生まれたばかりの赤ちゃんは、大人と一緒にお風呂に入るのではなく、しばらくベビーバスを使って沐浴をして清潔に保ちます。
お風呂デビューは、出産した病院などで行われる1ヶ月健診で可能かどうかを確認してからのほうが良いでしょう。母子ともに経過が良好なら、お医者さんから許可が出ます。
赤ちゃんやママの状態が原因でもう少し様子を見るように指導された場合は、許可が下りるまでは沐浴を続けましょう。
新生児のお風呂デビューは生後1ヶ月頃が目安とされています。
新生児をママやパパと一緒に入浴させずに沐浴をするのは、新生児の抵抗力が低いからです。特に、新生児のへその緒はまだ乾いていないことが多く、大人と同じお風呂に入るとその部分から体内に雑菌が入るおそれがあります。
また、この時期はお世話をするママが産褥期であり、悪露の量が多いこの期間は、シャワー浴をするように指導されることも理由の一つです。
母子ともに状態が良く、出産後の1ヶ月検診で医師からの許可が出たらお風呂デビューをすることができます。
どんなに赤ちゃんのお風呂の入れ方を予習しても、初めて入れるときは緊張するものです。しっかりと準備をしつつも最初は失敗がつきものです。できるだけリラックスして臨みましょう。
それでは、新生児のお風呂の入れ方の流れを見ていきましょう。
まずは、入浴と湯上り後に必要なものを準備します。
脱衣所に厚手のバスタオルを敷き、その上に赤ちゃんの着替えとオムツを置いておきます。肌着などは開いて置き、重ね着させる場合は袖を通しておきます。
さらに、その上にもう一枚バスタオルを敷き、体をタオルで拭いたらすぐに服を着せてあげられるようにします。
また、ベビーオイルや綿棒、へその緒の処置セットなど、赤ちゃんのケア用品を備えておくと良いでしょう。
ママが家に一人でいるときの、お風呂の準備や順序を説明します。
脱衣所にセットしたバスタオルの上に、オムツ以外の服を脱がせた赤ちゃんを寝かせます。そして、浴室のドアを少し開けた状態で、先にママが自分の体や髪を洗います。
洗い場が広い浴室の場合は、浴室の中でバスチェアやベビーバスマットに寝かせて、ママが洗うのを待ってもらっても良いでしょう。また、赤ちゃんを脱衣所で待たせる場合は、風邪をひかせないように室温を調節が必要です。
ママが自分の身体を洗ったら、次はいよいよ赤ちゃんの番です。赤ちゃんを安全に浴室へ運ぶために、脱衣所で軽く上半身を中心に体を拭き、寝かせていた赤ちゃんのオムツをはずして浴室に入ります。
まずは、赤ちゃんにお湯をかけましょう。この時、ママは赤ちゃんに声をかけながら、ゆっくりと手桶やシャワーでお湯をかけ、体の汚れをざっと落とします。
お湯の温度は38~39℃ぐらいにしましょう。
特に、寒い時期は体を洗う前に一度湯船に浸からせて体を温めましょう。また、洗う前に体を温めると、汚れがふやけて落ちやすくなります。
湯船に浸かるときは、赤ちゃんの首をしっかり支えながら、やさしく胸元に引き寄せるように抱っこします。そして、ゆっくりとお湯の中に入れましょう。新生児は安定感がなく首も腰も座っていません。お風呂の入れ方は慎重にしましょう。
赤ちゃんの体が温まったらバスタブから出て、赤ちゃんの首をしっかりと支えながら、洗い場のイスに腰をかけ、ママの太ももの上で赤ちゃんを仰向けに抱えます。
そして、濡らしたガーゼタオルで顔をぬぐいます。次にベビー用ボディソープを泡立て頭を優しく撫でるように洗います。続いて、首やおなかなど体の前面から手、足、おまた周りの順に洗っていきます。
体の前面を洗ったら、シャワーをかけて赤ちゃんについた泡を落とします。特に、頭や顔周りはやさしくお湯をかけて泡を落としましょう。
続いて、赤ちゃんをうつ伏せにして、胴体をしっかり支えるように抱き、ボディソープで背中とお尻を洗います。
なお、赤ちゃんの汚れは、首や関節の皺、握っている手の中や指の間などにたまっています。皺の中や指の間などを優しくこすってきれいにしてあげましょう。
体の背面を洗ったら、きれいなお湯で流して完了です。シャワーの勢いなどで赤ちゃんをびっくりさせないよう、またすすぎ残しがないよう、注意深く洗い流しましょう。
体を洗う順序などお風呂の入れ方は、ママが慣れている沐浴と同じにしたり、赤ちゃんの成長に合わせて洗いやすい順に変更しても良いでしょう。
赤ちゃんが快適になるように工夫しましょう。
特に、寒い時期は体を洗う前と洗った後に湯船に浸かりましょう。ただし、新生児は大人よりのぼせやすいので、注意が必要です。
湯船のお湯の温度は、夏場は38度くらい、冬場は40度ほどにします。また、赤ちゃんの湯船に浸かる時間は2~3分、洗っている時間を合わせると10分ほどで切り上げます。
