「知育」とは、教育の基本である「知育・教育・体育」という三育のなかのひとつであることをご存知でしょうか。
この三育という考えは、もともとイギリスの思想家であるハーバード・スペンサーの著書「教育論」がベースとなっています。
「知・徳・体の調和ある人格の完成を目指す教育」として日本でも取り入れられている考え方で、「知育」とは、知的能力を育て知識を習得する教育のことをあらわしています。
それでは、いつから知育を始めたら良いのでしょうか。
イタリアの医師であり教育家でもあったマリア・モンテッソーリ博士が考案した、モンテッソーリ教育によると、0歳~3歳までは人生の中で最も吸収力が高く、3歳~6歳までは吸収した事柄を意識的に整理し秩序化していく、と紹介しています。
つまり、知育を始めるなら0歳から、小学校就学前まで続けるのが効果的といえるでしょう。
子育てに知育を取り入れたい場合、知育教室に通う方法もありますが、家庭でも知育を取り入れることが可能です。
知育教室に通うメリットとして、早い時期から社会性や自制心の発達が期待できます。また、教室に通うことで多くの人と関わるため、言葉の語彙力が増えるともいわれています。
もちろん、家庭でも知育を取り入れることは可能です。指先を使った折り紙やことばあそび、ごっこあそびなどをすることで、思考力を育てることが可能でしょう。
知育をするとよい理由として、論理的な思考が身につく、脳が柔軟ですぐ吸収できる、子供の可能性が広がる、の3つが挙げられます。
それぞれの理由について、詳しく解説いたします。知育をすることでどのようなメリットがあるのか、参考にしてみて下さい。
知育をするとよい理由として、物事を順序立てて説明できる、論理的な思考が身につくことが挙げられます。ロジカルシンキングとも呼ばれる論理的思考力を身につけることは、将来ビジネスシーンにおいても大いに役立つことでしょう。
指先を使う知育あそびを取り入れることは脳への刺激となるため、小さいうちはブロックや積み木といった、手を使う玩具を与えましょう。
また、パズルは論理的な思考を身につけるだけでなく、集中力を高めます。簡単なものから取り入れて、徐々にレベルアップしていくのもおすすめです。
乳幼児期から幼児期にかけては、脳が柔軟で吸収力が高いとされています。
特に0~3歳の時期は多くのことを日常生活のなかで学び、生きるための力を吸収すべく、日々脳が活発化しています。
この時期に知育として多くの刺激を与えることは、子供にとって良い効果となるでしょう。
知育をすることで、学力だけでなく、考える力や記憶力を計測するIQを高めることができます。
早期に知育を取り入れることで、IQだけでなく自立心や思いやり、といった生きていく上で欠かせない能力を高めることが可能です。
また、そのような能力を身につけることで、子どもの将来に可能性が広がります。これらの理由から、幼い頃から知育に力を入れる方も多いことでしょう。
ここまで、知育を始めることで得られるさまざまなメリットについて紹介しました。それでは、知育を始めるときにはどのようなことに注意すれば良いのでしょうか。
注意点をいくつか説明いたしますので、ぜひ参考にしてみて下さい。
知育を始めるときには、子どもが楽しみながら自ら興味を持って取り組むことが大切です。
学力を向上させることが目的ではありませんので、できないからと焦ったり、急かしたりしないよう注意しましょう。
また、なるべく親が手を出さないようにするのも重要です。自ら学ぶ、自主性を引き出し成功や失敗を経験させるためにも、手伝いたい気持ちを抑えて見守ることに徹しましょう。
子どもが親の勧めた知育とは、全く違うことに興味を示すことがあります。
子どもによって興味を示すものに個人差があることを理解しておきましょう。
無理に興味がないものに取り組ませたり、強制してしまうと、せっかくのやる気が無くなってしまいます。知育を始めるときは、子どもが興味を持って取り組めることを大切にしましょう。
知育を始めることによって、大切なのは正解を押しつけないことです。
なぜなら、知育をするメリットとして、子どもが導き出す答えが正解であるか、間違っているかよりも考える力を育てることが重要であるからです。
たとえ上手く出来なかったり、間違っていると思っても、すぐに親が手伝ってしまったり正解を教えてしまっては、考える力を育てることはできません。まずは見守り、子どもが困っていたらどのようにすれば解決するのか、あくまでも子ども主体で知育を進めましょう。
子どもが知育を始めても思うような結果が得られないことがあるかもしれません。そのような場合、子どもを誰かと比べることは控えるべきでしょう。
比べられて育つことで、子どもの自信や自己肯定感が低くなってしまうことがあります。特に、子どもの人格や性格を否定するような表現はしないよう注意しましょう。
子どもの個性であると考え、意見を尊重してあげることで、子どもは自信を持って知育に取り組むことができます。大らかな気持ちで見守ることが大切です。
今では、さまざまな知育アイテムが販売されています。しかし、知育アイテムを子どもに与えるだけでは、知育は成り立ちません。
