結婚祝いのお返し「内祝い」は、披露宴など出席できなかった人などから、お祝いをいただいた場合に、お礼として送ります。
特に、結婚式や披露宴に列席できなかった人に対しては、いつまでに贈れば良いのか、いただいた金額に対し、いくら分の品物をお返ししたらいいか、何を選べばいいのかなど、悩む人も少なくありません。以下、お返しのマナーやルールについて解説しましょう。
結婚祝いは挙式や披露宴の有無を問わず、さまざまなタイミングや形式でいただきます。結婚式で、ご祝儀としていただく場合もあります。また、結婚式に列席できなかった人から、結婚式の前後に貰う場合、あるいは挙式しなくても、入籍日前後にいただく場合もあります。
早く貰った場合や連名で貰った場合、あるいは挙式せずに、貰った場合など5つのパターンに応じた、お返しのマナーについて解説します。
一般的に、結婚式の1ヶ月前から1週間前に結婚祝いが贈られます。中には、婚約発表直後などのように、1ヶ月以上前の早い段階でいただく場合などもあります。
結婚式よりも1ヶ月以上早い時期に、結婚祝いをいただいた場合は、挙式前に、お返しをしても問題はありません。どうしても、挙式後にお返しをしたい時は、電話やお礼状などで事前に感謝の気持ちを伝えましょう。それに併せて挙式後に、お返しをすることも伝えましょう。
結婚祝いをいただくパターンの中には、職場の人達や友人達など、複数の人から、連名でいただくこともあります。そのような場合、誰にどのような形で、お返しをすればいいのか迷う人もいるかもしれません。
連名でいただいた場合のお返しは、お祝いの金額を人数で割り、その金額の半分程度の品物を、それぞれの人に個別に贈るようにしましょう。ただし、代表者ひとりへのお返しや、シェアできるものを、ひと箱渡す形は避けましょう。
最近の結婚のスタイルの中には、入籍だけして挙式はしない、いわゆる「ナシ婚」という形もあります。「ナシ婚」であっても、祝儀をいただいくばかりでは、マナーに反します。
ナシ婚で結婚祝いをいただいた場合は、入籍日から、1ヶ月以内を目安に、お返しの品物を贈るようにしましょう。
ただし、お祝いが高価なものの場合、お返しをしてかえって相手に気を遣わせることもあるので、注意しましょう。
結婚祝いをいただいても、結婚披露宴へ出席し、引き出物をお渡しした場合や、いただいた品物が少額だった場合などは、お返しをしなくても問題はありません。
披露宴へ招待している場合は、引き出物や料理でのおもてなしが、結婚祝いへのお返しとなります。また、いただいた物が少額の場合は、かえって相手に気を遣わせてしまうことも考えられます。その他、会社の福利厚生の一環として、結婚祝いを受け取る場合もお返しは不要です。
結婚祝いをいただいたが、何らかの事情で、お返しが遅くなってしまう場合もあるのではないでしょうか。お返しが遅くなった場合、遅れていることに気づいた地点で、できるだけ早くお返しを贈るようにしましょう。
お返しを贈る前には、お詫びの言葉とお返しを贈ったことを、前もって連絡するようにしましょう。また、お返しの品を贈る際には、お詫びの言葉を書き添えた手書きのお礼状を添えると、より誠意が伝わりやすいでしょう。
結婚祝いのお返しである内祝いを、贈る場合にも守るべきマナーがあり、中でも贈る時期や品物の金額、相手への渡し方は特に注意しましょう。
お祝いを貰ってお返しをする場合の時期はいつまでがいいのか、貰ったお祝いに対してお返しに使うべき金額はいくらが適しているのか、また、お渡しする時はどのようにすればよいのかなど、内祝いのマナーを知らないひともいるかもしれません。
次に、内祝いで守るべきマナー3つについて解説します。
結婚祝いのお返しを贈る時期は、挙式後1ヶ月以内、もしくは挙式しない場合は、結婚祝いをいただいてから1ヶ月以内に贈るのがマナーです。
何らかの事情により、1ヶ月以上過ぎてからお返しを贈ることになった場合は、「結婚祝いのお返しマナー5選」の「お返しが遅くなった場合」を参照に、相手に対して、不快感を持たせないようにお返しをしましょう。
結婚祝いのお返しの相場は、いただいたお祝いの半分から1/3が目安とされています。
お祝いの半返しが日本の一般的な風習ですが、目上の人などから多額のお祝いをいただいた場合、半返しにこだわりお返しが高額になると逆に気を遣わせてしまいます。そのため、1/3程度に留めた上で、感謝の気持ちを十分に伝えるようにしましょう。
また、目下の人からお祝いをいただいた場合は、同額程度のお返しを心掛けましょう。
お返しは夫婦で、結婚祝いを貰った人の元へ直接出向き、手渡しで渡すのが基本的なマナーです。お返しを渡す相手が結婚披露宴に招待していない人ならば、当日の写真を持参して見せたりしましょう。その時の、エピソードを話すなどすれば、よりお礼の気持ちが伝わりやすくなります。
