妊娠検査薬とは、妊娠の有無を判定する試薬です。
妊娠すると、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)というホルモンが分泌されます。hCGは血液や尿から検出され、妊娠検査薬の場合は尿を使って調べます。
妊娠の可能性がある場合、産婦人科を受診する前にまず妊娠検査薬で確認するのが一般的です。産婦人科選びや受診がスムーズにできるよう、正しい使い方やどこで買えるのかを知っておくことが大切です。
使用時期は、妊娠検査薬によって異なります。
生理予定日から安定期前までは、胎児の主要な器官が形成される大切な時期です。妊娠した場合は、薬の服用やアルコール摂取を控えたり、激しい運動を避けたりするなど日常生活にも気をつけなければなりません。
妊娠の早期発見のためにも、適切な時期に妊娠検査薬を使用することが大切です。ここでは、2種類の妊娠検査薬の使用時期についてご説明します。
多くの妊娠検査薬では、「生理予定日の約1週間後」に検査することを推奨しています。
hCGは、1~1.5日ごとに増えていきます。尿中のhCG濃度は血液よりも低く、一般的な妊娠検査薬ではhCGの値が一定以上にならないと判定できない可能性があります。
例え妊娠していても使用時期が早すぎると陰性になってしまう場合があるため、多くの妊娠検査薬の使用時期は生理予定日の約1週間後を目安としています。
早期検査薬は、通常タイプよりも早い時期から使用できます。
一般的な早期検査薬の使用目安は「生理予定日の数日前~生理予定日」です。検出基準値は25mIU/mLと、通常タイプの半分ほどで少ないhCGでも感知可能です。
妊活中で1日でも早く調べたいという人におすすめです。ただし、陽性反応が出てもその後胎嚢が確認できず妊娠成立に至らない場合があるので、後日再度検査することをおすすめします。
妊娠検査薬はどこで購入できるのでしょうか。
妊娠検査薬は「第2類医薬品」に該当し、どこでも取り扱える商品ではありません。妊娠を希望している人、今後妊娠する可能性がある人は、すぐに妊娠検査薬を用意できるように、どこで買えるのかを把握しておくことがポイントです。
ここでは、妊娠検査薬はどこで販売されているのか、どこで買うのがおすすめかなどについてご紹介します。
妊娠検査薬は、薬局(ドラッグストア)で購入できます。
たいていの薬局なら、ほぼどこでも売られています。チェーン展開されているような大きな薬局の場合、婦人体温計や避妊具などの近くに置かれています。
常時取り扱われているので、確実に手に入れたい場合は薬局がおすすめです。
薬局で買う場合、薬剤師と相談できるメリットがあります。
中でも早期妊娠検査薬は「医療用体外診断用医薬品」に該当するため、薬剤師のいる薬局・ドラッグストアでの対面販売となります。従来は購入時に住所氏名を記入する必要がありましたが、現在は使用する本人であれば個人情報の開示は不要です。
薬局は複数の妊娠検査薬を取り扱っていることが多く、薬剤師がいる店舗ならおすすめのタイプを聞くことができます。
妊娠検査薬はコンビニでも買うことができます。
しかし、薬局とは異なり、コンビニならどこでも売っている訳ではありません。2009年の薬事法改正に伴い、コンビニで一部の医薬品販売が可能となりました。医薬品を取り扱うコンビニは増加傾向にありますが、まだ一部であり、妊娠検査薬が買える場所も限られています。
また、妊娠検査薬を販売するためには、第2・第3類医薬品を販売するための「登録販売者」の資格が必要です。
コンビニで購入するメリットは、すぐに手に入る点です。
たいていのコンビニは年中無休・24時間営業なので、「日中は忙しくてなかなか買いに行けない」「すぐに買いたい」という人におすすめです。
ただし、取り扱いは一部のコンビニであり、どこでも買えるものではないこと、薬剤師との対面販売が必要な早期検査薬は販売されていないことを頭に入れておきましょう。
3つ目にご紹介するのは、インターネット通販です。
妊娠検査薬は、ドラッグストアのECサイトのほか、楽天やAmazonでも販売されています。商品ページには、医薬品であることや購入にあたっての注意事項が書かれています。よく読んだ上で購入しましょう。
ネットの利点は、人目を気にせずに購入できることです。
妊娠検査薬を買うときに「レジで会計するのが恥ずかしい」「知り合いに見られるかもしれない」と心配な人もいるでしょう。ネットなら非対面なので、妊娠検査薬を外で購入することに抵抗がある人でも安心して買うことができます。
希望するメーカーや内容量の商品を探しやすい点も魅力です。
妊娠検査薬は尿中のhCGを調べるため、「濃度が低くなる可能性があるため、検査前は大量の水を飲まない」「紙コップで採尿する場合、長時間経った尿は使わない」などの注意点があります。
そのほかに、押さえておくと役立つポイントがあります。ここでは、妊娠検査薬を使用する上でのポイントを3つご紹介します。
