【専門家監修】乳首が痛い理由は妊娠の影響?色やしこりなど気になる症状も紹介

乳首が痛いのは妊娠が原因?

乳首が痛いと感じたことのある女性はとても多いようです。


乳房は、女性ホルモンの影響を受けやすい部位であり、妊娠が原因となるだけではなく、生理前や授乳期にも痛みを感じる人が多いでしょう。


もちろん、乳首の痛みは妊娠が原因となることもあります。妊娠初期症状の一つとされており、妊娠4週頃から違和感を感じることがあるようです。片方の乳首だけが痛いと感じるケースもあり、人によって個人差があります。


しかし、全ての女性が妊娠した際に乳首の痛みを感じるわけではないため、乳首の痛みは妊娠が原因だと断言するのは難しいでしょう。


出典:これって妊娠初期症状?妊娠と初期症状の関係とは【医師監修】|ヒロクリニック
参照:https://www.hiro-clinic.or.jp/nipt/early-pregnancy-symptoms/

妊娠後に見られる乳首や乳房の変化

では、乳首の痛みを引き起こした原因が妊娠だった場合、妊娠後の乳首や乳房にはどのような変化があるのでしょうか。


ここからは、妊娠後に見られる乳首や乳房の変化についてそれぞれのシーンごとに解説していきます。


人によって個人差はありますが、ぜひ参考にしてみてください。

  • 妊娠初期の様子
  • 妊娠中期の様子
  • 妊娠後期の様子
  • 出産後の様子
  • 授乳中の様子
  • 卒乳した後の様子

妊娠初期の様子

まずは、妊娠初期のおっぱいの様子についてです。


妊娠初期の乳首や乳房の違和感や痛みは、妊娠に気づくきっかけになることがあります。


具体的には、乳首が敏感になると言う声があります。これは、乳腺が発達することによって起こり、今までは気にならなかった下着や洋服とのスレに違和感を感じるようになるためです。


また、妊娠によってホルモンバランスが変化することで、メラニンという色素が増え、黒ずんだように感じるため、乳首の色が濃くなったと言う人もいます。

妊娠中期の様子

続いて、妊娠中期の様子です。


妊娠中期になると、乳房全体が大きくなっていきます。これは、乳腺がさらに発達し、身体全体に脂肪を蓄えようとするためです。


乳房が大きくなると、お腹と同じように妊娠線ができることがあります。保湿クリームを塗るなどして、ケアをしてあげましょう。

妊娠後期の様子

続いて、妊娠後期の様子です。


妊娠後期になると、中期に比べてさらに乳房が大きくなることがあります。また、乳腺が発達してきているため、刺激が加わることにより、乳汁が出ることもあります。


出産後に、赤ちゃんがおっぱいを吸いやすくするために、妊娠後期の時点から乳首のケアやマッサージを行うお母さんも多いでしょう。入浴後など身体が温まった状態で行うのがおすすめです。

出産後の様子

無事に赤ちゃんが生まれた後も、お母さんの乳房や乳首には妊娠前とは違う変化が見られます。


出産後も、乳房が大きくなったと感じる女性が多く、乳房全体の大きさだけではなく、乳首や乳輪も大きくなったと感じる人も多いと言われています。

授乳中の様子

では、赤ちゃんにおっぱいをあげている授乳期間中はどのような変化があるのでしょうか。


授乳中も、妊娠後期〜出産後と同様に、乳房や乳輪、乳首の大きさはキープしたままになります。これは、赤ちゃんがおっぱいを吸いやすくするためだと言われており、身体が自然とそのように変化するのです。

卒乳した後の様子

大きさだけではなく、色や形など様々な変化があるバストですが、元に戻らないのかと不安に思う人も多いでしょう。 


ここでは、卒乳した後のおっぱいの様子について見ていきます。


授乳が終わると、大きさは元に戻ってしまうことがほとんどと言われています。妊娠中や授乳中はハリがあって、バストトップの位置が高かったのに、卒乳後は元に戻ってしまったと言う声も多くあります。


卒乳したら、乳房の大きさだけではなく乳首の色や乳輪の大きさ、妊娠線なども元に戻ることが多いでしょう。

妊娠初期に乳首が痛い理由

乳首の痛みを感じることで、妊娠に気づく人も多くいます。


では、なぜ妊娠初期に乳首が痛いと感じる人が多いのでしょうか。


ここからは、妊娠初期に乳首に痛みを感じる理由について解説していきます。

肌が敏感になっている

まず一つ目の理由として、肌が敏感になっていることが考えられます。


妊娠中は、乳房や乳首だけではなく身体全体に痒みや違和感を感じる人も少なくありません。身体の中でも、特に乳首が敏感になる人が多いと言われています。


この肌が敏感になる主な原因は、まだ明らかになっていません。妊娠中の自然な反応のため、特に気にする必要はありませんが、痒みや痛みが気になって日常生活に支障がある場合は、医師に相談して、痒み止めの処方などを依頼しましょう。

