そもそも「内祝い」とは何でしょうか。お祝いのお返しというイメージがありますが、本来の意味は違います。
内祝いとは、近親者だけで行うお祝い、または自分の家の祝い事の記念に、親しい人に贈り物をすることやその品物、喜びをお裾分けするという意味の言葉です。
現在は身内に限らず出産祝いを頂いたら、お返しの品に「内祝い」や「出産内祝い」と記載したのしをつけて贈ることが一般的となっています。
出産祝いのお返しのマナーをご存じでしょうか。ここからは「贈るタイミング」「お返しの金額の目安」「高額なお祝いをいただいた場合」「どのように贈るのがよいのか」「のし紙の作法」をご紹介します。
気持ちのよいお返しができるよう、マナーについてはしっかりと理解していきましょう。
出産祝いのお返しのマナー1つ目は、贈るタイミングです。贈るタイミングは、一般的には赤ちゃんが生後1ヶ月の頃、お宮参りの時期に贈ることが目安といわれています。遅くても生後2ヵ月頃までには贈ったほうが良いでしょう。
産後は体調がすぐに万全とはいかないので、贈り先の確認や贈り物選びは出産前にあらかじめ行っておくとスムーズです。
万が一目安の時期を過ぎてしまったときは、一言お詫びのメッセージを添えて贈りましょう。
出産祝いのお返しのマナー2つ目は、お返しの金額の目安です。目安となる金額は、頂いた額の半分程度をお返しするのが一般的といわれています。
お祝い金額が5,000円の場合は2,500円相当、10,000円の場合は5,000円相当を目安に、金額に見合ったお返しを贈りましょう。
お祝いを品物で頂いた場合、金額を調べるのは相手に失礼では…と感じてしまう部分もありますが、お返しの品の金額が高すぎたり、安すぎてしまっても失礼です。
出産祝いのお返しのマナー3つ目は、高額なお祝いを頂いた場合です。会社の上司、両親や年配の方などから高価な贈り物を頂くこともあるでしょう。
高額なお祝いを頂いた場合は、3分の1程度を目安にお返しを贈ります。
あまりに高額すぎるお返しをすると失礼にあたる場合があるので、お返しの金額には気を付けましょう。
出産祝いのお返しのマナー4つ目は、どうやって贈るのがいいのかということです。出産祝いのお返しの方法として郵送と手渡しがあります。
お相手の居住地との距離や、赤ちゃんや産後の体の回復状態によって郵送か手渡しかを見極めましょう。
手渡しの際は、手提げ袋ごと渡すのではなく袋から品物を出して両手で渡します。郵送の場合は、品物とお礼の言葉を添えたメッセージカードを同封しましょう。
出産祝いのお返しのマナー5つ目は、のし紙の作法です。出産祝いのお返しを贈る際には、品物にのしをつけるのがマナーです。
出産祝いは何度でもおめでたいという意味から「紅白蝶結び」ののし紙を選びます。「内祝」もしくは「出産内祝い」と表書きをし、赤ちゃんの名前のお披露目という意味から下に赤ちゃんの名前を書きます。
名前には読み方がわかるようふりがなをつけることを忘れないようにしましょう。
喜ばれるお返しはどのようなものがあるのでしょうか。
内祝いは、種類や価格も豊富なギフト用カタログを贈ることもできますし、ネット通販やデパートなどで購入することもできます。
自分用にはあまり買うことの少ない、ちょっとした贅沢を味わえる品を贈ると喜ばれるでしょう。
おすすめのお返し1つ目は、種類や価格も豊富で間違いない洋菓子です。洋菓子であれば色々な有名店のものがあり、見た目が華やかで特別感があります。
例えばクッキーやカップケーキなどは、お茶菓子としても喜ばれ、焼き菓子なので常温保存ができ日持ちもするため、迷った場合は洋菓子がおすすめです。年代や性別を問わず親しまれています。
洋菓子は定番のギフトアイテムですが、有名ブランドなどをチョイスすると贈り物としての印象が際立つでしょう。
おすすめのお返し2つ目は、自分では買わないちょっと良いタオルです。形が残るアイテムの中で人気が高いのがタオルです。タオルは、老若男女問わず使用頻度が高いものなのでもらって困るという人は少ないでしょう。