居住地より遠方に住む相手など、直接出向いて渡すことが難しい場合は、お返しの品物だけでなく、別添えでお礼の手紙を贈るようにしましょう。
お返しをしなくてもいい場合は、例外として、結婚祝いをいただいてから、贈り主へお礼をするまでの段取りは、お返しの贈り忘れを防ぐ上で重要なことです。
また、挙式しなかった場合は、相手によって結婚祝いをいただいた時期がそれぞれに違うことが多いので、「1ヶ月以内」という目安を逃さないためにも、記録しておくことは不可欠となります。それでは、結婚祝いを貰ってから相手にお返しを贈るまでの流れをみていきましょう。
最初に行うのは、結婚祝いの中身を確認し、贈り主に対していただいたお礼をすることです。その際に、感謝の言葉と一緒にいただいた物の感想なども、一緒に添えると、相手に感謝の気持ちが伝わりやすくなります。
また、手渡しでいただいたときは、必ずその場でお礼を伝えるようにしましょう。年齢によっては、メールでのお礼を失礼に感じる人もいます。避けた方が無難です。
結婚内祝いを贈るのは、忘れないうちに、いつ・誰から・何を(あるいは金額)いただいたのか、リストを作成しておくようにしましょう。
住所や連絡先、披露宴へ招待したか否かも併せて記入しておきます。また、作成したリストは、お返しを贈ったことをチェックできるように作り、自分自身が相手にいつ何を贈ったのかも併記しておくと、贈り忘れも防げます。
結婚祝いをいただいた相手に、お返しすべき金額の目安は、把握しておく必要があり、いただいた品物の金額は必ず調べましょう。もしかしたら、いただいた品物の金額を調べるのは、失礼ではないかと思うかも知れません。
しかし、半返しにするか、1/3のお返しとするのか、あるいはお返しは不要なのかの判断材料にもなります。ただし、正確な金額を調べなくても、およその金額でも問題はありません。また、調べるタイミングは、お礼の電話をする前後くらいのタイミングで良いでしょう。
昔ならば結婚式に出席できなかった人であっても、結婚祝いのお返しには、結婚式の引き出物をそのまま渡すのが一般的です。しかし、現代では、相手の家族構成や好みなどを考えた内祝いを贈る形が主流となっています。
しかし、家族構成はともかく、相手の好みを把握することが難しい場合も少なくありません。好みがわからない場合や何を贈ればいいのか迷った場合などは、次にあげる、お返しに人気の品物3品の中から選ぶと良いでしょう。
結婚祝いのお返しとして、人気の高いとされるのが、カタログギフトです。贈る側が、お返しの品物に迷った場合に便利なだけでなく、貰う側にとっても欲しいものが選べるメリットがあり、双方にとって使い勝手の良さが人気となっています。
また、遠方に住む人へのお返しに使う場合でも、送料が比較的安価で済む点や食品にある賞味期限などを、気にしなくても済む点などの利点もあります。
タオルや食器などの日用品も、結婚祝いのお返しとして人気の品物です。特にタオルは、割れてしまう心配もなく、「今治タオル」のように日本製で、上質なイメージがあり、お返しの品として適しています。
また、「感謝のしるしとして金額的に丁度よかった」とする意見や、「自分では使わない質の良いものを贈りたかった」として品質の良いタオルを贈る例なども見受けられます。
食品ものは、保管場所にも困らないため、贈る側にとって気軽に送ることができます。中でも、普段自分が食べないような高級ギフトや、見た目がカワイイパッケージのスイーツなどがあります。
そのほか、貰った人に喜ばれるアイテムもたくさんあります。ただ、食品には賞味期限が必ずあるので、贈る時には注意が必要です。賞味期限の極端に短いものは避け、内祝いらしい華やかものを選びましょう。
結婚祝いのお返しに不向きなのは、縁起の悪い言葉を連想させるものや現金、高価すぎるもの若しくは安価過ぎるものなどが挙げられます。
縁起の悪いものは、縁切りを連想させる刃物、「苦」や「死」を連想させる櫛、別れや手切れを連想させるハンカチなどがあります。
また、高価すぎるものは逆に相手に気を遣わせてしまいます。安価過ぎるものは、かえって相手に失礼となってしまうので、避けた方が良いでしょう。
内祝いは本来、「お祝いごとの記念として、幸せや喜びを分かち合うための贈り物」といういみがありました。現代では、貰いっぱなしでは良くないとして「お返し」の意味合いとしての「内祝い」の方が強くなっています。
選び贈るのならば、相手に喜ばれるものを贈るのか一番です。そして、自分たちだけなく、幸せや喜びを、ともに分かち合ってもらいたいと言う気持ちを込めて、お返しを贈るように心がけをしましょう。