本記事では、戌の日の安産祈願とは何か、安産祈願で参拝するときのポイントについてなど紹介していきます。これから安産祈願を行う方は参考にしてみてください。
安産祈願とは、安産を祈願して神社にお参りに行くことをいいます。神様に赤ちゃんができたことを感謝し、産まれるその日までお腹の赤ちゃんの無事と、母親の健康を願い参拝し、祈祷やお祓いを行ってもらいます。
安産祈願は、安産を願う昔からの風習です。元々は「帯祝い」といって、安定期に入る妊娠5か月目の戌の日に、岩田帯という腹帯をお腹に巻いて安産を願う風習が日本にはありました。
現在の安産祈願では、腹帯を巻かないで行く人もいますが、お腹の赤ちゃんと妊娠中の母親の健康を願うという内容に変わりはありません。
初めての妊娠というと、安産祈願といわれてもピンと来ない方も多いのではないでしょうか。ここでは、安産祈願はいつするものなのか、安産祈願というと出てくる「戌の日」とは何なのか見ていきましょう。
安産祈願は、妊娠5か月目に入ってから最初の戌の日に行うとよいといわれています。妊娠5か月目は、週数でいうと妊娠16~19週目頃です。
なぜ戌の日かというと、犬は多産でお産の軽い動物であることから、安産に結び付けられました。また、犬は霊界に行き来する霊獣といわれ、悪いものを掃う動物ということから安産祈願が戌の日になったともいわれています。
そもそも戌の日がピンと来ない方もいるでしょう。戌の日の戌とは、子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥の十二支の戌を指します。暦では1日1日に干支が割り振られ、12日ごとにそれぞれの動物の日がやってくるので、戌の日は月に2、3回あります。
例えば、2020年9月は、4日・16日・28日、2020年10月は、10日・22日が戌の日です。「戌の日カレンダー」とネットで検索すると簡単に調べることが可能です。
戌の日に安産祈願が行われるのは、犬が子沢山でお産が比較的軽いといわれているので、戌と同じように沢山の子を産むという意味でも、子の日や酉の日も安産祈願におすすめです。
安産祈願はお腹の赤ちゃんと母親の健康、出産を願うものなので、仮に戌の日、子の日、酉の日の都合がつかない場合でも安産祈願できないということはありません。これらの日にこだわらず体調を第一に、安産祈願の予定を考えていきましょう。
次は、安産祈願で参拝するときのポイント5つについて紹介していきます。初めて安産祈願を行うという方は参考にしてみてください。
安産祈願で参拝するときのポイントには、安産祈願に誰と行くのか・初穂料の相場・服装のマナー・腹帯は必要か・神社の選び方などがあります。
安産祈願の参拝のポイントとして1つ目は、誰と行くのかということです。安産祈願の参拝は、1人で行く場合・夫婦で行く場合・双方の両親を交えていく場合・どちらかの両親のみと行く場合などがあります。
誰と行くのかによって、それぞれのポイントも変わってきますので注意しましょう。
安産祈願は1人で行く場合もあります。夫婦で絶対に行かなければならないわけではないので、共働きで夫婦の予定がなかなか合わない場合は、仕事帰りにサクッと済ませてきてもいいでしょう。
1人で行く場合は、自分の予定で決めることができるので、「今日は体調がよくないからやめておこう」という判断も相手に気兼ねなくできるメリットがあります。
夫婦で安産祈願に行くケースが一般的に多い傾向にあるでしょう。安定期に入ったからといって、つわりが相変わらず続いてしまったり、それまで調子が安定していても急に体調が悪くなったりすることもあります。
1人で行くよりも、夫婦で行く方が何かあったときに安心です。また両家で行く計画の場合、突然体調が悪くならないかプレッシャーに感じてしまう方は、夫婦で行く形がおすすめです。
安産祈願に、双方の両親を交えて行く場合もあります。本格的に安産祈願を行いたいという場合は、両家の両親を招いて神社に行く形になるでしょう。
本格的に行う場合は、神社で祈祷を受けた後に祝い膳といって食事をとる流れがあります。家に招いて食事をすると、食事の準備や片付けが大変なので、神社近くのレストランに予約をしておくと体への負担にならないでしょう。
夫婦の実家が離れている場合は、両家同時に1度の安産祈願へ行けない場合もあるでしょう。このようなケースでは、両家で1回ずつ安産祈願を行うことがあります。それぞれの家の意向もあるので、安産祈願に行きたいかどうかまずは確認しておきましょう。
両家で1回ずつ行く場合は、安産祈願を計2回行くことになり、戌の日にこだわってしまうと両家のスケジュールでもめてしまう可能性もあるので、日程調整には注意が必要です。
両家ではなく、どちらか一方の両親のみ安産祈願に行く場合もあります。最近では夫婦2人だけで安産祈願するケースも多く、必ずしもどちらの両親とも行かなければならないというものではなく、都合がつきにくく行ける状況にない家もあります。
ただ、確認をとらず片方の家のみと行く場合は「私達も行きたかったのに」と、後々角が立つことがあるので双方の家の意向は確認するようにしましょう。
安産祈願の参拝のポイントとして2つ目は、初穂料の相場です。初穂料の相場はどのくらいなのか悩む方も多いでしょう。この場合は、行こうとしている神社のホームページを見て、初穂料を確認しておくことをおすすめします。