特別感は少ないかもしれませんが、自分ではあまり買わないような、おしゃれで高級感のあるものを選ぶと特に喜ばれます。また、日常的に使うものなので使用感にこだわったものを選んでみても良いでしょう。
出産祝いのおすすめのお返し3つ目は、年上の方にも喜ばれる老舗の和菓子です。年配の方には、洋菓子よりも和菓子が好まれることが多いのではないでしょうか。
例えば、もなかやようかん、どら焼き、おせんべいなど、老舗のお店には良質で人気の高い詰め合わせなどが用意されています。
できるだけ日持ちするものを選び、購入した後すぐにお渡しできる相手に贈ると良いでしょう。
おすすめのお返し4つ目は、相手を選ばない紅茶やコーヒーです。飲食物は贈り物の中で「消えもの」と呼ばれ、お菓子と同様に人気があるのが、紅茶やコーヒーなどの飲み物です。
紅茶やコーヒーは、どの家庭にもストックを置いてあるポピュラーなものなので、喜ばれやすいでしょう。紅茶やコーヒーであれば、食の好みが分からない方にも贈りやすく、日持ちもします。
おすすめのお返し5つ目は、ビューティアイテムです。おしゃれな女友達などに素敵なビューティアイテムをチョイスしてみても良いでしょう。
ビューティアイテムは女性にとって日常的に使うものなので、気遣いのあるギフトとして人気があります。
例えば、優しい素材を使った石鹸や入浴剤、見た目がおしゃれなボトルのボディクリーム、ハンドクリームなどがおすすめです。
おすすめのお返し6つ目は、名入れをするなら消えものを選びましょう。「名前が入っているギフトを貰っても手元に残るものだと困ってしまう」というのが贈られた側の意見として少なくありません。
贈る相手の関係性によって感じ方は変わりますが、名入れをするなら消えものにするようにしましょう。
消えものとしておすすめは、お米やお酒、ゼリーのラベル、焼き菓子に焼き印をいれる、などです。
おすすめのお返し7つ目は、選べる自由を贈るという意味でカタログギフトです。中にはどんなものを贈っていいか悩んでしまう相手もいるのではないでしょうか。
そういった相手にはカタログギフトがおすすめです。カタログギフトであれば、受け取った方が好きな物を選ぶことができます。
カタログギフトは、かさばらず渡しやすいという利点もあります。ただ、ギフトの注文期限があるのでその点に注意が必要なことを一言伝えましょう。
お礼状とは、お礼をしたためた手紙のことをいいます。出産内祝いのお礼状はマナーや書き方に気を付けて、お祝いへの感謝の気持ちをしっかり伝えたいものです。
お礼状のマナーやお礼状の例文について紹介していきます。お礼状のマナーに不安がある方、どのような文章を書いたら良いか悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。
お礼状と出産内祝いは、まとめて渡すものと考えている方もいるのではないでしょうか。まとめて渡すことはマナー違反ではありませんが、お礼状を渡してから内祝いを贈るという流れが一般的です。
お礼状は出産祝いを受け取ったら、届いたことを知らせるためにもできる限り早く送ると良いでしょう。出産祝いと一緒にお礼状を贈りたい場合には、出産祝いが届いた時点で、届いたことを電話やメールで伝えておくと良いです。
お礼状の例文を紹介します。
「先日は長男の出産にあたり温かいお言葉 お祝いをいただきありがとうございました ささやかですが気持ちばかりの品をお贈りさせていただきます 喜んでもらえると幸いです」
祝い事のお礼状を贈りたい場合には、「区切りや終わりをつけないお祝い」という意味から句読点をつけないというマナーも存在します。
出産祝いのお返しのマナーと、喜ばれるおすすめのギフトについて紹介しましたが、いかがでしたか。出産後は友人や親戚など、さまざまな方からお祝いをもらいます。
丁寧なお付き合いが今後の関係性にも響くので、マナーを守って心のこもった出産祝いのお返しを贈りましょう。
予算からどういうものを贈るかばかりに目を奪われがちですが、まずはお礼状を忘れないようにしましょう。