結婚式はふたりの門出をお祝いしてもらうだけでなく、お世話になった人たちに感謝の気持ちを伝える場でもあります。
新郎新婦は、ゲストが心から楽しめるように、常におもてなしの心を意識した立ち振る舞いやマナーを心がけましょう。
この記事では、ゲストと一緒に思い出に残る素敵な結婚式を過ごせるよう、様々なシーンでの新郎新婦の立ち振る舞いやマナーを紹介していきます。
結婚式ではゲストの視線が新郎新婦に集中します。そのため、普段何気なく行うような基本的な立ち振る舞いも、一つひとつ意識して行う必要があります。
ここでは基本的な立ち振る舞いである、座り方・歩き方・お辞儀のマナーを紹介していきます。それぞれの動きに、ゲストへの思いやりの気持ちを込めるつもりで行うといいでしょう。
座るときのポイントは、背筋をしっかりと伸ばして、椅子に浅く腰掛けることです。
なぜなら、ウェディングドレスは背中側に装飾がついていることも多く、和装の場合は帯があります。ドレスにしわが寄ってしまったり、着くずれしてしまったりすることがあるため、深く腰掛けるのはやめましょう。
さらにスピーチ・余興などを行うゲストからは、横から見られることになります。背もたれに寄りかからないように注意しましょう。
歩く時には新郎新婦が横に並ぶのではなく、新郎が半歩先を歩き、新婦をリードするのがポイントです。
こうすることで、新郎が新婦のドレスの裾をうっかり踏んでしまう、というトラブルも防ぐことができます。
また「ドレスは蹴るように歩く」と言われることがあり、つい力が入ってしまう花嫁さんを見かけることもあるかもしれません。イメージが湧きにくい場合は、足元にある布をどかせて、かかとから着地するような感覚で歩くと、ゲストから上品に見られるでしょう。
お辞儀をするときは背筋をしっかりと伸ばし、腰から身体を折るようなイメージで行うのがポイントです。
しかし、ドレスの場合はデコルテがあいているデザインも多いので、あまり深く身体を倒し過ぎないように気を付けましょう。会釈をするくらいの角度を意識するのがベターです。
また新郎新婦でお辞儀のタイミングや角度がそろっていると美しく見えます。ピッタリそろえるのは難しいですが、お互いがそろうように意識してみてはいかがでしょうか。
新郎新婦は結婚式の主役であるとともに、ゲストをおもてなしするホストとしての重大な役割があることを忘れてはいけません。
それまでたくさんお世話になったゲストに、きちんと感謝の気持ちを伝えられるよう、最低限のマナーを覚えておきましょう。
ここでは結婚式のプログラム別に、新郎新婦がとるべきマナーを詳しく紹介していきます。
入場シーンでは、新郎新婦はまず扉の前でスタンバイします。
このときしっかり姿勢を正し、新郎の腕に新婦が手を軽く沿える程度に腕を組みます。腕を絡ませすぎないようにするのがポイントです。
扉が開いたら二人一緒に前に進み、ゲストに向けて一礼します。頭から腰までを一直線にするイメージで、猫背にならないように注意しましょう。
結婚式では主賓や友人代表など、ゲストからお祝いの言葉をいただく場面が多くあります。
祝辞の時、新郎新婦は一度起立し、「どうぞおかけください」と言われてから席に着くのが一般的なマナーです。席についた後は、スピーチをしているゲストに、しっかり上半身を向けて話を聞きましょう。
祝辞が終わったら再び起立してから礼をします。笑顔と拍手で、感謝の気持ちを忘れずに伝えましょう。
乾杯の時にはグラスを持って起立します。このとき新婦は、もう片方の手をグラスの底に添えると品良く見えるでしょう。
乾杯の時はグラスを上げすぎないよう、胸元から目の高さあたりを目安に動かします。また、グラスを触れさせずに近づけるだけにするのが正しいマナーです。
乾杯酒は、ひとくち口をつける程度にしておきましょう。
ケーキ入刀と言えば、結婚式でははずせない定番の演出と言えます。新郎がナイフを持ち、新婦がそっと手を添えてカットするスタイルが一般的です。
ゲストにとってケーキ入刀は絶好のシャッターチャンスです。新郎新婦は微笑みながら動きを止め、できる限り同じカメラを見るように意識しましょう。
事前にどの方向から視線を移動させていくのか、二人で話し合っておくのもいいでしょう。
歓談の時間には、新郎新婦のところにゲストが来てくれる場合もあります。この時できるだけ多くのゲストと会話ができるように、ペース配分に注意しましょう。
