妊娠初期にムカムカして気持ち悪いという女性は多いのですが、実はどうして妊娠初期にムカムカしてしまうのか、詳しい原因はよく分かってはいません。
この妊娠初期のムカムカも、少しだけムカムカするという人もいますし、ムカムカしすぎて気持ち悪いとなる人もいます。こういった妊娠初期の症状がいつから現れるかは、個人により違いはあります。
詳しい原因は分からないながらも、妊娠初期のムカムカは女性の体が赤ちゃんを育てるために必要な環境に変化することで起こっていると考えられています。
妊娠すると、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)やエストロゲンといったホルモンが増えることが知られています。赤ちゃんに必要な環境を整えるためのホルモンの変化により、妊娠中のムカムカする症状が起こっていると考えられています。
妊娠初期にムカムカの症状を起こす原因として、主に4つの原因について見ていきましょう。
妊娠初期にムカムカする症状については、何かしら原因があり症状が発生しています。例えば、吐き気がひどい、匂いに敏感になる、食事をしたのにすぐにお腹がすく、唾液が増えるなどの変化が原因だと考えられています。
妊娠中でなくても吐き気がしてムカムカすることがあるでしょう。しかし、特に妊娠初期にはちょっとしたことで吐き気がするようになり、ムカムカする症状がたびたび起こります。
妊娠初期の吐き気の原因は分かってはいませんが、急なホルモンや代謝の変化など、体の環境が変わっていくことが影響していると考えられています。また、妊娠初期の吐き気は「つわり」が原因です。
妊娠初期にはそれまで気にならなかった匂いに敏感になり、その匂いによってムカムカの症状が引き起こされることがあります。
どんな匂いが駄目なのかは人によって違うため、どれが良くないと一概に決めつけることはできません。しかし、一般的に匂いが強いものは、ムカムカの原因になりやすいと言われています。
特定の匂いが駄目という人が多いため、何が原因なのか特定しやすいでしょう。
妊娠初期にムカムカすることで食欲を失ってしまう妊婦さんもいますし、逆に直ぐにお腹が空いて食欲旺盛だけどムカムカもするという妊婦さんもいます。
直ぐにお腹が空くことでムカムカするのは、「食べづわり」と呼ばれています。常にお腹に何か入っていないと直ぐにお腹が空いてムカムカしてしまうため、結果的に食事量が増えてしまいます。
食欲を無くすことも、ムカムカしないよう食事量が増えてしまうことも妊娠初期の症状と言えるでしょう。
妊娠初期にムカムカした症状が起こる原因には、口の中の問題もあります。例えば、唾液の分泌量が増えたり、口の中の味に敏感になったりするなどの症状があります。
普段、唾液を意識することは少ないでしょう。しかし、妊娠初期はホルモンの変化により唾液の量が普段よりも増えることで違和感を感じ、ムカムカする症状の原因になることがあるのです。
唾液ではなくげっぷがよく出るようになった、というケースもあります。
妊娠初期には、ムカムカ以外にも様々な症状が出ることがあります。ここでは、妊娠初期のムカムカ以外の代表的な症状を10個紹介します。
これらの症状が起こっているからといって、必ずしも妊娠初期であるとは限りません。また、妊娠初期でも症状が出ない人もいます。個人差があるため、これらの症状についてはあくまでも可能性として考えてみてください。
妊娠初期は、赤ちゃんを育てる環境を整えるためにホルモンが大きく変化をしています。そのため、ホルモンバランスが崩れることで、気持ちが不安定になることがあります。
頭では良くないと分かっていても気持ちが安定せず、普段はしないような行動をとることや、口にしないようなことを言ってしまうこともあるでしょう。妊娠初期は情緒不安定になりやすいというのは、よく知られている症状のひとつです。
妊娠初期はホルモンバランスの乱れにより気持ちが安定していないため、ほんの些細なことでもイライラしてしまうことがあります。
いつもなら気にならないようなことでもストレスに感じてしまったり、イライラして怒ったり、ムカムカしやすいことでイライラしてしまいます。妊娠初期のイライラは妊婦さんのストレスとなるため、無理しないように気を付けたりリラックスできる時間を意識的につくりましょう。
妊娠中は、ホルモンバランスの乱れから味覚が変わることがあると耳にしたことがあるでしょう。妊娠をすると、妊娠前とは明らかに食べ物の好みが変わることがあります。
例えば、妊娠前まではとくに好きでもなかった食べ物やむしろ避けていた食べ物なのに、妊娠初期に味覚が変わって食べたくなることがあります。
また、ムカムカがひどくてあまり食べられないという場合以外は、なるべくバランスの良い食生活を心掛けましょう。
妊娠初期には化粧品を変えていないのに肌荒れしてしまったり、便秘になってしまったりという症状が起こることもあります。
