結婚を決めたカップルが、最初に悩むことのひとつに「両家の顔合わせ」があります。初めての顔合わせで緊張してしまう方は多いでしょう。顔合わせの場で、相手の両親と初めて会うという方も少なくないのではないでしょうか。
顔合わせとは緊張することが多い場であり、なおかつ格式高いお店に行くとなると更に緊張してしまう場合もあるでしょう。しかし、顔合わせはお互いの家族が親睦を深めるために開かれるものであるため、全員が緊張してしまい話が弾まなければ本末転倒といえます。
そうしたこともあり、最近では、両家の顔合わせをカジュアルな食事会で済ませるカップルが増えている傾向にあります。 しかし、カジュアルな食事会だからとあまりにもラフなお店や服装だと、相手の両親に失礼な印象を与えてしまいかねません。
そういった事態を避けるためにも、この記事では、カジュアルな顔合わせを行う際の準備やお店選び、当日の服装、気をつけたいポイントなどを紹介します。顔合わせ当日の手順もまとめてあるので、参考にしてみてください。
カジュアルな顔合わせをするにあたって、どのような準備が必要でしょうか。
初めてのことで戸惑う方も多いでしょう。大事な顔合わせをスムーズに執り行うためにも、当日を迎えるまでの段取りや、あらかじめ考えておかなければならないことを6つ紹介します。
初めに考えなければならないことは、「場所」と「日時」です。最初に日時の候補を幾つか出して、それからお店を選びましょう。せっかくお店を決めたにもかかわらず、お店の予約状況によっては予約が取れないという事態が起こりかねません。
場所選びに関しては、自分たちが行きやすいということも大事ですが、まずは両家の両親の住まいからアクセスの良い場所を検討しましょう。
自分たちはカジュアルなスタイルの顔合わせをイメージして準備していても、両親達は従来のフォーマルな顔合わせを思い描いている可能性もあります。
そういったすれ違いをなくすためにも、顔合わせはカジュアルに行おうと思っているという旨を両家全員に伝え、準備の段階で考えを共有しておくことが大切です。
どんな服装で出席するかというところまで、あらかじめ共有しておきましょう。
顔合わせでの手土産は必ずしも必要なわけではありませんが、相手の両親に会えるせっかくの機会であるため、お近づきのしるしに何か渡したいという方もいるでしょう。一方で、荷物になるものを渡すのは憚られるという考えの方もいるでしょう。
当日、片方の家だけが手土産を持ってくることがないように、あらかじめカップルで相談し、お互いの両親に話を通しておいてください。
会計時に、誰がいくら支払うかという話し合いになると、スマートではなく気まずい空気が流れてしまう可能性もあります。
そこで、誰が代金を支払うのかはあらかじめ相談して決めておきましょう。
基本的には両家が折半するケースが多いですが、カップル側が2人で支払いを負担するケースも増えています。
両家の顔合わせは、カップルが新しく家族として歩み出すための大切な一歩です。
いくらカジュアルな顔合わせとはいえ、流れが何も決まっていない状態で当日を迎えてしまうと、会全体がうまく進まず、結局何も話せずに終わってしまうということになりかねません。
そのためにも、当日は何をするのか、どんな話をするのかを決めておいた方が良いでしょう。詳しいことは、記事後半の「カジュアルな顔合わせを行う7つの手順」でも紹介していますので、あわせて確認してみてください。
出席者全員のバランスが取れるように、服装の雰囲気についてもあらかじめ共有しておきましょう。着物で来たり、ラフな格好で来たりと誰かが浮くことにならないように気をつけてください。
従来の顔合わせでは振袖を着る人も多いですが、カジュアルな顔合わせであるならば、堅苦しい格好はしなくて大丈夫でしょう。
だからといってラフすぎる格好はあまり良い印象を与えない可能性もあります。服装に関しては、フォーマルすぎないセミフォーマルか、少しカジュアルな服装がおすすめです。
男性は基本的にスーツ着用です。フォーマルすぎない格好ということですが、シャツやネクタイは派手な柄を選ばない方が良いでしょう。
細かいところですが、靴下やハンカチは綺麗なものにしましょう。靴もちきんと磨かれたものを履いてください。清潔感を意識しましょう。
女性の服装は、ワンピースや膝丈のスカートが清楚でおすすめです。
