胎教とは、お腹の赤ちゃんとママの絆を深める親子のコミュニケーションのことをいいます。
「教」の字から胎児に教育をするイメージがありますが、胎教で頭や運動神経が良くなる、育てやすい子が生まれるといった科学的根拠はありません。
教育という概念よりも、ママができるだけストレスを受けずに過ごし、赤ちゃんにも良い影響を与えられるように、リラックスして過ごすことが大切という広い意味でとらえられるようになりました。
明確な時期は決まっていませんが、ママの体調が落ち着いた安定期となる妊娠中期頃からスタートするのがおすすめです。
妊娠中期頃から胎動も感じられるようになり、今まで以上に赤ちゃんの存在が身近に感じられます。またこの時期から赤ちゃんの聴覚も発達し、外からの声も聞こえるようになります。
妊娠後期に向かうにつれ、パパとママの声の聞き分けもできているようなので、パパと一緒に胎教に挑戦してみましょう。
始めに述べたように、胎教を行うことによって生まれてきた子の頭が良くなるなどという科学的根拠はありません。
しかし赤ちゃんは生まれた時に、聞いたことのない女の人の声よりママの声を好むといった研究や、妊娠中にママが食べた物を好んで食べる傾向があると報告されています。
胎教は赤ちゃんの気持ちが和らぐだけでなく、ママが母親になる心の準備にもなります。親子でのコミュニケーションの第一歩として挑戦してみましょう。
一言に胎教と言っても、いろいろな種類があります。今回は厳選したおすすめの胎教11選を紹介します。
今回おすすめする胎教は、室内で行うことができるもの、室外で行うことができるもの、そしてパパと一緒に行うことができるものの3つに分けて紹介していきます。
ぜひご自身の体調と相談して、できそうなものから挑戦してみてください。
それではまず、手軽にできる、室内でのおすすめの胎教を6つ紹介していきます。どれも今すぐに挑戦できるものですので、気になるものがあれば体調と相談しながらぜひ実践してみてください。
特におすすめの音楽と言われているのがモーツァルトの楽曲です。
赤ちゃんに聴かせてあげるというよりは、ママの脳をリラックスさせることが目的なので、クラシックに関わらず好みのもので構いません。オルゴール音楽や、ピアノ音楽、お母さんがリラックスできるならポップスやロックだって良いのです。
絵本は、普通に話しかけるよりも感情を込めて話しかけやすいのでおすすめです。ママの精神状態が落ち着く、親としての愛情が生まれるだけでなく赤ちゃんの脳や感受性の発達を促すともいわれています。
「どんなにきみがすきだかあててごらん」「あなたがだいすき」といった絵本がおすすめです。ママが昔好きだったものや、読んでいて気分が明るくなる絵本を選ぶと良いでしょう。
おなかにむかって「おはよう」といった簡単な挨拶をしたり、赤ちゃんの名前を呼んでみたりしましょう。
もしまだ名前が決まっていなければ、おなかの赤ちゃんのためだけの胎児ネームをつけてあげて読んであげるとより愛情が芽生えてきます。
胎動があれば、そのタイミングで「今日も元気だね」「会えるのを楽しみにしているよ」などと些細なことで構いませんので、どんどん言葉を増やしていくと良いでしょう。
おなかをなでることで、赤ちゃんと間接的なスキンシップをとることができます。間接的でも赤ちゃんとコミュニケーションをとることで、愛情ホルモンと呼ばれる「オキシトシン」が分泌されます。
赤ちゃんをより身近に感じられ、ママとしての自覚が芽生えてきます。ママだけでなくて、まわりの家族からなでてもらうのも効果的です。ただ、なでることでお腹が張りやすい人は注意が必要です。
次に紹介するのは、ママの歌を聞かせてあげることです。赤ちゃんにママの声を聴かせてあげるのも大切ですし、何よりママが声を出して歌うことで気分がすっきりします。ママが楽しそうに過ごすことでおなかの赤ちゃんも気分がゆったりとします。
何を話しかければいいかなと恥ずかしさを感じてしまう方には、話しかけるよりも簡単かもしれません。歌はなんでも構いませんので、ママの気分転換に好きな歌を歌うのがおすすめです。
赤ちゃんの胎動がわかるようになってきたら、キックゲームを試してみましょう。キックゲームとは、赤ちゃんがおなかをポンとキックしたら、その部分をママが「キック」と言って触れてあげることです。
このキックゲームを1ヶ月以上続けると、ポコッと同じ場所を蹴ってくれるようになることもあります。意思疎通が取れることで、より愛情が増していきます。赤ちゃんの反応があったらぜひ褒めてあげてください。
これまでは室内でできる胎教を6つ紹介してきました。次は室外でできるおすすめの胎教を4つ紹介していきます。
外に出ることで気分転換になり、運動不足の解消にもなります。ぜひ、天気のいい日に自分の体調と相談しながらチャレンジしてみてください。