月経周期によって肌トラブルが起こることがあるように、妊娠初期の肌荒れや便秘もホルモンによる影響と考えられています。
さらに、この時期にはホルモンによりメラニン色素が増えて色素が沈着しやすくなっているため、いつも以上に日焼けに気をつけましょう。
妊娠すると基礎体温が高くなるため、妊娠の自覚はなくても熱っぽい症状がでるようになるでしょう。
女性の基礎体温は、月経と排卵により影響を受けています。そして、一般的に基礎体温は、低温期と高温期の2層に分かれるようになっているのです。妊娠した場合は、通常よりも高温期が長く続くため、熱っぽいという症状を感じる人がいます。
ホルモンバランスの乱れや、ヒト絨毛ゴナドトロピン(hCG)ホルモンの影響により、おなかが張ったり痛みがでたりすることもあります。
下腹部がしくしく痛むといったこともあり、月経痛がある人には妊娠初期の痛みとの区別がつきにくいこともあります。そして、もしも妊娠している可能性があるのなら、おなかの張りや痛みを感じても安易に薬を服用しないよう注意しましょう。
頭痛はプロゲストロン(黄体ホルモン)やホルモンバランスの乱れによって引き起こされる症状の1つで、いつもは頭痛がない人でも頭痛を感じることがあります。
腹痛やおなかの張りと同じく、通常の頭痛と区別がつきにくいという難点があるので注意が必要です。頭痛がよくある人でも、妊娠の可能性がある場合は、病院の受診前に薬を飲むのは控えた方が良いでしょう。
妊娠初期には赤ちゃんのための胎盤を作るために子宮内膜の血管が傷つき、少量の出血を伴うことがあります。
少量と言いますが出血の量は個人差が大きく、おりものに混じっている程度の人もいれば、月経のはじまり程度の量の人もいるようです。また、少量の出血は妊婦さん全員に起こるのではなく、約3割の人が経験していると言われます。
妊娠初期にはお腹のムカムカによって、食欲がなくなることがあります。その他にも、匂いが強い、味覚が変化して美味しく感じられない、嘔吐するためなかなか食べられないなどの理由から食欲が低下することがあります。
食欲がなくなるのは、妊娠初期のつわりの症状としても有名です。逆に、常にお腹に何か入っていないとムカムカしてきてしまう、食べづわりという食欲が増えるつわりもあります。
妊娠初期にはヒト絨毛ゴナドトロピン(hCG)ホルモンに影響により、だるさを感じることや常に眠気を感じるような症状も起こります。
睡眠時間をたっぷりとっても昼間の眠気が解消されない、また頻繁に疲れやだるさを感じてしまうような場合、妊娠初期の症状の可能性があります。そのような症状がある時には、しっかり休養をとりましょう。
妊娠初期にムカムカ症状が起こる人は多いでしょう。しかし、中にはムカムカしない人や、症状が出てもその強さや期間は違うなど、個人差がかなり大きいと言われます。
ムカムカ症状で吐き気が起きたり、逆に食欲が増したり、特定の匂いだけが苦手になったり、特定の食べ物しか食べたくなくなったりと、様々な症状が起こる可能性があります。
ここからは、妊娠初期のムカムカをなるべく抑えるためにできる対策方法を紹介します。
妊娠初期のムカムカはどんな症状がでるのか個人差が大きいため、自分の症状に合わせて対策をとってみてください。
食べ物や香水など特定の匂いでムカムカが起こる場合、マスクをすることでムカムカさせる匂いを軽減させられます。もし好きな匂いがあるなら、その匂いをマスクにつけてみることもおすすめです。
また、食事を用意する時、もしくは仕事中に、食べ物や他人の匂いが気になることがあるでしょう。そんな時には、なるべくムカムカしなくてすむように、マスクを持ち歩くことがおすすめです。
食べ物でムカムカして食欲が出ないような場合は、栄養の偏りよりも食べることを優先し、現在食べられるものを食べられるだけ口にしましょう。
本来なら栄養バランスを考えた食事をとりたいところですが、妊娠初期のムカムカ症状がある時は難しい場合があります。中には、特定の食べ物をたくさん食べたくなるという場合もあるでしょう。
食べることが難しい時には、食べられるものを少しずつ、ゆっくり食べるようにしましょう。
空腹になるとムカムカしてしまう食べづわりになった場合は、食事を小分けにして空腹を感じる前に定期的に食べるようにしましょう。
空腹だとムカムカするからといって、食事量が増えてしまうと体重が増えすぎてしまう可能性があります。食事自体を小分けにして、空腹を感じる時間を作らないようにしてみましょう。また、手軽に食べられるものを間食として用意して、なるべくお腹が空かないように工夫するのがおすすめです。
妊娠初期にムカムカしてしまうのは、多くの妊婦さんが経験することです。ムカムカ対策はありますが、どんなことでムカムカするのかも人によって違うため、自分にあった対策をすることが大切です。
妊娠初期のムカムカは赤ちゃんを育てるために体が変化している証なので、辛い時は素直にゆっくりと休んで無理をせず、症状に合った対策で対処していきましょう。