冬で室内も肌寒い場合は、カーディガンなどを羽織ると柔らかい印象を与えることができます。靴は基本的にパンプスで、夏でも素足ではなくストッキングなどを履くのが良いでしょう。
新郎と同じく、スーツを着用すると良いでしょう。普段スーツを着ないという方は、ジャケットを羽織るようにするとフォーマルな印象になります。派手な色は用いず、シックにまとめてください。
シンプルなデザインのワンピースやツーピースがおすすめです。シックな色味で派手すぎないものを選ぶと良いでしょう。基本的には夫婦でバランスの取れた服装を意識しましょう。
普段スーツを着ない方や、スーツを着るのは堅苦しくて苦手だという人は、ジャケットを羽織ってみてください。
カジュアルスタイルでも清潔感は重要なので、中に着るシャツやハンカチなどにはしっかりアイロンをあてていきましょう。あまりにも派手な格好やジーンズなどは控えた方が良いでしょう。
柔らかい雰囲気が出せるニットやブラウス、シフォン素材のワンピースなど、パンツよりスカートをおすすめします。白や薄ピンクといった、清楚で華やかな色味を纏うと良いでしょう。
シャツなどにジャケットを羽織るのがおすすめです。ネクタイはしなくても良いでしょう。
ネクタイをしないと落ち着かないという方は、少し柄の入ったネクタイや遊び心のあるネクタイピンなどを合わせて、カジュアルダウンしてみてください。
新婦よりも華やかな格好になってしまわないよう、落ち着いた色味の服でまとめてみてください。 服自体は控えめにして、小ぶりのアクセサリーなどを身につけても良いでしょう。
ここまで、カジュアルな顔合わせにおすすめの服装を紹介してきました。
あまりにもきっちりしている服装で臨むと、周りの人が緊張してしまう可能性もあるので、セミフォーマルやカジュアルダウンした服装で行くのがおすすめです。
ここからは、顔合わせで避けるべき服装や、注意点について紹介していきます。
いくらカジュアルな顔合わせだからといって、あまりにも派手な格好や露出の多い服は避けましょう。20代、30代の人は、普段ミニスカートや胸元の開いたワンピースを着る傾向にありますが、顔合わせの際は注意してください。
慣れない人たち同士で食事をする席であるため、男女ともに清楚な格好をすると良いでしょう。
顔合わせにおいて、清潔感を大切にしましょう。
女性の場合、肩にかかる髪はまとめるかハーフアップにするのがおすすめです。髪を束ねたくないという人は、カチューシャやヘアピンなどを使って、サイドの髪が流れてこないようにしてみてください。
男性の場合は、整髪料などできちんとまとめて、ボサボサ感をなくしましょう。美容院で梳いてもらうと清潔感もアップします。
男女共通ですが、目にかかるくらいの長い前髪やあまりにも傷んだ毛先はきちんとカットしておきましょう
40代、50代以降の親世代には、派手すぎるメイクやネイルに抵抗のある方もいるでしょう。
メイクはきちんとした方が良いですが、真っ赤なリップ、発色の良い緑や紫といったカラーアイシャドウ、グリッターが沢山入ったアイシャドウ、太いアイラインなどは、派手すぎる印象を与えてしまいかねません。長い爪や派手なネイルも同様です。
アイシャドウやチークはなるべく肌馴染みの良い色を使い、リップは薄いピンクやピンクベージュなどの色がおすすめです。爪は短く綺麗に整えていきましょう。
ネイルをする際はストーンやパールを乗せすぎず、ワンカラーやフレンチなどのシンプルなデザインにしてみてください。
先ほどもお話しした通り、出席者全員の服装のバランスが良く、調和が取れていることが大切です。
カジュアルな顔合わせだと思い、Tシャツで行ったら全員がスーツだった、または和装で行ったのに他の人はみんなラフな格好だったという事態を避けるためにも、新郎新婦が着て行く予定の服装やお店の雰囲気について、出席者全員にあらかじめ共有しておきましょう。
両家の親同士が初対面の場合もあるでしょう。その場合、新郎新婦が仲を取り持つ必要があるといえます。
顔合わせの手順や話しておきたいことなどをあらかじめ考えておき、新郎新婦がリードして、会をスムーズに進行しましょう。
まずは全員がお店に到着し、着席するのを待ちましょう。待ち合わせの際は、新郎新婦が最初に到着するよう、早めの行動を心がけます。
席順には上座と下座があります。入り口から1番離れた奥の席(上座)には両家の父親、その横に両家の母親が座ります。新郎新婦は、それぞれの母親の横に向かい合う形で座るようにしましょう。
