親が花粉症なら生まれてきた赤ちゃんも花粉症なのではないか。そういう心配をする方も多くいらっしゃるかと思います。この記事では、もしも赤ちゃんが花粉症になったらしてあげられることや、花粉症を予防する方法等をご紹介していきます。
赤ちゃんについては、何歳からという明確な定義はありませんが、この記事では0歳~3歳までの子供について記述していきます。この記事を少しでも有効活用していただけたら幸いです。
花粉症とは、体内に入った花粉に対して身体が起こす免疫反応です。ですので、残念ながら、治ることはないといわれています。一般的に免疫反応は身体にとってよい反応ですが、免疫反応が過剰になり、生活に支障が出ることがあります。それが花粉症です。
花粉症と風邪はよく似ていますが、原因は異なります。花粉症は、過剰な免疫反応によっておきます。対して風邪は、空気中のウィルスが体内で炎症を起こすことによっておきます。
まぶたが腫れることも花粉に対する過剰な免疫反応の1つです。過剰な免疫反応が原因となる場合は、まぶたの腫れに目のかゆみを伴うことがほとんどで、目が充血しまぶたが腫れます。涙目になるのは、目の花粉を目から押し流そうとしているのです。
赤ちゃんの花粉症は目のかゆみがあるかないかで判断することが多いようです。目の周りに傷がないか、目やには多いか等、気を付けてみてあげましょう。
花粉症は過剰な免疫反応によって引き起こされます。連続して出るくしゃみもそれによるものです。
人間の粘膜にある細胞では、花粉が体内に入るとすぐ排除しようと「ヒスタミン」と言われる成分が放出されます。それを過剰分泌するので、知覚神経を刺激し、連続するくしゃみの原因となります。
また風邪等の、やや粘性が高い鼻水とは違い、花粉症は粘性がなくサラサラした鼻水が止まらずに出る特徴もあります。
花粉が飛散するタイミングや気象条件を知っておくことで、適切な花粉症対策ができます。それは大人にも言えることで、赤ちゃんから大人まで、しっかりと対策しましょう。
まず、花粉が飛散しやすい天気は、晴れた日、雨の次の日、風が強い日の3つです。晴れた日で特に注意が必要なのが、最高気温が高く湿度が低い時です。雨が降ると花粉の飛散は落ち着きますが、雨が降った次の日が良く晴れた日は要注意です。
ここからは赤ちゃんの花粉症を発症する原因について記述していきます。ここでは、主な原因について、3つ挙げていきます。気になる遺伝の話や環境による話、花粉の種類も出てきますが、ここで挙げるのは、ほんの一握りです。
皆さん知っている項目ばかりかもしれません。ですが、知らない情報が埋もれているかもしれません。こちらも是非チェックしていってください。
花粉症というより、アレルギー体質が遺伝します。両親が花粉症の場合が一番確率が高いといわれていますが、父親のみより母親のみの方が確率が高くなっています。
ただし、アレルギー体質が遺伝するのであって、花粉症が遺伝するわけではありません。親が花粉症でも子供が別のアレルギー体質だったり、発症しなかったりする場合もあるからです。
花粉症は遺伝だけではなく、住む地域の環境にも左右されます。遺伝による花粉症発症率が一番高いものでも50%を割りますので、ひょっとしたらこちらの方が確率的には高いかもしれません。
主な花粉症の原因となるスギ花粉とヒノキ花粉の2つを取り上げて記述していきます。しかし、こちらで記述しない花粉でも、シラカンバ、イネ、ブタクサ、ヨモギ、カナムグラと花粉症を発症させる植物が多くあります。お気を付けください。
日本でとても多い花粉症の原因です。スギは1本の木に雄花と雌花が両方咲き、風で花粉を運びます。
飛散時期は地域によって若干異なりますが、主に2~4月、3月上旬あたりがピークになります。飛散量は、前年の夏の気象が大きく関わり、日照時間が長い、降水量が少ない、気温が高い、と条件がそろった夏の翌年は、花粉の飛散量が多いといわれています。
スギ花粉より遅れて飛散する花粉です。飛散時期は3~5月です。スギと同じく雄花と雌花が1本の木に咲き、風で花粉を飛ばします。ただし、近年では同時期に飛散するようになり、地域によってはスギよりヒノキの花粉の方が多いこともあります。
スギ花粉症とヒノキ花粉症の症状は同じです。ですから、同時期に飛散するようになったスギ花粉症とヒノキ花粉症の両方を持っている人は重症化しやすい傾向にあります。
赤ちゃんが花粉症にならないためにはどうすればよいのでしょうか。これまでの記事で花粉症の原因や症状を見てきました。今度はそれに対する対抗策を講じなければいけません。
ここからは赤ちゃんの花粉症を予防する方法を、6つ記述していきます。大人が赤ちゃんの様子をしっかり観察して、適切な対策を取ってあげましょう。
インフルエンザには加湿が有効と聞きますが、実は花粉症にも有効な手段だといわれています。室内が乾燥していると、花粉が蔓延しやすくなるからです。
喉や鼻、目の粘膜が傷つきやすくもなるので、花粉症悪化の原因になります。そのため、ある程度の湿度を保って粘膜の働きを正常に保つことが必要です。
