も多いでしょう。しかし、病院の規則で患者やその家族から謝礼を受け取らないことになっているケースも多く、病院や医師は謝礼を受け取らない場合が多いです。
そのため、病院へお礼の品を贈ることは控え、お礼の気持ちを言葉で伝えるだけに留めましょう。
赤ちゃんが突然入院することになれば、誰でも動揺し不安になってしまうでしょう。しかし、そのようなときにこそ、落ち着いて対応することが必要です。
紹介した内容を参考に、赤ちゃんの入院に必要なものや押さえるべきポイントを知り、落ち着いて対応しましょう。
不安なことやわからないことがあれば、病院や医師、看護師に相談するようにしてください。