出産を控えるママで働いている方は、そもそも産休とはどのような制度なのかご存知でしょうか。
いわゆる産休とは、産前休業と産後休業のことを意味します。産前休業は、請求すれば出産予定日の6週間前から取得できます。もし、双子以上の出産予定であれば14週間前からです。
また、産後休業では出産翌日から8週間は就業ができないように定められています。しかし、出産後6週間後になると、請求をして医師が許可を出せば就業が認められます。
産休中に給与がどうなるかは、それぞれ企業の就業規則によって異なります。
そして、多くの企業では産休中は給料は支払われないようです。また、産休中に給与を支払う企業でも、通常の給与の一部が支払われることが多くなっています。
産休中に給与が支払われないのは、経済的に不安があるというママが多いでしょう。しかし、給与が支払われない場合でも、国が定める経済的支援を活用することができます。
前項でご紹介した国が定める経済的支援には、産休中の給与に代わる出産手当金というものがあります。
出産手当金の支給対象者は、勤務先の健康保険に加入している人です。そして、支給される金額は出産前42日から出産後56日までの期間で欠勤した日数分、健康保険から給料の3分の2が支払われます。
産休中に給料の一部が支払われている場合、その金額が出産手当金よりも上回る場合には出産手当金は支給されないので注意してください。
産休中の給料の代わりとして支給されるのが出産手当金です。しかし、この出産手当金を受け取るためには、知っておくべきポイントがあります。
ここからは、出産手当金のポイントを7つご紹介します。出産を控えるママは以下でご紹介するポイントを確認して、支給条件を満たしているのか、いつまでに申請できるのかなどを把握しておきましょう。
ポイントの1つ目は、出産手当金とは何かを理解しておくことです。
出産手当金とは、国が定める産休を取得する方への経済的支援の1つです。出産手当金は出産のために産休を取得し、そして産休期間に勤める企業から給料が支払われない方が受け取れる手当金となります。
また、出産手当金は出産をする方であれば誰でも受け取れる手当金ではないため、次にご紹介する支給条件を確認してください。
ポイントの2つ目は、出産手当金の支給条件を知っておくことです。
出産手当金の支給対象者は、勤務先の健康保険に加入している被保険者が出産のために欠勤をして給料が得られない方です。また、妊娠4ヶ月以上の出産であれば、早産や流産の場合も対象となります。
そして、産休期間中に給料の一部が支払われる場合、その金額が出産手当金より上回る場合は支給対象外となることを知っておきましょう。
ポイントの3つ目は、健康保険金が免除になることを知っておくことです。
産休の期間中は、健康保険料負担が免除されます。通常は、給料から健康保険料などが控除をされています。しかし、産休中であれば健康保険料の支払いを負担する必要がないため、出産手当金の金額をそのまま受け取ることができるのです。
健康保険料の免除を受けるには、指定された期間に勤務先の事業主が申請をする必要があります。
ポイントの4つ目は、出産手当金の対象期間がいつかを知っておくことです。
出産手当金の対象となる期間は、出産日(または出産予定日)の42日前〜出産日翌日から56日目までに会社を欠勤した期間になります。もし、双子などの多胎児を出産する場合は、出産日前98日目から対象期間が始まります。
実際に出産が予定日から遅れた場合も、出産予定日から対象期間となるので支給額が減ることはないです。
ポイントの5つ目は、出産手当金の支給額を知っておくことです。
出産手当金の支給額は、産休前に支払われていた給料の約3分の2となっています。正確な1日あたりの金額は、出産手当金が支給される日前12ヶ月間の標準報酬月額を30日で割り、さらに3分の2をかけた金額です。
もし、産休中に給料が支払われて、さらに日額が出産手当金の日額よりも少ない場合は、手当金と給料の差額が支給されます。
ポイントの6つ目は、出産手当金の申請期限を知っておくことです。