歓談の時間は、ゲストに感謝の気持ちを直接伝えられる貴重な時間ですが、新郎新婦も少しは食事もしたいものです。食事がしやすいように、事前にお願いして小さく切ってもらうのもおすすめです。
またゲストがお酌にきてくれる場合もありますが、飲みすぎないように注意が必要です。少し口を付けた後に、ゲストから見えないところで足元のバケツに、そっと流すことができる場合もありますので、事前に確認をしておきましょう。
余興のときはスピーチの時と同じく、新郎新婦そろって余興をしてくれている人の方に体を向けて楽しむのがマナーです。
このとき新郎新婦が大笑いしている姿は、決して上品とは言えません。拍手などもオーバーリアクションにならないよう気をつけましょう。
場合によっては、新郎新婦が余興への参加を誘われることもあるでしょう。ゲストが二人を祝福するために時間をかけて考えてくれたことに感謝し、恥ずかしい気持ちは忘れて存分に楽しみましょう。
披露宴の最後は、両家の代表からゲストに向けての感謝の言葉で締めくくります。新郎の父があいさつをすることが多いですが、その後に改めて新郎からあいさつをすることもあります。
新郎はしっかりと背筋を伸ばし、気持ちを落ち着け一言ひとことを大切に話すように心がけましょう。このとき新婦は、新郎の言葉を少しうなずくように聞くのがポイントです。
また新郎の父と新郎で内容が被らないように、事前に謝辞の内容をすり合わせておくと、当日焦らずにすみます。
退場の時にはゲストへの「ありがとう」の気持ちを目いっぱい込めて、一人ひとりと目を合わせながら、笑顔でドアの前まで進みましょう。ドアの前で振り返るときは、新郎新婦が背中を向けないように、内向きで振り返るようにします。
入場のときと比べてつい足早で歩いてしまうこともありますが、しっかりと背筋を伸ばし、最後までおもてなしの心も持って、ゆっくり歩くことを意識しましょう。
見送りの時には、新郎新婦がプチギフトを両手で渡しながら感謝の気持ちを伝えるのが一般的です。つい仲のいい友人と話し込んでしまいがちですが、他のゲストに考慮し、長話をしないよう注意しましょう。
話をしている最中に視線を外してしまうのは失礼にあたるので、目の前のゲスト一人ひとりに丁寧にお礼の気持ちを伝えましょう。
また、結婚式で一度も話せなかったというゲストがいるかもしれません。新郎新婦から積極的に「来てくれてありがとう」と声をかけるようにするといいでしょう。
新郎新婦がとるべき結婚式のマナーを学ぶのにおすすめなのが、「新郎新婦・両親 結婚の今どき常識&マナー」という本です。
この本は結婚式当日の立ち振る舞いだけでなく、顔合わせ・結納のマナーなど、結婚を決めた新郎新婦が知りたいことを全てまとめてくれた贅沢な一冊となっています。
文章だけでなくイラストや写真が多く使われていて、普段は本を読まない人にもおすすめです。
結婚式は一生に一度の晴れ舞台とも言える、思い出に残るイベントです。
ゲストからの視線が一気に集まる中、慣れないドレスでの立ち振る舞い、さらに結婚式のマナーまで意識しなければならないことに不安に感じる人もいるでしょう。
結婚式当日を素敵な思い出にできるように、ここでは結婚式でマナーを意識するときのポイントを紹介していきます。
結婚式でマナーを意識するときのポイントは、緊張しすぎないことです。
結婚式は一生に一度の晴れ舞台だからと緊張しすぎてしまうと、体に余計な力が入りぎこちない立ち振る舞いになってしまいます。
自然な立ち振る舞いをするためには、立っているときにはかかと、座っているときにはお尻、と体の一点に力を集中させるのがおすすめです。また「緊張して当然」と考え、緊張している自分を、そのまま受け入れてしまうのもいいでしょう。
結婚式でマナーを意識するために、事前にイメージトレーニングをするのもおすすめです。
プログラムごとの立ち振る舞いや、マナーを完璧にこなす自分を何度も想像することで、結婚式当日も自信をもって行動することができます。
例えば、毎日寝る前に結婚式でのマナーや立ち振る舞いをイメージトレーニングするなど、習慣化してしまうのもいいでしょう。
ここまで新郎新婦が結婚式でとるべきマナーについて、詳しく説明してきました。
お世話になったゲストに「ありがとう」の気持ちを伝えるためにも、結婚式のマナーはしっかりと確認しておきましょう。
覚えることが多くて心配な人もいるかもしれません。しかし新郎新婦の幸せそうな笑顔を見られることが、ゲストにとっても嬉しいのだということを忘れずに、結婚式にのぞみましょう。