子育て支援員とは?
子育て支援員とは、平成24年の子ども・子育て支援法に基づいて行われている子育て支援員事業において、各都道府県での研修を終了して子育て支援員研修終了証書を授与された人のことを言います。
保育士との違い
子育て支援員は国が定めた研修を終了するだけで認定されるものですが、保育士は児童福祉法に基づいて国家資格になります。
保育士になるには、養成学校で保育士試験を受験し合格する方法があります。
保育士不足の解消が目的
子ども支援員がいると、地域によって保育士が不足しがちな時間帯に保育を担うことができます。保育所にはきまりがあり、厚生労働省令によって、人数が決まっています。
保育士の数が施設によって足りない時間帯など、特例として子ども支援員を配置することで保育所で子供の保育を行うことができます。
子育て支援員の仕事
子育て支援員の主な仕事は、保育士の代替要員としての仕事です。
子育て支援員が活躍するのは保育園などのような施設だけではありません。仕事が忙しくて休むことができない保護者の代わりに、保育園が閉園している時間帯に一時的に子供を預かって世話をすることもあります。
保育に関する補助的な作業
子育て支援員の仕事は、保育士の仕事とあまり変わりはありません。ただし、保育士の代替要員として、保育園で働くことがあります。
保育士が不足している時間帯に子育て支援員が働くことは特例として認められており、保育士の補助的な仕事が中心になります。
子育て経験者は貴重な存在
子育て支援員は、待機児童問題や勤務が過酷な保育士の代替としてできた制度という側面があります。未就学児や低学年の子供の世話をする仕事のため、子育てを経験している方は貴重な存在となります。
親として子どもを育てたことがないとしても、学習塾などで子供に接したりする機会がある人は、子育て支援員向きの人材と言えます。
子育て支援員になるには
子どもが大好きな人や子育ての経験があり子供と接する仕事をしたいという人にとって、子育て支援員という仕事は魅力的です。では、もしあなたが子育て支援員になりたい場合は、どのようにするとなることができるのでしょうか。
ここからは、子育て支援員になるための方法について簡単に説明をしていきます。
各自治体の研修を受講する
子育て支援員になりたい場合は、研修を受ける必要があります。子育て支援員になるための研修は、大きく分けて4コースあります。
どのコースも基本研修8科目8時間を受けた上に、それぞれのコースに合わせた専門研修を受講する必要があります。必要な科目及び学習時間は専門研修コースによってばらばらです。
すべての研修を受講したあとに修了証書が発行されて子育て支援員と認定されます。
受講資格は特にない
子育て支援員になるための研修を受講するにあたり特別な資格は必要ありません。政府が子育て支援員として望ましいと思っているのは、子どもを育てることや子育て支援に関心がある人です。
子育て支援事業のそれぞれの事業に従事を希望している人ならば、誰でも受講が可能です。
子育て支援員が働ける9つの場所
必要な研修を終えて子育て支援員として認定されている方々は、どのような場所で働くことができるのでしょうか。
子育て支援員が従事することができる9つの場所について項目別に説明していきます。
働ける場所1:保育所
保育所では子供の世話をする保育士が不足しているという現状があります。そのために、子ども・子育て支援新制度ができました。保育園は保育士でないと以前は勤務ができない職場でした。
制度のおかげで、保育士が不足していたり、朝、夜の時間帯など保育士が不足しがちな時間に保育士のサポートをするために子育て支援員が勤務することができます。
働ける場所2:小規模保育所
子育て支援員が働ける場所の1つに、保育所があります。
子育て支援員の研修で基本研修を終えた後に、保育所での勤務を考えている場合は、地域保育コース地域型保育を選択して受講を続けましょう。
地域保育コースの中には、地域型保育として小規模保育事業が含まれており、保育所で勤務するのに必要な6科目を2日以上に渡り研修を受けます。
働ける場所3:事業所内保育
