卒乳とは、子供が自ら母乳を飲むことから離れて、卒業していくことです。母乳を飲まないということから断乳と意味を混同してしまう人もいますが、断乳は子供が母乳から離れるのではなく、母親の都合によって子供に母乳を飲ませることを断つことを指します。
卒乳は子供の成長に合わせて時期を決める必要があるので、事前に卒乳への計画を立てておくことも重要となります。
可愛い子供が卒乳していくことに寂しさを感じて、もう少し授乳期間を延ばそうと考えてしまう母親がいます。しかし、卒乳は子供の成長に合わせて時期を決める必要があります。その卒乳となる子供の成長段階や時期を見極める方法がいくつかあります。
卒乳までのスムーズな流れと正しい計画を立てるためにも、卒乳のタイミングとなる時期を見極める方法は把握しておくようにしましょう。
子供が離乳食を3食しっかり食べられるようになってくれば、食事で必要な栄養を摂ることができるので卒乳のタイミングとなります。
ただし、水やお茶からしっかり水分が取れなかったり、食事の量が多くない場合は必要な栄養を食事で摂ることができません。そのため、食事の回数だけでなく、食事の量も卒乳のタイミングを見極める判断材料となります。
子供が1歳~1歳半くらいになると、離乳食への移行が完了し始めます。また、この時期になると、よく動き回るようになるので、体力を使う分、食事の量も増えやすいです。そのため、1歳~1歳半くらいの時期が卒乳しやすい時期でもあります。
ただし、食事の量が少なかったり、母乳がないことに不安を感じたりなど、子供によってはまだ母乳が必要という場合もあるので、年齢だけで卒乳を判断しないようにしましょう。
授乳をしていると、ホルモンの関係によって排卵が抑制されます。そのため、授乳中は妊娠しにくい体質となります。
もし、子供が離乳食をしっかり食べるようになって、卒乳できる時期であり、次の妊娠を望んでいるのであれば、卒乳を決める良いタイミングとなるでしょう。
ただし、子供が卒乳できるタイミングとなっていることが必要で、次の妊娠を望んでいるからと、無理に卒乳することをしてはいけません。
離乳食を3食しっかり食べられることと合わせて、水やお茶などからしっかりと水分補給ができるようになることも卒乳をするための条件となります。もし母乳やミルク以外から水分補給ができないのであれば、卒乳はもう少し様子を見ましょう。
また、子供は卒乳をしたからといって、急に必要な量の水を飲んだりコップで上手に飲んだりなどすることはできません。そのため、卒乳に向けて計画的に水を飲む練習をしておく必要もあります。
母親が仕事復帰をすると、仕事中は子供に母乳をあげることはできません。また、卒乳をしなければ、仕事中に胸が張ったり、乳腺炎になったりなどの原因となってしまい母親の負担にもなります。
授乳に関する心配を抱えたまま仕事復帰することのないように、仕事復帰の時期に合わせて、卒乳の計画を立てておきましょう。
卒乳はいきなりしようと思って、できるようなものではありません。もし、準備もなしで子供に卒乳をさせようとしてしまうと、必要な栄養や水分を食事や水から摂れないこともあります。
そのため、子供を卒乳させるためには、4つのステップを計画的に行っていく必要があります。
急に卒乳と言われても、子供側が対応できないこともあります。そのため、卒乳は親の意思だけで決めるのではなく、卒乳の1ヶ月くらい前から子供に説明して、一緒に卒乳を目指すようにしましょう。
また、卒乳の1週間〜2週間前からは規則正しい生活をし、よく運動をして、食事の量や睡眠時間が増えるようにしてあげましょう。
卒乳の日にいきなり授乳をやめると、子供が不安を感じたり、母乳を欲しがったりなどしてしまう可能性があります。そのため、卒乳を目指すことを1ヶ月ほど前に子供に説明してからは、徐々に授乳を減らすようにしましょう。
しかし、授乳を減らしていく期間中に、子供が母乳を欲しがるようになる場合もあります。そのようなことを防ぎ、スムーズに卒乳するためにも、運動をして食事の量や睡眠時間を増やすことが重要になります。
授乳を減らしていく際には、1日の中でこの時間帯は授乳しないという決まりを作りましょう。その時間帯に母乳を欲しがった場合は、お茶などをあげましょう。授乳しない時間帯を決めることで、授乳の回数を減らしていきます。
もし、授乳する時間帯を延ばしたり、増やしたりなどして、1日授乳しなくても良い日ができてくれば卒乳まで間近の状態となります。
順調にステップをこなして、卒乳の日を迎えれば授乳は終わりです。しかし、卒乳後に子供がふと母乳を欲しがるようなこともあります。
そのようなことを避けるために、卒乳後は授乳のことを忘れるように、たくさん遊んで、たくさん食べて、たくさん寝られるようにしてあげましょう。
卒乳を目指す際や、卒乳をした後にはいくつかの注意点があります。それらの注意点を把握しておかないと、卒乳に失敗してしまう可能性があります。
また、子供は自分で自分の要求や不調などを伝えることができないこともあるので、親がしっかりと子供の様子を観察して、卒乳のタイミングを判断してあげるようにしましょう。
卒乳をするためには、必要な量の食事や水分補給ができるようになっていないといけません。もし、十分な食事や水分補給ができていないと、栄養や水分が足りなくなってしまうことになります。
そのため、卒乳後は栄養や水分が不足しないように、子供の適切な食事量を見極め、小まめに水分補給をしてあげるようにしましょう。また、食事や水分の量が足りていないと、子供が母乳を欲しがってしまうこともあります。
卒乳の日を超えても子供が母乳を欲しがって、夜泣きが激しくなることもあります。しかし、夜泣きが激しくて、かわいそうに思ったり、泣き止ませたりなどするために、授乳をしてしまってはいつまでも卒乳することができません。
母乳が欲しくてする夜泣きは数日で落ち着いてくることが多いので、卒乳をするためにも授乳は我慢して、夜泣きした場合にあやす方法を考えましょう。
子供にとって母乳は栄養や水分の補給という役割もありますが、安心感を得るという大切な役割も持っています。
そのため、卒乳をして授乳がなくなることで子供が不安を感じてしまうようになることもあります。そのようなことを避けるためにも、卒乳後は特に子供とのスキンシップを欠かさないようにしましょう。
卒乳の日を決めても、子供は急に卒乳することはできません。卒乳をするためには、計画的に適切なステップをこなし、徐々に授乳の量や回数を減らしていく必要があります。
そのステップには、食事や水分補給の量を増やしていくことや、コップで水やお茶を飲むこと、規則正しい生活をしていくことなど、子供が対応できるようになるまでに時間がかかるものもあります。そのため、卒乳は早めに計画を立てるようにしましょう。
子供の卒乳はいつすれば良いのか悩んでしまう親は多くいます。しかし、卒乳をするタイミングとなる目安はあります。その目安を判断材料にして、計画的に卒乳を進めていきましょう。
ただし、子供によって卒乳のペースは異なります。そのため、卒乳のタイミングとなる目安は、あくまでも目安として考え、しっかりと子供の様子を確認しながら卒乳を目指すようにして、焦って卒乳を急ぐようなことのないように注意してあげましょう。