生まれたばかりの赤ちゃんの視力は、ほとんどありません。成長するにしたがってだんだんと見えるようになってきますが、生後2ヶ月くらいだと0.01から0.02ほどしかありません。しかしこの頃からだんだんと色がわかるようになります。
また、生後2ヶ月くらいからは、目の前でおもちゃを動かすと、赤ちゃんの視線はおもちゃを追いかけるようになってきます。
では、生後2ヶ月の赤ちゃんにテレビを見せると、どのような影響があるのでしょうか。実は生後2ヶ月の赤ちゃんにとってテレビはあまり好ましいものではありません。
生後2ヶ月の赤ちゃんがテレビを控えるべき理由を「言語への影響」「社会性への影響」「注意力への影響」「視力への影響」「コミュニケーションへの影響」「テレビの音で声が聞こえづらくなる」「睡眠への影響」の7つに分けて説明します。
赤ちゃんは周りの人の話しかけにより言葉を覚えます。双方のやり取りによって、単語の意味や、言葉の使い方を学びます。
テレビを見ていると単語そのものは覚えますが、双方のコミュニケーションがないため、単語の意味や使い方の理解や、会話につなげる能力の発達が遅くなる可能性があります。
テレビを長時間見る子どもは有意語出現が遅れるという調査結果も出ています。
テレビは一方通行です。こちらから話しかけても、それに対しては答えません。しかもテレビからは表情などの非言語コミュニケーションを学びにくいです。
「こちらの反応によって、あちらがこう反応した」というやり取りがテレビではできません。相互コミュニケーションが学べず、社会性の発達が遅れる可能性があります。
また、赤ちゃんの注意がテレビに向いているときは、お母さんなどの声への反応が鈍くなり、人とのかかわりが減りがちとなります。
テレビが子どもに与える悪影響として、テレビを長時間見ていた子どもは注意欠陥障害が起こる可能性が高くなるという調査結果もあるようです。
親としては赤ちゃんがテレビをじっと見ていたら、他の家事がはかどりますので助かるかもしれませんが、テレビのつけっぱなしは赤ちゃんにいい影響を及ぼしません。必要のないときはテレビをこまめに消すようにしましょう。
生後2ヶ月の赤ちゃんだと、まだテレビに近づけませんが、もう少し大きくなってハイハイなどをしだすと、赤ちゃんは興味のあるものに近づきます。
赤ちゃんはまだ視力の発達段階にあるので、テレビに近づいて熱中して見ると、目に負担がかかる場合があります。お母さんが目を離したすきに近づいていたということもあるので、テレビをつけっぱなしにするのはやめておきましょう。
テレビは音や光の刺激が強いので、赤ちゃんはついそちらを見てしまいます。親も、赤ちゃんが泣かずにテレビを見てくれたら楽なので、赤ちゃんのおもりをテレビに任せることがあるかもしれません。
しかしそうなると、お父さんやお母さんが、赤ちゃんと触れ合う時間が少なくなります。生後2ヶ月だと「あーうー」というクーイングが始まります。それに反応して構ってあげることで、コミュニケーションの能力は育まれていきます。
テレビをつけっぱなしにしていると、常にテレビの音が流れている状態になります。すると、赤ちゃんに、親の声などが聞こえづらくなります。
逆に赤ちゃんの声もお母さんなどに届きにくくなり、赤ちゃんが何か反応しているのに、それに対してお母さんが反応を返せなくなるのです。
テレビからはブルーライトが出ています。寝る前などにブルーライトを浴びると、メラトニンの分泌が抑制されます。メラトニンは睡眠ホルモンと言われ、それが抑制されると体内時計がずれて眠れなくなります。
そのため、テレビをつけていると赤ちゃんの睡眠の妨げになってしまう可能性があります。赤ちゃんを寝かせようと思ったらその前からテレビは消しておきましょう。
「生後2ヶ月の赤ちゃんがテレビを控えるべき理由7つ」を見てきましたが、いかがだったでしょうか。生後2ヶ月だとまだ内容もわからないので、習慣にしないためにもできるだけテレビはつけない方がいいでしょう。