子育て支援員の地域保育コースを受講すると事業所内保育に関する専門研修を6科目受講します。
事業所内保育事業で保育士が不足している時に、サポートとして子育て支援員が働くことができます。
事業所内保育事業とは、0歳から3歳までの子供を対象とした保育所で、事業所の従業員の子供と地域で保育が必要な子供向けに開所している保育所のことを指し、このような保育所で子育て支援員は働くことができます。
働ける場所4:学童保育施設
子育て支援員が働くことができる場所の1つに、放課後児童クラブと呼ばれている場所があり、こちらでの勤務は基本研修の後に、6科目9時間の放課後児童コースの専門研修があります。
放課後児童クラブは6歳~12歳の児童が対象で、授業終了後に子供の世話を家庭の事情でできない場合に育成を支援する場所です。学童保育施設という名前が広く浸透していますが、法律上の正式名称は、「放課後児童健全育成事業」です。
働ける場所5:一時保育施設
子育て支援員が働くことができる場所の1つに一時保育施設があります。地域保育コースを受講すると専門研修を受けることができます。
この一時預かり事業というのは、保育所等を利用していない家庭でも、保護者が入院した、子育てに疲れたなどのさまざまな理由で子供の世話ができない時に一時的に子供の支援をしてもらえる制度です。
働ける場所6:乳児院・児童養護施設
子育て支援員が働くことができる場所の1つに、乳児院・児童養護施設があります。
この施設で補助的職員として勤務を希望の場合は、子育て支援研修の社会的擁護コースで9科目11時間の専門研修を受講します。
乳児院児童養護施設とは、保護者がいない子ども、または保護者はいるが子どもの世話ができない場合に養育を支援する施設です。そのような場所で子供の世話をするスタッフとして働くことができます。
働ける場所7:ファミリーサポートセンター
基本研修を終えた後に、地域保育コースでファミリーサポートセンター事業の専門研修を6.5時間ほど受けると、子育て支援員としてファミリーサポートセンターで仕事をすることができます。
ファミリーサポートセンター事業というのは、各市町村にあるファミリーサポートの会員に登録して、ファミリーサポーターを探している各家庭に行き子どもの支援をしたりすることです。
働ける場所8:家庭的保育施設
基本研修受講後に、地域保育コースで地域型保育・家庭的保育事業を受講すると子育て支援員として家庭的保育施設での勤務が可能になります。
家庭的保育施設というのは、児童福祉法に基づき作られている公的な保育施設で、各市町村から認可を受けています。
この施設では、0~2歳児を対象に世話をしており職員数は3:1の割合で配置する必要があり、家庭的保育補助者として子育て支援員が働く場合は5:2勤務となります。
働ける場所9:自治体窓口・保健センターなど
子育て支援員として働くことができる場所の1つに、自治体窓口や保険センターなどがあります。
基本研修を終えた後に地域子育て支援コースで専門のコースを受講することで、市町村の行政窓口や保健所、保険センターで子供を預ける場所を探している保護者と利用できる施設を紹介するなどの仕事ができます。
子育て支援員は保育士へのステップにもなる
保育士は指定された養成機関で習得すべき学習を終えた後に、国家試験に合格をしないとなれない職業です。
一方で保育園で保育士の補助をできる子育て支援員は、ある意味保育士に最も近い存在ですが受講のみなので、保育士よりも子育て支援員になるのはハードルが低いといえます。
保育士になりたいという希望がある場合は、子育て支援員として保育園に就職して働きながら保育士を目指してみるのもよいでしょう。
子育て支援員の研修を受けて子育て支援を始めてみよう
子育てを終えた人を想定して政府が保育士不足や待機児童問題を解消するために考えた子育て支援員という仕組みですが、保育士として働いてみたいという人にとっても職業を知るよいきっかけとなります。
地域で子供を育てることや、待機児童問題、保育士などに関心がある人は、受講資格に制限がなく国家資格も不要な子育て支援員になることから始めてみてはいかがでしょう。