検査薬は正しく使うことで99%以上の精度と言われています。正しく検査ができるように、妊娠検査薬に付属されている説明書を良く読みましょう。
説明書には使用手順のほか、使用上の注意事項、早期発見の重要性などについても書かれています。妊娠検査薬の仕組みもわかるので、適正な検査時期への理解が深まります。
また、妊娠検査薬には使用期限があります。正しい判定結果を確認するためにも、使用期限内のものを使いましょう。
妊活中で毎月妊娠検査薬を使う人も多いのではないでしょうか。また、判定線が薄い場合は再度確認したり、陽性反応が出ても念のため数回検査をしたりする場合もあるでしょう。
使用頻度が高い場合は、数本入りの妊娠検査薬がおすすめです。
店頭で扱われている商品は、多くが1・2本入りです。基本的に本数が多いほど1本あたりの価格が安くなる傾向にあるので、コスト面にもメリットがあります。
妊娠検査薬は、商品によって形状や陽性反応の出方が異なります。妊娠検査薬を使用するときは、判定線のタイプで選ぶのもポイントです。
ここでは、2つの妊娠検査薬のタイプをご紹介します。
デジタルタイプは、陽性・陰性が一目で分かります。
液晶ディスプレイに文字や「+」「-」などのサインが表示されるため、妊娠判定に迷うことがありません。
デジタルタイプは一般的な検査薬と比べて高価です。使い捨てのため何度か検査する場合はコストがかかりますが、正確性重視の場合はおすすめです。
使用時期は商品によってさまざまで、生理予定日の1週間後を目安としているもの、生理予定日4日前から検査可能なものもあります。
蒸発線タイプは、判定部に線が表示されることにより妊娠判定を行います。
一般的な妊娠検査薬はこの蒸発線タイプです。判定窓や所定の位置に、妊娠したことを表すサインが出た場合は陽性ということになります。
蒸発線タイプはデジタルタイプと比較すると安価で何度か検査したい場合におすすめですが、判定線に濃淡が出る場合があり、タイミングによっては判定が難しいケースが考えられます。
「妊娠検査薬がどこで買えるか」という疑問に加え、「どれを買えば良いのか」も重要なポイントです。
妊娠検査薬は、形状や判定の表示形式、内容量や価格に至るまでさまざまです。使用頻度や重視するポイントを踏まえて選ぶことが重要です。
ここでは、おすすめの妊娠検査薬を5つご紹介します。妊娠検査薬について詳しく知りたい人、妊娠検査薬の購入予定がある人などはぜひ参考にしてみて下さい。
「ウー・マン チェック(WO+MAN CHECK)」は、不二ラテックス株式会社の検査薬ブランドです。
採尿チップにそのまま尿をかけることで判定できる蒸発線タイプの検査薬です。「99%以上の正確さ」「約1分から判定可能」「1日中いつでも検査可能」の3つの特長があります。
hCGの検出基準値は50mlU/mLで、生理予定日の1週間後から検査することができます。1回用・2回用の2種類が販売されています。
次におすすめするのは、ロート製薬株式会社の「ドゥーテスト®・hCG妊娠検査薬」です。
ロート製薬は1992年に日本初の一般妊娠検査薬を販売しました。以後、開発を重ね現在に至ります。
生理予定日の約1週間後から検査可能の蒸発線タイプの検査薬です。採尿部が大きくはねにくい構造のため、簡単に検査できます。公式HPでも動画やイラストで使い方が詳しく解説されています。
内容量は1回分・2回分の2種類です。
「チェックワン(Check One)」は、株式会社アラクスが開発した妊娠検査薬です。
1992年に発売されたチェックワンは、ドゥーテストと同様に人気のある妊娠検査薬の1つです。
生理予定日の約1週間後から朝・昼・夜のいつでも検査可能です。判定結果がそのまま残るタイプの検査薬です。本体がスリムで持ちやすい設計になっています。
1回分と2回分が販売されています。
次にご紹介するのは、約1週間後から検査可能な「PHARMA CHOICE P-チェック・S 」です。
Amazonのプライベートブランド「PHARMA CHOICE(ファーマチョイス)」の商品のため、Amazonから購入できます。プライベートブランドならではの低価格が魅力です。
内容量は4回分で、他のブランドの2回分と同等程度の価格です。精度も99%以上と高く、複数回検査する場合におすすめです。
「クリアブルー」は、大手電子機器メーカーでヘルスケア製品の展開も手掛ける「オムロン株式会社」の妊娠検査薬です。
生理予定日の約1週間後から検査可能です。クリアブルーは、終了線と判定線の窓が別々になっており、判定が一目で分かるデザインです。
1回分・2回分の2種類の製品が販売されています。
妊娠は早期発見がポイントです。通常タイプの妊娠検査薬で検査できる時期には5週目に入り、胎児を包む胎嚢が見え始める頃です。胎盤が完成する安定期までは、脳や内臓といった器官が作られるため特に大切な時期です。
この記事では、妊娠検査薬の概要や、どこで買えるかなどについてご紹介しました。妊娠検査薬がどこで買えるのかをしっかりと把握し、妊娠の早期発見に努めましょう。