しかし、そうは言っても上のお子さんなどがいるとテレビをつけないのも難しいかもしれません。ですので、生後2ヶ月の赤ちゃんに「テレビを避けさせる方法6つ」についてこれから説明します。
赤ちゃんがだんだんと自分で動けるようになったとき、テレビの光と音の刺激に引き寄せられ、テレビに近づいて見ることがよくあります。
しかし、近づいて見ると視力にも悪影響を及ぼします。そのため、テレビに近づけないような柵を設置することをおすすめします。
また、その柵も赤ちゃんがもたれたときに倒れることはないか、赤ちゃんが舐めても安心な素材か、テレビを十分に囲えるかなどのポイントをチェックして選びましょう。
授乳の時間は赤ちゃんが大人しく授乳してくれるので、そのタイミングでお母さんも息抜きをしたい気持ちはわかります。
しかも、授乳中は身動きは取れないけれど、何かを見ることや聞くことは可能です。そのため、「テレビでも見よう」となる確率は高いです。
しかし、授乳中は赤ちゃんとの交流タイムです。授乳するときにはテレビを消してお互いの視線を合わせて授乳をしましょう。
もし、テレビをつけなければいけないのであれば、赤ちゃんはテレビのない部屋で遊ばせましょう。テレビは刺激が強いので、テレビがあればどうしてもテレビにくぎ付けになりますが、テレビがなければ、自分で遊ぶことも覚えてくるでしょう。
テレビは受動的です。受動的に受け取ることだけをしていると、能動的に働きかける練習ができません。赤ちゃんには能動的に遊ぶ楽しさも教えてあげましょう。
テレビをつけっぱなしにするのはやめましょう。テレビがついていたらどうしてもそちらを見てしまいます。
テレビをつけっぱなしにするかどうかは、親の習慣ですので、赤ちゃんのためを思って、できるだけこまめにテレビを消しましょう。
子ども部屋にテレビを置くと、いつでも自由な時にテレビが見える環境になってしまいます。見る番組はこれだけとか、1日1時間とかの取り決めをしていたとしても、子ども部屋にテレビがある場合それを守らせるのは難しいでしょう。
ですので、最初から子ども部屋にテレビを設置するのは避けましょう。
1週間の内、どの番組を見るかを決めてしまいましょう。そして、その番組が終わればテレビは消します。
このようにメディアへの接触時間を決めて、それを守るということは大切なことです。だらだらと見続けることのないように、赤ちゃんに「この番組だけだよ」と話をして、必要な番組だけを見るようにしましょう。
生後2ヶ月の赤ちゃんは、自分の意志でテレビを見たいと思っていません。ただ、刺激が強いのでそちらに注意が向くだけです。
しかし、テレビをよくつける家庭の場合、テレビを見るのが習慣になり、赤ちゃんも大きくなるにつれてテレビを見たがるようになります。
赤ちゃんがテレビを見たがるようになったときどのようなことに気をつければよいのでしょうか。注意点2点を説明します。
長時間テレビを見せるのはやめましょう。また、テレビをつけっぱなしにするのはやめて、見る番組を厳選しましょう。
良質な乳幼児向けの番組などを見ながら、赤ちゃんに話しかけてあげてください。例えばテレビに犬がうつれば「ワンちゃんだよ」「可愛いね」などと赤ちゃんに声をかけて、コミュニケーションを取りましょう。
赤ちゃんの視力は生後2ヶ月で0.02程度、その後1歳で0.2~0.25、2歳で0.5~0.6、3歳で67%の子どもが1.0以上となります。
三歳児健診は視力検査も含まれます。そのときに、赤ちゃんの視力をチェックしましょう。しかし、健診より前に目を細めて見る、顔を傾けて見る、まぶしがるなどの症状がある場合は健診を待たずに眼科を受診しましょう。
これまで「生後2ヶ月の赤ちゃんがテレビを控えるべき7つの理由」と「生後2ヶ月の赤ちゃんにテレビを避けさせる方法6つ」「赤ちゃんがテレビを見れるようになったときの注意点」を説明しました。
テレビを長時間見せるとコミュニケーション能力が育みにくくなったり、睡眠の妨げになったりすることがあります。
これから成長していく赤ちゃんの将来のために、できるだけテレビは控えましょう。