また、花粉を除去するのに空気清浄機も有効です。ただし、空気清浄機によって花粉対策の効果が違いますので、効果が高いタイプを選びましょう。
花粉を取るためには、掃除をこまめにすることが大切です。カビやハウスダストにも影響を受けやすくなっている場合があるので、そういう物質を避けるためにも掃除はこまめにしましょう。
花粉、ホコリ、ダニ等が溜まらない家具選びをすることも大切です。
花粉症の時期、いつ赤ちゃんをお散歩に連れ出せば症状がひどくならないのでしょうか。親にとって、それは重要な事でしょう。
基本的に花粉症は1日中とんでいますが、午前中が比較的飛散量が少ないです。花粉を飛散させる植物の多くは山にあり、山から住宅街や都市部へ飛んでくるまでにはタイムラグがあり、それによって午前中が飛散量が少ないのです。
赤ちゃんをお散歩に連れ出す時や、外出が必要な時は、午前中に済ませましょう。
長時間外に出している洗濯物には、花粉がたくさんついており、洗濯物を取り込むことで部屋が花粉が多い状態になってしまいます。
それを避ける為に、花粉の多い時期は室内干しをするようにしましょう。外に干した場合は、よく叩いてから取り込むようにしましょう。
特に赤ちゃんは免疫力も弱いので、家の中に花粉を持ち込まないことが重要です。花粉は外を舞っているイメージが多いですが、衣類にもくっついています。
その場合、ナイロン素材などの表面がつるっとした服の方が花粉がくっつきにくく、またはらいやすいといわれていますのでナイロン素材を選びましょう。
赤ちゃんの花粉症対策が気になる方は、床や畳に直接布団を敷かずにベビーベッドで寝かせてあげましょう。アレルギー源は、基本的に床に落ち、床から30cm以内に高密度で浮遊しています。
そのため、床や畳に直接布団で寝かせるよりベッドで寝かせる方が大量の花粉やハウスダストを睡眠中に吸い込まずに済むでしょう。
ベビーベッドも床板の高いハイタイプのものを選び、そしてベビーベッドを使っても、布団はこまめに洗濯するようにしましょう。
花粉症といっても、重症化すればそれなりに危険が伴う病気です。それは風邪等の病気も一緒なのですが、しっかりと赤ちゃんの様子を観察して赤ちゃんの異変を察知し、危険を回避するためにはあらかじめ注意点を押さえておくことが重要です。
ここからは赤ちゃんの花粉症の注意点、2つを記述していきます。
日中の眠気やだるさも花粉症の症状の1つです。特に、鼻づまりによる睡眠不足は赤ちゃんには重要な問題です。赤ちゃんは寝て体力回復をしたり、成長を促進させます。
しかし、花粉症の症状で、寝つきが悪かったり、途中で目覚めてしまったりと十分な睡眠が取れなくなるでしょう。
鼻づまりにより取り入れる酸素量が減少し、脳が酸欠状態になって機能が低下し、眠気を引き起こします。そして途中で目覚めてしまう悪循環が生まれてしまうのです。
花粉症だけでも辛いのに、さらに別の病気を併発してしまうこともあるようです。併発してしまう病気は4つあり、副鼻腔炎、気管支喘息、OAS(口腔アレルギー症候群)、インフルエンザです。
これらはどれも花粉症の症状と似ているようなので、注意して見ていてあげる必要があります。
いざ赤ちゃんが花粉症に罹った場合の病院、診療科はどこに行けばいいのか悩む人も多いでしょう。小児科、耳鼻科がいいのか他の専門医がいいのかと迷ってしまいます。
ここではこの3つのそれぞれの診断の仕方について記述していきます。自分や赤ちゃんに合った病院、診療科を選びましょう。
赤ちゃんの病気を診てもらうことになったら、まず浮かぶのが小児科でしょう。一般的な治療は、薬での治療になりますので小児科で問題ないでしょう。
ただし、小児科は子供の病気を包括的にこなす診療科なので、重度の花粉症に対しては、一番症状がひどい診療科を選んで受診した方がよいでしょう。
鼻腔内観察・鼻汁検査・アレルギー検査を行うなら、耳鼻科・耳鼻咽喉科が適しています。
花粉症だけでなく、他の合併症が併発しているケースもあるため、特に鼻水やくしゃみ、咳がひどい時は耳鼻科を受診するのがよいでしょう。ただし、赤ちゃんの専門医ではないので、電話などで事前に受診する赤ちゃんの年齢を申告して対応可能か聞いておいた方がよいでしょう。
他にも、花粉症の専門なら眼科・呼吸器科・皮膚科・アレルギー専門の医療機関です。赤ちゃんが花粉症になった症状で一番ひどい診療科を選んで受診しましょう。
アレルギー専門の医療機関が近くあれば、受診するのも1つですが、「アレルギー専門(アレルギー疾患だけを診察治療する)」医療機関は、非常に少ないです。また、そういった医療機関でも赤ちゃんの対応はしているか事前に聞いておいた方がよいでしょう。
これまで赤ちゃんの花粉症について記述してきました。症状自体は大人と大差ないことが分かったかと思います。
しかし、赤ちゃんは言葉などで上手く伝えることが難しいでしょう。そこは大人がきちんと観察をして、適切な予防や治療をしてあげましょう。