今回は、妊娠中の体重増加の目安、体重増加しすぎないための対策法5つについて紹介していきます。妊娠してから急に体重が増えてしまった、と慌てる方もいるのではないでしょうか。
ひと月で5キロ増えてしまったという場合は考えものですが、妊娠中の体重増加は、胎児の成長によるものなので、体重の増加は自然なことといえます。胎児に必要な胎盤の成長や、羊水・皮下脂肪・血液が増えていくのに比例して体重は増加していきます。
はじめに、妊娠中の目標体重について紹介していきます。妊娠中の目標体重として、痩せ気味な体重の数値・適正な体重の数値・太り気味な体重の数値、について知っていきましょう。
妊娠中の体重は妊娠が経過していく時期によって異なり、妊娠したときの体型が痩せ型か、適正体重か、太り気味かにもよって適正な体重も変わります。体格の基準はBMI値(BMI値=妊娠前の体重(kg)÷ 身長(m)2)によって算出されます。
BMI値は体重と身長から算出される肥満度を表す体格指数ですが、この値が18.5未満の場合は痩せ気味な体重に該当します。
例えば、妊娠前の体重が48kg、身長が162cmの方であれば、48(kg)÷1.62(m)2 =約18.29で痩せ気味な体重になります。痩せ気味な体重の方が妊娠した場合、推奨されているトータル的な体重増加量は出産前までに9~12kg、一週間当たりでは0.3~0.5kgとされています。
BMI値が18.5~25.0の場合は適正な体重に該当します。例えば、妊娠前の体重が50kg、身長が162cmの方であれば、50(kg)÷1.62(m)2 =約19.05で適正な体重になります。
適正な体重の方が妊娠した場合は、推奨されているトータル的な体重増加量は出産前までに7~12kgであり、一週間当たりでは0.3~0.5kgとされています。
BMI値が25.0以上の場合は太り気味な体重に該当します。例えば、妊娠前の体重が75kg、身長が162cmの方は、75(kg)÷1.62(m)2 =約28.58で太り気味な体重になります。
とはいえ、BMI値が25.0以上といっても、適正な体重に近い方もいます。太り気味な体重の方が妊娠した場合、トータル的な体重増加量・一週間当たりの増加量も個人差があるため個別対応になります。医師の指示を仰ぎましょう。
妊娠中の目標体重として妊娠初期の場合は、お腹の赤ちゃんがまだ小さいかどうかで体重増加の変化を枠にあてはめて考えることは難しいでしょう。
つわりは個人差がありますが、妊娠が原因で吐き気を催して食事が上手くとれなくなったり、食べても吐いてしまうことで元の体重より5kg以上減ってしまった、という人も出てきます。そのため妊娠初期の体重管理は、各個人での対応と方針を厚生労働省は打ち出しています。
妊娠中の目標体重として妊娠中期~後期の場合は、基本的に一週間の体重増加量は0.3~0.5kgが望ましいと厚生労働省から基準が出ています。
ただ、この数値は妊娠前のBMI値が25.0未満の、痩せ気味な体重~適正な体重のかたに限ります。妊娠前のBMI値が25.0以上、太り気味な方の場合は個別に適正増加量を見る必要があるので医師との相談になります。
次は、妊娠中に体重増加しすぎないための対策法5つについて紹介していきます。妊娠中に体重の増加を防ぐ対策法には、摂取するカロリーに注意する・食事の塩分に注意する・食事の量を減らす・ストレスをためすぎない・継続的に運動をする、などがあります。
食事の量や内容について改善する場合は、ストレスの原因につながってしまうと暴飲暴食を招くことにもなるので、無理のない範囲を考えることも必要になるでしょう。
体重増加の対策法として1つ目は、摂取するカロリーに注意することです。成人女性の1日の推定エネルギー必要量2,000kcal前後ですが、妊娠の経過によってカロリー摂取量も変化します。
妊娠した場合の1日のカロリー摂取量は、厚生労働省が発表している「エネルギー摂取基準」によると以下の通りです。
・妊娠初期 2050kcal
・妊娠中期 2250kcal
・妊娠後期 2500kcal