知育を始めるなら、親子で楽しめるようなものを選ぶことも重要です。
例えば、トランプやカードゲームのように、頭を使いながら親子一緒に楽しめる知育アイテムもあります。特に、3歳以降の知育としては、言葉の語彙力を増やすのにも役立ちます。親子でコミュニケーションを取りながら、楽しく知育に取り組むことを心掛けましょう。
せっかく取り入れた知育アイテムも、年齢に合っていなければ効果を得ることはできません。知育は、年齢に合った取り組みをしなければ、楽しく取り組むことも効果を得ることもできないからです。
ここでは、年齢別におすすめの知育方法や特に取り入れたいあそびについて、紹介いたします。
0歳~1歳は、見る・聞く・といった五感を刺激するようなあそびを取り入れると良いでしょう。
ねんね時期の赤ちゃんであれば、話し掛けるだけでも効果的です。えほんの読み聞かせやいないいないばあも、聴覚や視覚を刺激します。
また、リトミック教室では、0歳から音楽を聴いたり楽器を鳴らすことも、脳の発達に効果的であると推奨しています。興味がある方は、そちらの教室に参加してみるのも良いかもしれません。
2歳~3歳は、身体の動きも活発になり、言葉も話せるようになる時期です。この時期には、指先の動きもかなり器用になってくるため、指先を使うようなあそびを取り入れるのがおすすめです。
特にパズルは、指先を使いながら思考力や集中力を高めることが可能です。最初は簡単なものから始めて、徐々にレベルアップしていくと良いでしょう。
また、好きなクレヨンで絵を描かせたり、粘土あそびはおすすめです。公園で砂遊びをするのも、身体全体を使って楽しめる知育あそびといえるでしょう。
4歳~6歳は、今まで習得した知識や経験を、頭で整理して行動に表すことが可能な時期です。
言葉も増え、ますます身体の動きも向上したこの時期には、頭を使いながら楽しめるあそびを取り入れましょう。語彙力を増やしたい場合は、しりとりやなぞなぞがおすすめです。簡単なルールを理解し遊べるため、思考力や想像力も身につきます。
また、ひらがながある程度読める子どもには、かるたあそびもおすすめです。聞く力を養い、集中力を育てるため、ぜひ親子で楽しみながら挑戦してみて下さい。
販売されている多くの商品から知育アイテムを選ぶのは、至難の業であるといえるでしょう。
ここでは、おすすめの知育玩具をいくつか紹介いたします。
商品の特徴や得られる効果についてもふれていますので、知育を始めたい方はぜひ参考にしてみて下さい。
Gollnest&Kiesel【ゴルネスト&キーゼル】は、1981年に創立されたドイツの木製玩具メーカーです。子どもたちのために心を込めて玩具を生産する、というコンセプトをもとにさまざまな木製玩具を販売しています。
モビールエレファントは、ゆらゆらと動く木製の象が8頭ついているモビールです。
可愛くてカラフルな象が動くたびに、赤ちゃんの目や脳の発達を促すことでしょう。インテリアにも可愛らしくおすすめです。
赤ちゃんの大好きな、アンパンマンがデザインされたおでかけ用の布えほんです。
赤ちゃんが「分かる」「好む」絵や柄を脳科学的に検証して取り入れているため、知育として取り入れるにはおすすめの商品です。
全8ページの布えほんは、触り心地もよく強く引っ張っても紙のように破れることはありません。丸洗い可能なため、おでかけで汚れても安心です。
ボーネルンドは、世界中から選び抜いた知育玩具を提供しています。また、玩具だけでなく、全国に展開する親子の室内あそび場として「キドキド」や「トット・ガーデン」、屋外あそび場の「プレイヴィル」をプロデュースする企業です。
そんなボーネルンドのおさかなシロフォンは、専門家が調律した本格的な音色を奏でられる木琴です。
1オクターブの音階が弾ける、子ども心をくすぐるカラフルな魚のデザインが特徴的です。長く愛用できるようアフターケアサービスも充実した魅力的な商品といえるでしょう。
特にシール貼りが好きな子どもにおすすめしたいのが、学研のはじめてできたよシリーズです。シールをメインとした幼児ワークとして、年齢別に書店などで販売されています。
文字・数・知恵を、シールを貼りながら楽しく学ぶことができます。
可愛らしい動物の絵が描かれ絵さがしやまちがいさがしといった、さまざまな知育問題もあるため、子どもが飽きずに取り組めることでしょう。持ち運びしやすいA5サイズなため、おでかけ用にも最適です。
楽しみながら数を学ばせたいなら、公文の玉そろばん120がおすすめです。
そろばんのように、玉を動かしながら数を学べるこの商品は、あそび感覚で数を学ぶことが可能です。
数えるだけでなく、足し算や引き算といった、小学校で習う計算も身につくため、長く遊べる知育玩具といえるでしょう。
知育を始めることで、子どもの思考力や集中力を伸ばし、より良い将来を築いてあげることが可能です。また、知育教育には親子のコミュニケーションが欠かせないため、取り入れることで親子間の絆も深まることでしょう。
知育には玩具だけでなく、知育アプリや知育菓子など、じつにさまざまなアイテムが充実しています。まずは、取り入れやすいアイテムから試してみてはいかがでしょうか。
本記事を参考に、子どもと楽しく知育を始めてみて下さい。