兄弟や祖父母が出席する場合もあるでしょう。その場合は、基本的に主役は新郎新婦とその両親であるため、他の出席者には下座に座ってもらう方が話しやすいでしょう。
もちろんこれは形式的なルールですので、あまり頑なにならず、その場で臨機応変に対応してください。
出席者全員が到着し、席に着いたら、初めに新郎新婦から、集まってくれたことへのお礼も兼ねてきちんと挨拶をしましょう。カジュアルな顔合わせだからといって、いきなり食事に入ってしまうのは流れとして良くないでしょう。
また、一斉に話し始めるとまとまりがない印象になってしまうので、どちらから何を話すのか、挨拶の内容をきちんと決めておいてください。
新郎新婦から、それぞれの家族について紹介します。紹介を受けた人から順に、それぞれ軽い自己紹介をするのが望ましいでしょう。
「○○の父です」だけでなく、出身地や仕事、休日には何をしているかなど、パーソナルな情報を盛り込んだ自己紹介を意識します。初対面の人に自分のことや自分の家族のことを紹介するのは緊張しますが、場をほぐすための話題提供だと考え、気軽に話してみてください。
最近では婚約指輪や記念品を交換しないという夫婦も増えていますが、用意している場合はここでお披露目をします。
婚約指輪を出席者全員に見せるようにしましょう。女性からお返しの品がある場合は、そちらも披露してください。お披露目が終わったら、改めて記念品の交換をします。
食事の前に記念撮影をしましょう。
もちろん食事を終えてから撮影しても良いですが、時間と共に化粧が崩れてしまったり、お酒の影響で顔が赤くなってしまったり、ハプニングが起きる場合もあるため、なるべく早めに撮影しておくと良いでしょう。
1枚だけでなく、シーンごとに何枚か撮影しておいても、思い出に残ります。
ようやく食事がスタートです。
乾杯の挨拶は、基本的には新郎の父親が行います。できれば男性にお任せした方がスムーズでしょう。進行役や始めの挨拶、乾杯の挨拶など役割が多いため、事前に分担しておいても良いでしょう。
また、料理はコースがおすすめです。顔合わせではやることが多いため、メニューを決めるのに時間をかけすぎてしまうと、後半バタバタする恐れがあります。
なお、記事の後半では、お店選びのポイントも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
食事を終えたら、新郎新婦からそれぞれ改めてお礼をいい、結びの挨拶をします。
顔合わせに来てくれた感謝の気持ちだけでなく、今後に向けての挨拶も織り交ぜましょう。最後に、出席者に何かいい残したことはないかを尋ね、何もなければ会は終了です。
また、顔合わせの時間は2時間程度で行うのが一般的といわれているため、目安にしてみてください。
料亭やホテル内のレストランなど、ドレスコードが定められているような格式高いお店だと緊張してしまうという方におすすめなのは、ビストロやカジュアルな和食料理屋です。
カジュアルな顔合わせといっても、賑やかなカフェや居酒屋のようなお店を選ぶのはやめましょう。両家がゆっくりと話し合うためにも、できれば個室や半個室があるお店を選ぶのが良いでしょう。
その際は、顔合わせをするため個室(半個室)の席を希望する旨をお店に伝えてから予約を取ってください。
また、コース料理があるお店に行く場合は、あらかじめコース料理を予約しておくと良いでしょう。お店に到着してからメニュー選びを始めると時間もかかり、支払いの関係などで好きなものを頼みづらいという人も出てきてしまう可能性があります。
コース料理なら全員に同じものが運ばれ、ゆっくり食事を楽しむことができるでしょう。ただし、出席者の中には苦手な食材や食物アレルギーを持つ人もいます。苦手な食材や食物アレルギーがないか、出席者全員に確認し、あれば予約の際にお店の人に伝えておきましょう。
いかがでしたでしょうか。
今回の記事では、特に「カジュアルな顔合わせに合う服装」を細かく見てきましたが、繰り返しお伝えしているように、服装は他の出席者とのバランスがなによりも大切といえるでしょう。
まずは、カップル間で相談をして、当日の流れやお店の雰囲気、着用予定の服装などを、出席者全員に共有すると良いでしょう。それぞれの準備もあるため、なるべく早い段階で伝えてください。
結婚前の顔合わせは、主催者だけでなく出席者全員で作り上げるものです。気持ちよく当日を迎えるためにも、入念に準備をしておきましょう。