体重増加の対策法として2つ目は、食事の塩分に注意することが大切です。人は、塩分を取りすぎてしまうことで、血中の塩分濃度を下げようとする働きから水分を溜め込んで身体がむくむ傾向にあります。
妊婦の場合は、妊娠していない時に比べてむくみやすいので注意が必要です。厚生労働省では、妊娠中の塩分摂取量は、10g以下が目安とされています。
体重増加の対策法として3つ目は、食事の量を減らすことです。妊娠中につわりで物がたべれなくなってしまう方もいれば、食欲が急激に増してしまうという方もいます。
また、「食べつわり」といって、空腹になると気持ち悪くなる症状もあり、空腹にならないように食べてつわりを回避する人も出てきます。
食べ過ぎれば体重増加の危険性は上がるので、定期的に体重計に乗り、食事の量を気をつけていく必要があるでしょう。
体重増加の対策法として4つ目は、ストレスをためすぎないことです。妊娠中には、つわりから来る体の不調や、お腹の赤ちゃんのために食事内容を制限することもあるので余計にストレスが溜まってしまう部分があります。
ストレスを溜めすぎると暴飲暴食に走ってしまうこともあり、体重増加の対策としてストレスをいかに回避するかは重要です。お風呂につかったり、十分な睡眠を心がけたり、自分なりのストレス解消法を探しましょう。
体重増加の対策法として5つ目は、継続的に運動をすることです。妊娠した途端、つわりの影響もありそれまで行っていた運動を辞めてしまうという人もいるでしょう。
激しい運動は控えるべきですが、無理のない範囲であれば、体重増加の対策として運動は効果的です。毎日継続的に運動を続けることで、血行促進、むくみ対策にもなるでしょう。ウォーキング・マタニティヨガ・マタニティスイミングなどがおすすめです。
最後に、妊娠中に体重減少しすぎないための対策法3つについて紹介します。妊娠中の体重増加を気にしすぎたことで、体重が思うように増えず減少傾向に向かってしまったというケースもあります。
妊娠中に体重減少しすぎないための対策法には、食事を制限しすぎない・運動をする・病院へ行く、という方法があります。妊娠中なのに体重が減ってしまうとお腹の赤ちゃんの成長に影響するので注意しましょう。
体重減少しすぎないための対策法として1つ目は、食事を制限しすぎないことです。食事制限をしすぎてしまうと、早産の危険性や遺伝子のプログラミングに変異が起こり、子供が太りやすい体質になってしまう確率を高めます。
妊娠中に太ることはお腹の赤ちゃんがいるので当たり前なことです。太ることを恐れて食事制限しすぎないよう、妊娠中の目標体重についてはしっかりと頭に入れておきましょう。
体重減少しすぎないための対策法として2つ目は、運動をすることです。運動すると脂肪を燃焼させ、さらに痩せるイメージがありますが、適度な運動によって筋力アップになり、体重が減りすぎないよう体をコントロールすることが可能です。
運動することで食欲増進にもつながるので、まずは近所の散歩からはじめてみても良いでしょう。気分のリフレッシュにもつながり、食欲が自然に湧いてくることもあります。
体重減少しすぎないための対策法として3つ目は、病院に行くことです。人によっては出産間際までつわりに悩まされてしまうこともあり、つわりで体重が減少してしまうことがあるでしょう。
理由もなく体重減少しすぎてしまう場合は特に注意が必要で、何かしらの病気の可能性も考えられます。どちらの場合も体重減少は胎児にも影響があるので、専門家である医師に相談しましょう。
妊娠中の体重増加の目安とはどの程度か、体重増加しすぎないための対策法5つについて紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
体重が増加してしまうと、赤ちゃんが大きくなりすぎて、難産になる確率があがったり、出産の際に微弱陣痛になったりしやすいなどリスクが伴います。
健康的な赤ちゃんがお腹で育ち、元気に生まれてくるためにも、妊娠中は適度な体重増加かどうかこまめにチェックし管理していきましょう。