ホルモンの影響を受けている

二つ目に、ホルモンの影響を受けていることが考えられます。


妊娠初期は、プロゲステロンとエストロゲンと呼ばれるホルモンの影響を受けやすくなります。これらのホルモンの影響により、乳首が痛いと感じることがあるのです。


痛みの感じ方には個人差があり、日常生活を送る上で気になってしまうほどの痛みや違和感を感じる人もいれば、ほとんど変化のない人までおり、人によって様々です。

妊娠による乳首の痛み対策

妊娠による身体の変化だと分かっていても、どうしても乳首の痛みが気になってしまう、日常生活にも支障をきたす人も中にはいるようです。


ここでは、妊娠による乳首の痛みを和らげる対策について紹介していきます。


まずは、乳首への摩擦や刺激をできるだけ抑えるために、下着をノンワイヤータイプのものに変えるのがおすすめです。締め付けが弱いもの、胸を押さえつけないものを選びましょう。


それでも痛いと言う場合は、冷やしたタオルなどを胸に当ててクールダウンさせると痛みが和らぐ場合もあります。

妊娠以外で乳首や乳房が痛いと感じる原因

乳首や乳房が痛いと感じる原因は、妊娠だけが原因ではありません。女性の身体には日々様々な変化があり、敏感に反応しています。


ここからは、妊娠以外で乳首や乳房が痛いと感じる原因について解説していきます。

  • 排卵時の女性ホルモンの影響
  • 月経前症候群によるもの
  • 更年期の影響

排卵時の女性ホルモンの影響

まずは、排卵時の女性ホルモンの影響が考えられます。


排卵は、卵子が卵管へ排出されることをいいます。女性の身体は、生理周期によってホルモンの分泌が変化しており、この排卵が起きる時には胸に違和感を感じる人が多いのです。


胸の違和感だけではなく、腹痛や腰痛などを感じる人もいます。

月経前症候群によるもの

次に、月経前症候群によるものです。


生理前になると、乳房や乳首に痛みを感じる人も多いのではないでしょうか。胸の痛み以外にも、腰痛や頭痛・気分の落ち込みなど、様々な症状が現れる現象を、月経前症候群と呼びます。


普段の食生活やストレスなども影響を及ぼすと言われており、頭を悩ませている女性も多いです。


出典:月経前症候群│藤東クリニック
参照:https://fujito.clinic/pms/

更年期の影響

さらに、更年期でも乳首の痛みを引き起こすことが分かっています。


更年期の女性が、閉経の前後に身体の不調を訴えることもあります。乳首の痛みだけではなく、動悸や息切れ・顔の火照りなど様々な症状が現れます。


日常生活がまともに送れないほどの不調を感じる人もいれば、ほとんど不調を感じずに生活している人もいて、人によって個人差があるのも更年期の特徴です。


出典:更年期障害と乳房や乳首(乳頭)の痛み | 女性のための健やか便り-AIC八重洲クリニック 乳腺外科 東京
参照:https://breast-imaging.mri-mri.com/wp/%E6%9B%B4%E5%B9%B4%E6%9C%9F%E9%9A%9C%E5%AE%B3%E3%81%A8%E4%B9%B3%E6%88%BF%E3%82%84%E4%B9%B3%E9%A6%96%EF%BC%88%E4%B9%B3%E9%A0%AD%EF%BC%89%E3%81%AE%E7%97%9B%E3%81%BF/

痛み以外に見られる乳首の症状

妊娠中、バストには痛み以外にも様々な症状が現れることがあります。


ここからは、痛み以外に見られる乳首の症状について解説していきます。


乳首の痛みは、過度に心配する必要はありませんが、これから紹介する症状がひどい場合は医師に相談しましょう。

1:分泌物

まずは、分泌液が出ると言うケースです。


乳首に刺激が加わったり、バストのケアをしたりしている時に、乳首から分泌液が出ることがあります。色は少し黄身がかっていて、少しトロッとしていることが多いため、驚く女性も多いでしょう。


これは、母乳や初乳とは異なり、母乳の元になる分泌液です。異常ではないため、清潔な脱脂綿などで拭き取れば問題ありません。

2:色の変化

次に乳首の色の変化です。


こちらも異常ではありません。


メラニン色素が増えることによるもので、妊娠8週頃から、乳首の色が濃くなったと感じる女性も多いと言われています。出産と授乳を終えると次第に色は元に戻ることが多いとされています。

3:しこり

妊娠中に乳房にしこりのようなものを感じたら、誰でも不安になるでしょう。


考えられる要因としては二つあります。


一つは乳腺炎と言う病気です。乳腺に乳汁が詰まってしまい、炎症を起こすと言われています。


二つ目は、乳がんです。これは、乳腺に悪性の腫瘍ができることで、非常に恐ろしい病気の一つです。


妊娠中にも乳がんの検査を行うことは可能ですが、できれば妊娠前に検査を受けておくと安心して過ごせるでしょう。

妊娠時の乳首の痛みについて知っておこう

妊娠中には、乳首の痛みだけではなく、全身に思いもよらない不調が現れることもあります。乳首の痛みも、感じる人とそうでない人がいて、個人差が大きいと言えます。


しかし、事前に妊娠中のお母さんの体や胸にどのような変化が起きるのかをイメージしておくと、過度に不安になったり、慌てて病院に駆け込んだりせずに済みます。


もちろん痛みが強い場合や、日常生活に支障があるほど辛い場合は、躊躇わずに医師に相談しましょう。


様々な不調が現れて、気分が落ち込んでしまう時もあるかもしれませんが、生まれてくる赤ちゃんと会える日を楽しみにしながら妊娠期間を満喫しましょう。