一般的に相場は5,000円~10,000円です。初穂料は、新札が望ましいといわれています。少しでもご利益があるようにと考える方は新札を用意しておくといいでしょう。
安産祈願の参拝のポイントとして3つ目は、服装のマナーです。安産祈願は、服装に決まりはないですが、神社へのお参りということでカジュアルすぎる服装は控えましょう。
例えば、裸足にサンダル、派手すぎる色や柄の服などは神聖な場に相応しくないでしょう。とはいえ、フォーマルな服を着なければいけないわけでもないので、黒や紺などの落ち着いた色のワンピースなど、ある程度きちんとしていれば問題ないでしょう。
安産祈願の参拝のポイントとして4つ目は、腹帯は必要かということです。腹帯を巻いて祈祷を受ける方もいるので、腹帯を付けていく方もいますが、これといって決まりはありません。
昔からの習わしを大切にしたい方や、腹帯も一緒にお祓いしてもらうことで安心感を得たい方は腹帯を巻いて参加したほうがよいでしょう。特に気にしない方は、腹帯がなくても問題ありません。
安産祈願の参拝のポイントとして5つ目は、神社の選び方です。安産祈願で行く神社がどこがいいか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
安産祈願の神社の選び方には、近所の神社にする形と、安産祈願で有名な神社にする形があります。安定期は体調が安定してきますが、油断も禁物です。近所の神社か、有名な神社にするかはそのときの体調を考えて慎重に選んだほうがいいでしょう。
有名な神社で安産祈願を行う方も多いですが、安産祈願は子宝に恵まれたことを感謝し、産まれる日まで赤ちゃんの無事と母親の健康を願うというものです。有名な神社に行った方が満足感を得られる気分になることも想像できますが、大切なのは安産を祈願する気持ちです。
体調面で不安がある中、無理をして遠出するよりも近所の神社を選び、余裕を持って参拝、祈祷してもらう安産祈願もいいでしょう。
せっかくの安産祈願なので、有名な神社に行きたいと考える方も多いでしょう。有名な安産祈願の神社には、子宝神社として有名な水天宮や代々木八幡宮があります。どちらも駅から近い場所にあるので、安定期に入った時期のお出かけ先としてもおすすめです。
ただ、人気の神社ということで、戌の日は参拝に来る人で混雑する可能性が高いので、空いている時間を見計らっていくなど工夫した方がスムーズに安産祈願できるでしょう。
最後に、安産祈願をスムーズに行うためのコツ5つについて紹介してきます。体調が安定してきた安定期といえども、スムーズな安産祈願を行えるように予備知識を頭に入れておきましょう。
安産祈願をスムーズに行うためのコツには、混み合いそうな神社は事前に確認する・体調を優先して考える・祝い膳の有無を確認する・受付は社務所で行う・初穂料を入れる封筒を忘れないようにするなどがあります。
安産祈願のコツとして1つ目は、混み合いそうな神社は事前に確認することが大切です。名前が知れているような神社であれば、当然戌の日に安産祈願を行う人が殺到することがあります。混雑していると祈祷までの待ち時間が長く、体調が悪くなることもあるでしょう。
祈祷の予約の有無や混雑する時間帯、祈祷の時間、祈祷の順番が来るまでの待ち時間など、事前にネットの情報を見たり電話をしたりして確認しておきましょう。
安産祈願のコツとして2つ目は、体調を優先して考えることです。安産祈願は、赤ちゃんが無事に産まれてくることを願うものです。
安定期に入ったとはいえ、戌の日に体調が悪いこともあります。戌の日に行う安産祈願に重きを置いてしまい、体調が悪い中無理に参拝するのはお腹の赤ちゃんにとってもよくないでしょう。
戌の日以外にも沢山の子を産む干支の日としては、子の日や酉の日があるので予定変更も視野に入れておきましょう。
安産祈願のコツとして3つ目は、祝い膳の有無を確認することです。安産祈願をした後に、祝い膳を行うのがしきたりとして存在し、自宅に人を招いてお膳の手配やもてなしをしますが、妊娠中には重労働になるため最近では行わない人も多いです。
ただ、両親や義理両親が祝い膳を当然行うものと思っていることもあるので、トラブルにならないよう祝い膳の有無はあらかじめ話題に出して、確認しておきましょう。
安産祈願のコツとして4つ目は、受付は社務所で行うことです。社務所とは、神社の付属施設として設けられている場所であり、また神職や巫女さんなど神社関係者が待機していて、守札や破魔矢、絵馬などが販売されています。
祈祷を受ける場合は、社務所で受付してくれるので、所定の申し込用紙に名前や住所など記入して申し込みましょう。
安産祈願のコツとして5つ目は、初穂料を入れる封筒を忘れないようにすることです。初穂料は、封筒に入れ袱紗という布に包んで持って行くのがマナーです。間違ってもお金をそのまま裸で渡したりしないようにしましょう。
封筒やのし袋に入れるときは、お札と封筒の表の向きが合うように気を付けましょう。水引は、赤と白、蝶結びになっているものを選び、封筒の表には「初穂料」と書き、その下には家長の名前を書きます。
戌の日の安産祈願や安産祈願で参拝するときのポイント5つについて紹介しました。
安産祈願は必ずしなければならないものではないので、体調に不安がある場合は無理に行く必要はありません。
安産祈願を戌の日にこだわりたい方もいますが、体調が悪い中、無理をするのはお腹の赤ちゃんにもよくないです。体調が安定したときに、家族みんなで心のこもった安産祈願を行いましょう。