外でできる胎教として始めに紹介するのは、運動不足解消にもぴったりの散歩です。ゆったりとした気持ちで散歩すると、いつもは気づかなかった景色や、鳥のさえずりなど新しい発見ができるかもしれません。
暑い時期には水分補給をしっかりし、寒い時期には防寒対策をしっかりして、転倒に注意しながらゆっくり歩きましょう。
マタニティヨガは、妊娠中の精神・肉体・呼吸を整え、心と体の安定を目指します。妊娠中に適度に運動をすることで、お産に向けての体力アップにもなります。
運動神経がなくても、問題ありません。無理のない程度で行いましょう。マタニティヨガのレッスンを行っているところもありますし、YouTubeで探してみるのもおすすめです。
泳ぐことが苦手なママも大丈夫です。プールに入ることで重いお腹も軽くなるので動きやすくなります。肩こり、腰痛の緩和も期待でき、水圧はむくみの改善にも繋がります。
特に安定期以降に夏を迎える妊婦さんにおすすめです。本気で泳ぐというよりは、息が上がらない程度にウォーキングやエアロビクス運動を行ってみてください。
マタニティパワーをつけたいママにおすすめです。有酸素運動をメインに考えられた妊婦さん向けの全身運動は、お産の時に使う筋肉を鍛えるトレーニングにも役立ちます。
妊娠中でも安心して楽しめるようプログラムされていて、インストラクターが安全確認をしながらすすめてくれるので安心です。軽快なリズムに合わせて楽しく体を動かし、気分もリフレッシュにもなります。お産に向けての体力アップや体重コントロールだけでなく産後の体型戻しにも効果的です。
これまでは主にママができる胎教を紹介してきましたが、最後にパパにもできるものを1つ紹介します。
赤ちゃんの誕生を待ちに待っているはずのパパにもぜひ、恥ずかしがらずに挑戦してもらいましょう。
恥ずかしがり屋のパパも多いかもしれませんが、赤ちゃんはおなかの中にいても、パパの声も判断してくれるといいます。パパも話しかけることで、赤ちゃんが生まれてから積極的に話しかけやすくなり、育児に参加しやすい雰囲気ができるようになると言われています。
何を話すか悩んでしまうパパもいると思いますが、ママのことを紹介したり、どんな子になってほしいか話しかけたりぜひお腹に手を当てながら話しかけてみてください。
胎教というのはお母さんのリラックスを目的とするためのものだとお伝えしてきましたが、胎教を行う際には、お母さんの体調の良し悪しだけではなく注意していただきたい点があります。
それでは早速胎教を行う際の注意したいポイント4つを紹介していきましょう。
まず1つ目はけんかです。妊婦にとって感情の起伏は胎児にも影響します。感情が高ぶり興奮すると心拍、血圧があがり、胎盤を通じて赤ちゃんの心臓がどきどきしたり、胎盤の血液量が減り、赤ちゃんに十分な酸素や栄養素が届きにくくなったりすることもあるようです。
妊娠中はホルモンのバランスが崩れ、いらいらすることも多くあると思いますが、我慢をためて爆発させるより、1つずつ冷静に話し合って解決していきましょう。
2つ目は情緒不安定になることです。女性は妊娠するとホルモンバランスが崩れて、些細なことで悲しくなったり、不安を感じやすくなったりと情緒が不安定になりやすくなっています。
「胎教をしなきゃいけない」と追いつめられる必要はありませんので、イライラする時や悲しい気持ちの時は無理をせず、自分のタイミングで大丈夫です。
時にはパパに話を聞いてもらうなどして、リラックスしていきましょう。
3つ目は生活習慣の乱れです。偏った食事、夜更かし、睡眠不足など生活習慣の乱れは、循環機能の低下を起こし、胎児にも影響してきます。
ママの食事の栄養を、へその緒から吸収する時期になっていますので、バランスのとれた食事を意識しましょう。サプリメントはあくまで補助であり、基本は食事にあることを忘れずにしましょう。
また妊娠中、働いているママは疲れやすくなっていますので無理をしすぎず自分の体と相談して、仕事を調整しましょう。
4つ目は運動不足です。身体を動かさないことが原因でストレスが溜まるため、軽いウォーキング程度の運動をするのがおすすめです。
また、妊婦が運動不足になると妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群になるリスクが高まりますので、運動を取り入れましょう。
いくつか妊娠中にできる運動も紹介していますので実践してみてください。ただ、おなかが張りやい時や、体調が優れない時は、無理をせずおうちトレーニングがおすすめです。
胎教はリラックスを目的としています。自分の心と身体の状態と相談して行いましょう。安定期と呼ばれる時期に入っていても無理は禁物です。
胎教の効果を期待しすぎることもよくありません。「胎教を頑張ったのにどうして…?」と悲観することがないよう、あくまでも胎教はママのリラックスを目的としていると念頭に置いておくことが大切です。
赤ちゃんとの最初のコミュニケーションです。ぜひパパとも一緒に挑戦してみてください。