赤ちゃんが発する初めての言葉とは?発達の順序や習得を助けてあげる方法も紹介

赤ちゃんが初めて言葉を発するのはいつ頃?

赤ちゃんは小さなうちは喋れませんが、目安として1歳3ヶ月~2歳未満頃には、初めての言葉を発するようになるとされています。


「喃語(なんご)」と呼ばれる特に意味のない声なら、1歳前後で口にすることが多いでしょう。


ただし、これらの時期はあくまでも目安と考えておきましょう。赤ちゃんが初めての言葉を発する時期には個人差が大きいため、必ずしも目安の通りにはいかない場合があります。

赤ちゃんが言葉を覚える順序の目安4ステップ

赤ちゃんが初めての言葉を発するまでには、何も話せない時期から言葉を文章で喋れるようになるまで、大まかに4つのステップで分けられます。


生まれてからしばらくの間、赤ちゃんは何も言葉を発せません。個人差はありますが、一般的には生後半年前後で初めての言葉として喃語を口にするようになります。


そして、1歳前後で単語を発するようになると言われており、その後、文章として単語をいくつか繋げられるようになるという段階を踏んでいきます。


出典:保育所保育指針解説書|厚生労働省
参照:https://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/hoiku04/pdf/hoiku04b_0001.pdf


以下で、それぞれの段階を詳しく見ていきましょう。

1:【生後1~3ヶ月】表情を変えたり声を出したりする

生後1~3ヶ月の間は生まれたてで首が座っていない状態ですが、赤ちゃんの成長著しい時期です。だんだんと表情がはっきりしてくる頃でもありますが、まだ小さく、言葉を発することはありません。


赤ちゃんは、生後3ヶ月頃にようやく周囲の状況を理解し始め、周りにいる人の表情を見たり、物や人を目で追いかけたりするようになります。また、体をバタバタさせて動かそうとする仕草を見せるのもこの時期です。


この頃には、泣く以外で初めての小さな声を発するようにもなりますが、まだ言葉にはなっていません。

2:【生後4~7ヶ月】喃語を発音する

生後4~7カ月頃になると、周囲にいる人が話す言葉の中でも簡単な言葉の意味を理解し始め、赤ちゃん独自の喃語を発声するようになります。


喃語とは、あーとかうー、バやパ、といったよう、特に意味を持たない音です。この時期の喃語はまだ、何を指しての音なのかがほとんど分からないのが特徴です。


この時期には、体もだいぶ発達しており、首が座った赤ちゃんは、自分の意思で上半身をある程度動かせるようになっているでしょう。

3:【生後8~12ヶ月】単語を話すこともある

生後8~12ヶ月頃には、周囲の人が赤ちゃんをあやすと笑ってくれたり、盛んに喃語を発して大人の注意を引こうとしたりしてきます。


まだまだ小さくて言葉を発することは難しいですが、簡単な単語を覚えて、初めての言葉として発する赤ちゃんもいるでしょう。


この時期には、赤ちゃんの周囲への理解も進みます。保護者以外の知らない人や、時には顔を知っている親族であっても、人見知りすることがあるのがこの時期です。

4:【生後13~24ヶ月】覚えた単語を使い二語文を話す

生後13~24ヶ月にもなってくると、赤ちゃんは自分の意思を持つようになり、それを保護者や周囲の人に伝えようと積極的に言葉を発するようになります。


まだまだ言葉としては拙いですが、簡単な単語だけのお喋りから覚える単語が増えて、二語文(にごぶん)を話すようになる時期でしょう。


二語文とは「パン、たべる」や「ママ、いく」といった2つの単語の組み合わせです。また、この頃からは「イヤ」といった否定的な言葉も出てきます。

赤ちゃんがよく覚える初めての言葉5つ

赤ちゃんがどんな言葉を覚えるかは、赤ちゃんの置かれた環境にもよりますが、覚えやすい言葉はあります。


ここでは、赤ちゃんがよく覚える初めての言葉を5つ紹介します。ごくごく簡単な言葉ばかりですが、これらの言葉は赤ちゃんが興味を持っている対象になりやすく、さらに発音しやすい言葉であることが特徴と言えるでしょう。

1:ごはんを表す「まんま」

「まんま」という言葉の発音の仕方は、おっぱいや哺乳瓶をくわえている時の赤ちゃんの唇の形に近く、発音しやすいと言われています。


そのため、「まんま」と赤ちゃんが盛んに言っている時は、「お腹が空いている時」だと判断することができ、赤ちゃんの気持ちを汲み取る目安にもなる言葉です。

2:喃語と呼ばれる「あー・うー」

喃語と呼ばれる「あー・うー」といった言葉は、最初のうちは赤ちゃんが無意識に発している音で、成長していくうちに自分の意思で発音するようになると言われています。


これは、小さな赤ちゃんのうちは、筋肉や声帯の働きによって自然に喉から音が出ているとされているためです。また、この頃の無意識の声は「クーイング」と呼ばれています。

3:お母さんを指す「ママ」

お母さんを指す「ママ」という言葉は「まんま」に似ていて、赤ちゃんにとって発音しやすい言葉の1つです。赤ちゃんが発する、初めての言葉の候補になるでしょう。


赤ちゃんは、喋れなくても周囲の話す簡単な言葉なら理解していると言われています。ママを母親と認識はできていなくても、身近な存在としての認識はあるということでしょう。


