「妊娠9週で心拍を確認できたら、もう性別がわかるの?」
「心拍を確認できたら、もう流産する可能性はないの?」
赤ちゃんの心拍が確認できると、ママとしてはひとまず安心できることでしょう。ですが、その後の赤ちゃんの発育について、次々に疑問や不安が生まれてくるのではないでしょうか。
本記事では、妊娠9週で赤ちゃんの心拍確認ができた後の、赤ちゃんや母体の状況や、行える検査について説明します。また、残念ながら起こりうる流産についても、その種類などについて解説します。
この記事を読むことで、妊娠9週で赤ちゃんの心拍確認ができた後というのはどのような時期なのかがわかり、正しい知識を身につけて、事前に心構えをすることができるでしょう。
赤ちゃんの心拍確認ができた後について、不安や疑問をお持ちの方は、ぜひこの記事をチェックしてみてください。
妊娠9週頃になると赤ちゃんは著しく成長し、超音波検査でも、心臓の動きを確認できるようになります。
赤ちゃんの心拍は、早ければ妊娠5〜6週頃から確認することができますが、はじめの頃の心拍数はゆっくりです。その後徐々に速くなり、妊娠9週頃にはピークになります。
胎児の心拍は早ければ5週頃から確認することはできます。しかし、胎児の成長速度は個人によって異なります。そのため、5週頃になってもまだ心臓ができていなかったり、胎児が小すぎたりなどして、心拍が確認できないこともあります。
そのような場合は、1週間~2週間ほど期間を空けて、胎児が成長してから再度検査によって心拍確認を行います。
胎児の心拍は早ければ5週頃で確認することができますが、5週をすぎて、8週を迎えても心拍が確認できないこともあります。
もし、妊婦に出血や腹痛などの流産の自覚症状がなくても、心拍が確認できないことで流産となってしまう可能性もあります。そのため、心拍確認ができても、8週〜12週を超えるまで安心することはできません。
妊娠9週頃で赤ちゃんの心拍確認ができると、ママとしては一安心ですが、その後も気になることが色々と出てくるでしょう。
心拍確認ができた後の検査で、赤ちゃんについてどのようなことがわかるようになるのか、流産する可能性は無くなるのかなどについてご説明します。
妊娠9週頃では、まだ性別はわかりません。9週目に入ると胎児は著しく成長し、目の形や耳の形もわかる程度に成長してくるので、顔つきもはっきりしてきます。
また、心臓が4つの部屋に分かれるなど、臓器の発達も進んでいきます。徐々に性器の発達も始まってくるのがこの頃ですが、この時点ではまだ性別を判別するまでには至りません。
性別が判別できるようになるのは、早ければ妊娠12~13週頃、一般的には妊娠14週頃からです。
妊娠9週頃の母体には、おっぱいや腰回りが大きくなる、普段よりお腹が空く、頻尿の症状が出るなどの変化が現れることがあります。
乳腺が発達して脂肪が増えるため、おっぱいは大きく重くなり、乳首が黒くなるなど、さまざまな変化が出る可能性があります。また、腰回りが少し大きくなり、今までの服がキツく感じる人もいるでしょう。
そのほかにも、妊娠ホルモンの影響によって、気分の浮き沈みが激しくなったり、疲れやすくなったりすることもあります。
21トリソミー(ダウン症候群)の検査は、主に妊娠11週以降から行われることが多いため、妊娠9週頃の段階では一般的に検査ができません。
胎児が小さい段階では、細かい部分まで観察し判断することが難しいためです。検査の時期については、かかりつけの医師によく相談することが大切です。
NIPTは妊娠9~10週頃から行うことができる検査のため、妊娠9週でも検査を受けられる可能性があります。
病院によっては、妊娠10週以降から適応と定めているところもあるので、かかりつけの医師に相談してみることが大切です。
心拍確認できた後に流産する確率は、約5%とされています。流産の約70%以上は、超音波検査で心拍確認できる前の妊娠初期(妊娠6~7週未満)であるとされています。心拍確認できた後の流産の確率は、妊娠週数が進むにつれて減少します。
出典:流産の原因と頻度:初期流産の半数は染色体異常|NPO法人 SIDS家族の会
参照:http://www.sids.gr.jp/miscarriage.html
妊娠9週頃で心拍確認できた後は、妊娠初期と比べて流産の可能性は下がってくるものの、いくつかの流産が起こり得るとされています。
特に、稽留流産は、心拍確認できたはずの胎児が、その後心臓の動きを止めてしまっていることによって診断される流産です。そのため、定期的な検診を受けることが重要であるといえます。