出産手当金の申請期限は、産休を開始した翌日から2年以内と定められています。もし2年以上が経ってしまうと、出産手当金を請求する権利が消滅してしまうので注意しましょう。
また、出産手当金は出産前と出産後に分けて申請することも可能です。しかし、その都度勤め先からの証明をもらう必要があるので気をつけてください。
ポイントの7つ目は、出産手当金の手続き方法を知っておくことです。
まず、出産手当金の支給申請書を入手しましょう。会社によっては会社が書類を準備するところもあるため、自身で申請書を入手すべきかを確認してください。
そして、支給申請書の記入箇所を記入し、出産後に医師また助産師記入欄を記入・捺印してもらいます。その後、支給申請書を会社へ提出し、事業主記入欄に記入・捺印をしてもらってから、健康保険協会へ申請してください。
産休中の給与に代わる出産手当金については、理解できたでしょうか。ここからは、産休後のいわゆる育休と呼ばれる、育児休暇を取得した時の給与に代わる育児休業給付金についてご紹介します。
育児休業給付金も出産手当金のように、あらかじめ重要なポイントを知っておけば申請漏れなどを防ぐことができるでしょう。ぜひ、以下でご紹介する育児休業給付金の5つのポイントを参考にしてください。
ポイントの1つ目は、育児休業給付金とは何かを理解することです。
育児休業給付金とは、雇用保険の加入者が1歳未満の子を養育するために育休を取得した時に定められた条件を満たせば支給される給付金です。
もし、子どもが保育所などに入園できない場合には、最長2歳まで給付金支給の対象となります。しかし、その場合にも一定の条件があるため注意してください。
また、育児休業給付金は男女ともに条件を満たせば支給対象となります。
ポイントの2つ目は、育児休業給付金の支給条件を知っておくことです。
育児休業給付金の支給条件は、雇用保険の加入者で1歳未満の子を養育するために育休を取得しており、さらに育休の開始日前の2年間に賃金支払基礎日数が11日以上ある月が12ヶ月以上あることです。
また、育休期間中に、1ヶ月あたりの給料が休業前の8割以上支払われている場合は支給対象外となります。
ポイントの3つ目は、育児休業給付金の対象期間を知っておくことです。
育児休業給付金の対象期間は、育休開始日から子が1歳になる誕生日の2日前までに育休を取得した期間です。もし、子の1歳の誕生日から1日以上前に育休が終了した場合、育休開始日から終了日までが給付金の対象期間になります。
しかし、もし子の1歳の誕生日前日まで育休を取得した場合、育休開始日から誕生日の2日前までが対象期間となるので注意しましょう。
ポイントの4つ目は、育児休業給付金の支給額を知っておくことです。
育児休業給付金の支給額は、休業開始時賃金日額に支給日数をかけて、さらに67%をかけた金額です。ただし、育休を取得して6ヶ月が経過した後は67%から50%へと割合が下がります。
もし、育休中に勤務先から給料が支払われている場合は、休業開始時賃金日額から出した賃金月額の金額によって給付金の金額が変化するので注意しましょう。
ポイントの5つ目は、育児休業給付金の手続き方法を知っておくことです。
育児休業給付金の手続きは、まず育休を取得した雇用保険加入者を雇用している事業主が、事業所がある地域の公共職業安定所にて受給資格確認手続きをする必要があります。また、この受給資格確認手続きは、初回の支給申請をする前までにしなければいけません。
この申請には、母子手帳など育児をしていることを証明する書類が必要になります。
産休中に給料が支払われる企業は少ないと言われています。しかし、そんな産休中のママは、出産手当金という経済的支援を活用できます。
出産手当金の支給対象者は、勤務先の健康保険に加入している被保険者が出産のために欠勤をして給料が得られない方です。その他にも支給条件が定められているため、早めに条件や手続き方法などを確認しておきましょう。
そして、産休中も給与の代わりとなる出産手当金を申請期限内に申請してください。