時には、「まんま」と「ママ」のどちらを言っているのか分からないようなこともありますが、赤ちゃんのうちはほとんど同じ意味で呼んでいる可能性があります。

4:お父さんを指す「パパ」

お父さんを指す「パパ」という言葉も、赤ちゃんにとっては発音しやすく、覚えやすい言葉の1つでしょう。


お互いをパパ、ママと呼び合っている夫婦なら、赤ちゃんもそのまま覚えるでしょう。パパの発音しやすさはママと同程度ですが、授乳時の口の形と似ているママの方が、言葉として発しやすいでしょう。


赤ちゃんが小さいうちは、ママと同じように、「お腹が空いた」という意味でパパと呼び掛けてくることもあります。

5:親しみのあるキャラクターの名前

赤ちゃんにテレビを見せていると、親しみのあるキャラクターの名前を覚えることがあります。


「まんま」や「ママ」「パパ」などと並んで、親しみのあるキャラクターの名前は赤ちゃんが初めて口にする言葉の候補の1つになっています。

赤ちゃんの言葉の習得を助けてあげる方法4選

ここでは、赤ちゃんが言葉を習得できるようにどう手助けすればよいのか、4つの方法を紹介します。


あまり喃語を喋らない、単語も出てこないといった言葉の遅れが気になるという場合は、以下の4つの点に気をつけて子育てしてみましょう。


しかし、赤ちゃんが言葉を発する時期は個人差が大きいため、言葉が遅いからといってあまり心配する必要はないでしょう。喃語が少なくても、単語になると盛んにお喋りするようになる赤ちゃんもいます。

1:たくさん話しかけてあげる

赤ちゃんの言葉の習得を助けるには、周囲の人がたくさん赤ちゃんに話しかけて、たくさんの言葉を触れさせてあげることが大切です。


赤ちゃんが何も言わなくても、「どうしたの」「何かしたいかな」といった声かけや「暑いね」「眠くなってきたかなー」などと話しかけてあげましょう。


赤ちゃんは高めの声に反応しやすいと言われているため、普段よりも意識して高めの声で抑揚をつけ、ゆっくり聞き取りやすいように話すのがコツです。

2:喃語にもきちんと反応してあげる

喃語だと何を言っているか分からないし、どうせ赤ちゃんには分からないだろうと考えず、喃語であっても赤ちゃんが喋ったことに反応してあげることが大切です。


簡単な言葉であれば、喋れなくても赤ちゃんはある程度は理解できていると言われています。


喃語であっても、赤ちゃんが喋っていれば、「どうしたの」「ご機嫌ね」と話しかけてあげれば、赤ちゃんは周囲の反応から会話の仕方を学んでいくでしょう。

3:赤ちゃんが覚えやすい言葉が使われた絵本を読んであげる

赤ちゃんに絵本の読み聞かせをする時に、赤ちゃんが覚えやすい言葉が使われた絵本を読んであげると、赤ちゃんにとって発音しやすい言葉を覚えさせる手助けになるでしょう。


例えば、「あかちゃんごおしゃべりえほん」や「あかちゃんごおしゃべりずかん」といった絵本がおすすめです。これらの絵本には、赤ちゃんが発音しやすく覚えやすい、身近な言葉がたくさん使われています。

4:行動を1つ1つ説明してあげる

赤ちゃんが興味を持っているものや、赤ちゃんがした行動を1つ1つ口にしてあげましょう。


例えば、絵本を読んで欲しいと指差ししてきたら「絵本を読みたいのね」、走っている車に興味を示しているなら「ブーブーが行くね」、犬に興味があるなら「ワンワンがいるよ」と説明してあげましょう。


大人が幼児語を使うことに抵抗がある人もいるでしょうが、赤ちゃんにとって分かりやすい言葉や、覚えやすい言葉を使ってあげることがコツとなります。

赤ちゃんの初めての言葉を聞き逃さないようにしよう

赤ちゃんは周囲にある言葉をどんどん覚えていくため、たくさん話しかけて多くの言葉に触れさせてあげることが、言葉の習得の手助けになります。


赤ちゃんにとって覚えやすい言葉や、発音しやすい言葉を意識して使うようにすると良いでしょう。


赤ちゃんの初めての言葉を聞き逃さないように、普段から赤ちゃんによく話しかけてあげましょう。