お風呂に入っている間は、赤ちゃんに声をかけたり歌を歌ったりしながら、スキンシップを心がけましょう。
湯船から出たら、赤ちゃんに上がり湯をかけ、事前に用意しておいたバスタオルの上に赤ちゃんを寝かせます。そして、頭や体をバスタオルでやさしくくるみ、こすらないようにしっかりと水気を取ります。
最後に、保湿剤を塗るなどのスキンケアをしたあと、用意しておいた肌着を着せて完了です。
新陳代謝が良い赤ちゃんは、大人以上に水分が必要です。特に、お風呂で汗をかいた後は、水分補給をしてあげましょう。
お風呂上がりに水分を摂る量は、赤ちゃんが飲みたいだけあげましょう。渇きが治まれば、自然に飲むのをやめてくれます。飲ませるものは、母乳やミルク、白湯などです。
沐浴やお風呂のタイミングは、授乳と授乳の間となることが多いため、お風呂上りの赤ちゃんはのどが渇きやすいでしょう。
赤ちゃんがお風呂で泣くのは、予測できないことが続いて、不快な気持ちや恐怖を感じるからだと考えられています。
眠い、空腹、急に裸にされて不安、 シャワーの音や水圧が恐怖、寒い、熱い、冷たいなど、さまざまな感情や体調に左右されますが、なるべく赤ちゃんが不快や不安にならないよう、お風呂の入れ方に注意すると良いでしょう。
ここからは、新生児のお風呂の入れ方における注意点を紹介します。
赤ちゃんが不快に感じたり、びっくりしないように、お湯の温度には気をつけましょう。湯船のお湯は、温度計で測ると良いでしょう。
また、シャワーを使用しても良いですが、水圧は弱めに調整し、足元からゆっくりかけましょう。理想的には、桶を使ってゆっくり流してあげるのが良いでしょう。入浴時間も赤ちゃんの月齢や体調、気温、赤ちゃんの顔色などを考慮して調節しましょう。
服を脱がされたときや、湯船のお湯に浸けられて泣いてしまう場合は、ガーゼやタオルをお腹にかけてあげると良いでしょう。
また、手に握らせてあげても安心することがあります。体が布に包まれることで、さまざまな刺激を緩和し、赤ちゃんの恐怖心を和らげると考えられています。
いろいろな方法を試して、一番良いお風呂の入れ方を試してみましょう。
冬場など気温が低い時期には、湯冷め対策を万全にして入浴させましょう。
まずは、脱衣所やお風呂から上がったあとに過ごす部屋はあらかじめ暖めておきます。また、上に着る服に肌着の袖を通しておき、なるべくスムーズに服を着せられるようにします。
さらに、ママやパパ自身の着替えやバスタオルなどを用意しておくなど、お世話する人の湯冷め対策も忘れないようにしましょう。
新生児をお風呂に入れるのは、どの季節でもどんな入れ方をするにしても大変なことです。特に、幼い兄弟児がいると大変あわただしくなります。
少しでも手間を省いたり、便利なグッズを使用して、この大変な時期を乗り切りましょう。
赤ちゃんをお風呂に入れるときのおすすめのアイテムを紹介します。
前述したとおり、赤ちゃんの湯冷めはもちろん、お世話するママやパパの湯冷めにも対策が必要です。
新生児をお風呂に入れる際に便利なのが、ママが簡単に羽織ることができて、体についた水滴を素早くとることができるバスローブです。
吸水性が高く速乾性に優れ、肌触りの良いバスローブを選びましょう。また、湯上りの赤ちゃんが触れるため、新生児の肌にも優しい素材のものが適しています。
ベビーバスマットは、寝かせたまま赤ちゃんの体も洗えて、ママやパパが体を洗う際にそばに寝かせておくこともできる便利なグッズです。水に濡れても良いビニールなどで作られ、新生児から使用できるものもあります。
また、冷えやすいお風呂の床で赤ちゃんが寒くなるのを防ぐだけでなく、赤ちゃんの体にフィットする形状になっているものは赤ちゃんが落ちる心配がありません。
ベビーバスチェアは、お風呂で使用できる赤ちゃん用の椅子です。形やタイプは多種多様ですが、リクライニング機能がついているものもあり、首がすわっていない赤ちゃんでも使用可能です。
新生児を抱っこしながらお風呂に入れるのは、ママやパパの腕や腰に負担がかかります。しかし、ベビーバスチェアを使用すればママの両手が空くので、安全で負担のかからないお風呂の入れ方ができます。
赤ちゃんのお風呂デビューは、特に新米ママやパパにとって緊張する時間です。首が座っていない赤ちゃんをお風呂に入れるのは慣れていないと大変で、予想外のことが起きることもあるでしょう。
今回お風呂の入れ方を紹介しましたが、必ずしもその通りにする必要はありません。お風呂に入れられない日があっても良いでしょう。
まずは、正しいお風呂の入れ方を知って、赤ちゃんとのお風呂時間を楽しむことを目標にしましょう。