生化学的妊娠とは、化学妊娠や化学流産とも呼ばれ、尿中や血液中にhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)が検出されたものの、その後の超音波検査で胎囊を認められず、妊娠が終結する状態のことです。
妊娠検査薬などで陽性の判定が出たものの、その後月経が来た場合なども、生化学的妊娠の状態であったと考えられます。
出典:(1)生化学的妊娠(biochemical pregnancy)とは|公益社団法人 日本産婦人科医会
参照:https://www.jaog.or.jp/note/1%EF%BC%8E%E7%94%9F%E5%8C%96%E5%AD%A6%E7%9A%84%E5%A6%8A%E5%A8%A0%EF%BC%88biochemical-pregnancy%EF%BC%89%E3%81%AE%E6%89%B1%E3%81%84%E6%96%B9/#:~:text=%EF%BC%881%EF%BC%89%E7%94%9F%E5%8C%96%E5%AD%A6%E7%9A%84%E5%A6%8A%E5%A8%A0%EF%BC%88biochemical%20pregnancy%EF%BC%89%E3%81%A8%E3%81%AF&text=%E2%97%8B%E5%B0%BF%E4%B8%AD%E3%81%82%E3%82%8B%E3%81%84%E3%81%AF%E8%A1%80%E6%B6%B2,%E7%8A%B6%E6%B3%81%E3%81%A8%E5%AE%9A%E7%BE%A9%E3%81%95%E3%82%8C%E3%82%8B%EF%BC%8E
妊娠12週未満の時期の流産を、早期流産といいます。流産に至る原因はさまざまですが、妊娠の初期の流産であるほど、胎児側の要因であることがほとんどです。
胎児心拍確認後となる妊娠9週以降の流産は、子宮頸管無力症、子宮内感染(絨毛羊膜炎)、前期破水などにより、陣痛を抑制できなくなることが原因になるケースがあります。
出典:流産について|NPO法人 SIDS家族の会
参照:http://www.sids.gr.jp/miscarriage.html
稽留流産とは、出血や腹痛などの流産の徴候はないものの、超音波検査によって、発育が停止していると診断された流産のことです。妊娠9週頃の段階で、すでに胎児心拍を確認できていたものの、その後確認できなくなってしまった場合は、稽留流産をしていると診断されます。
ママ自身にとっては、ほぼ自覚症状のない状態での流産です。そのため、定期的な検診によって確認することが大切であるといえます。
出典:稽留流産とは|公益社団法人 日本産婦人科医会
参照:https://www.jaog.or.jp/lecture/8-%E7%A8%BD%E7%95%99%E6%B5%81%E7%94%A3%E3%81%AE%E8%A8%BA%E6%96%AD/
進行流産とは、胎芽あるいは胎児とその附属物などの子宮内容物が、子宮外に排出されてきている状態の流産のことをいいます。
子宮内容物がすべて自然に出てしまった「完全流産」と、一部が残存している「不全流産」に分けられます。「不全流産」の場合は、出血や腹痛が続いていることも多いため、子宮内容除去手術を行うことが必要となることもあります。
出典:進行流産|公益社団法人 日本産婦人科医会
参照:https://www.jsog.or.jp/modules/diseases/index.php?content_id=4
妊娠12週以降の時期の流産を、後期流産といいます。後期流産となる原因は、主に胎児側要因からなる前期流産に比べ、母体要因、環境要因によるものが増加していきます。
後期流産する確率は、全妊娠の1.5%程度とも言われており、初期流産と比べると低い確率となります。
出典:流産について|NPO法人 SIDS家族の会
参照:http://www.sids.gr.jp/miscarriage.html
妊娠9週の時期には、原則4週間に1回検診を受けます。基本的な検査項目である、健康状態の確認・検査計測・保健指導に加え、血液検査や超音波検査などを受けることになります。
そのほか、医師や助産師から、つわりの対象法や日常生活における注意点などの指導を学ぶことができる場でもあります。
妊娠9週で心拍確認できた後は、徐々に流産の確率は下がっていきますが、油断はできません。後期流産をする可能性や、一度確認できた心拍がその後確認できなくなってしまう恐れもあります。
しっかりと定期検診を受け、自分の体や赤ちゃんを大切にし、無理のない生活を送るようにしましょう。